上 下
183 / 810
九州三強と中央への目-北九州を二分する 二つの二虎競食の計-

急募!京都大使館員増員。そして京都所司代?

しおりを挟む
永禄十一年 四月

正直、政治的な根回しは好きじゃないし得意でもない。でもやらなきゃ生き残れないし長生きしたい。なので、朝廷にも幕府にもこれでもかっていうくらい、献金した。信長が本願寺だか堺だかに命じた矢銭?とは比較にならないほどの金額だ。

そして、

求人募集をだした。武家ばっかりだと、やっぱりね。固いんですよ。常陸介叔父上はざっくばらんだけど、皆が皆そうじゃない。やっぱり地元に根付くって意味で、領内と京都と堺湊、三ヶ所で募集をする事にした。

もちろん、爆破事件の事があるから厳重な審査を行った。

今までは隠密に行動をしていたが、公に開設する。小佐々弾正大弼純正の正式な京都大使館、詰め所だ。ゆえに警備も厳重にする。歩兵と銃兵を一組にし、周辺には狙撃兵を常駐させる。

弓兵や槍兵も、騎兵とあわせて警備する。お互いの弱点を補う編成を行う。
(銃は連射できないし、前装式が面倒だけど、なんとかならんかな工部省・・・。)この様にして警備兵を常備するのは理由があった。

実は禁裏の守護をたのまれたのだ。
当然その業務上、大使館は内裏のすぐ近くに居を構える。

誰に?
義父上だ。

義父上といえば先の関白、准三宮二条晴良。まったく大変な人を義父上にもったものだ。記憶では、内裏の警備は承久の乱までは朝廷内部でやっていた。その後鎌倉時代は六波羅探題、室町時代は奉公衆がやっていたはずだ。

しかし応仁の乱の後、幕府は弱体化してしまったから、誰も守る人がいない。

・・・そこで、俺に白羽の矢が立った訳だね。うーん。まあ、いいんだけどね。ただ、今の将軍は足利義栄。三好三人衆を刺激するといけないから、あくまでも内裏の警備を行う機関として、『京都所司代』を新設させてもらう。

もちろん、帝の勅書でね。

当然室町幕府の許可は得る。あくまでも、内裏の警護だ。洛中の警備も行うが、政治には一切関わらない。それを前提として許可してもらった。

そして、その兵力は五千。もちろん。常駐ではない。洛中に(詰め所を)多数散在させ、平時は普通の町民として過ごす。常備兵は五百ほど。それを交代で休ませながら詰めさせる。

一朝有事の際は大使館もしくは内裏詰め所の鐘で危険をしらせ、内裏組と大使館組で分かれて集合し、それぞれを警備する。

肥前からの兵員輸送は艦隊を使って行う。爆破事件の犯人も見つかっていない中、しかし、立ち止まってもいられないので、実行する。

油津や外浦の湊を経由して土佐の宿毛、そして堺港へ兵を輸送させる。時間はかかるだろうが昼夜を問わず行う。二ヶ月~三ヶ月くらいはかかるだろうか。当然銃や弾薬、そして大砲も、念のため持っていく。

帝に拝謁を賜わろう。できないかな?義父上パワーで。一応官位も先祖代々の従四位下弾正大弼だしね。あ。信長より上やん。これは・・・まずくね?大丈夫だよな。

ま、気にしてもはじまらないか。

さて、それでは準備に入ろう。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

『転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~』

姜維信繁
ファンタジー
佐賀藩より早く蒸気船に蒸気機関車、アームストロング砲。列強に勝つ! 人生100年時代の折り返し地点に来た企画営業部長の清水亨は、大きなプロジェクトをやり遂げて、久しぶりに長崎の実家に帰ってきた。 学生時代の仲間とどんちゃん騒ぎのあげく、急性アルコール中毒で死んでしまう。 しかし、目が覚めたら幕末の動乱期。龍馬や西郷や桂や高杉……と思いつつ。あまり幕末史でも知名度のない「薩長土肥」の『肥』のさらに隣の藩の大村藩のお話。 で、誰に転生したかと言うと、これまた誰も知らない、地元の人もおそらく知らない人の末裔として。 なーんにもしなければ、間違いなく幕末の動乱に巻き込まれ、戊辰戦争マッシグラ。それを回避して西洋列強にまけない国(藩)づくりに励む事になるのだが……。

ReBirth 上位世界から下位世界へ

小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは―― ※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。 1~4巻発売中です。

異世界で生きていく。

モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。 素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。 魔法と調合スキルを使って成長していく。 小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。 旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。 3/8申し訳ありません。 章の編集をしました。

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。

朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。 婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。 だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。 リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。 「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ
ファンタジー
 ここは、剣と魔法の異世界グリム。  ……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。  近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。  そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。  無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?  チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!  努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ! (この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...