22 / 81
第2章 光
第8話 孤独にご用心
しおりを挟む
★◇◆◇◆◇◆◇
頬を打つ潮風に、ターメリックは目を開けた。
「あ、れ……?」
気がつくと、砂浜の上に横たわっていた。
起き上がって見上げてみると、クランが立っていた断崖が目と鼻の先に見えた。
なんだ……
下は海でも岩肌でもなくて、砂浜で……
しかも、落ちても平気な高さだったんだ。
あたりを見回してみると、ちょうど隣にクランが倒れ伏していた。
「クラン君! 大丈夫!? クラン君!」
揺さぶってみたものの、反応はない。
クランは、まだ気を失っているらしい。
クラン君……
君は、落ちても大丈夫だって知ってて、ここに立っていたの……?
だとしたら、やっぱり君は……
ターメリックが、もう一度声をかけようとした、そのとき。
また地面が揺れ始めた。
「うわわ……?」
また地震かと、ターメリックはあたりを警戒したものの、はてと首を捻った。
先ほどの揺れとは、違う種類の揺れである。
なんだろう……
何かが近づいてくるような、足音みたいな揺れだけど……?
地響きはまだ続いていて、少しずつだが大きくなっているようだった。
ターメリックは、耳をすませて音のする方角を確認した。
「……」
どうやら、駆け抜けてきた草原のほうから、何かが近づいて来ているらしい。
ターメリックは後ろを振り向き、目を凝らした。
あれは……
え?
……花?
そのとき。
ターメリックの胸ポケットから、美しい鐘の音が「リリンリリン」と聞こえてきた。
わわっ、なんだ!?
びっくりして音の主を引っ張り出してみると……
それは、なんとあの小さな羅針盤だった。
ええっ!?
何この機能!
聞いてないよ!?
両手で抱えても「リリンリリン」は止まらない。
えー、どうしよう……
どこか押したら止まるかな……
あ、そっか。
ターメリックは、羅針盤を手のひらに載せて、中央の円に手をかざした。
すると、
『……あ。そういえば、ターメリック君に通信機能のことを説明していなかったなぁ。気がついてくれるといいんだが』
羅針盤からの「リリンリリン」が止まって、代わりにガサガサと雑音の混じったようなカメリアの声が聞こえてきた。
「え? カメリアさん?」
驚いたターメリックが声をかけると、羅針盤の中から嬉しそうな声が返ってきた。
『おお! 気がついてくれたんだね! よかった! 実は、その羅針盤にはクリスタニアの神殿にいる私と直接話ができるようになっているんだよ』
「そ、そんなことできるんですか!?」
『ははっ、すごいだろう? 現に今、君と話している私はクリスタニアの神殿にいるんだよ。こちらから話したいときは、羅針盤が鐘の音で知らせてくれる。そちらから話したいときは、羅針盤の中央を押してくれれば話せるよ』
「へぇ……」
ということは、旅先で困ったことがあっても、いつでもカメリアさんに相談できるんだなぁ。
ターメリックが感動していると、羅針盤のガサガサ音に混じってカメリアの小さな声が聞こえてきた。
『あと、これは非常に申し訳ないことなんだが……ターメリック君とクランの話は、羅針盤からすべて聞かせてもらっていたんだ』
「え!?」
『すまない! 悪気はなかったんだ! 非常事態に備えて仕方なく……』
カメリアの声がさらに小さくなった、そのとき。
すっかり忘れていた地響きが、ターメリックのかなり近くまで迫ってきた。
『ひどい揺れだな……ターメリック君、クラン、ふたりとも怪我はないか?』
「ぼくは平気です。でも、クラン君が……」
崖から落ちてまだ気を失ったままなんです、と続けようとしたターメリックだったが、
「僕も平気だよ」
振り返った先では、クランが立ち上がって服に付いた砂を払っていた。
どうやら、かなり早い段階からターメリックとカメリアの話を聞いていたらしく、羅針盤から声が聞こえていても驚いてはいないようだ。
「ああ、クラン君。よかった……」
ターメリックは、クランの元気な様子に胸を撫で下ろした。
クランは、あたりを見回している。
「大きな地震だったから、津波が来るかもしれない。早く高い所に避難しないと……」
『いや、今のは地震じゃないんだ』
「え」
カメリアの言葉に、クランの口から訝しんだ「え」が飛び出し、ターメリックは羅針盤とクランを交互に見つめた。
カメリアの話は続いている。
『クリスタン神様によると、あの大きな揺れは、竜の王イゾリータが暴れている音なのだそうだ。イゾリータが暴れることで、同時にその封印が少しずつ破られ、毒気が発生する』
「毒気……?」
『竜の王イゾリータの意志を持つ空気のことだ』
カメリアは、そこで一呼吸置いた。
紙をめくる音がしているので、どうやら本に書いてあることを読み上げているらしいとわかった。
『イゾリータは孤独を司る竜の王、奴は孤独を見逃さない。独りでいる物すべてが、イゾリータの毒気に感染しやすいのだ』
「毒気に感染する……?」
「叔父さん、それってどういうこと」
『ああ、待て待て今調べるから……あ、あった。毒気に感染したものは、イゾリータが恨みを持つ伝説の剣の持ち主を攻撃するようになる……と、本には書いてあるよ』
「えー、何それ。全然わかんない」
『そんなこと言われても、私にもわからないんだが……そちらに、何か変わったことはないかい?』
カメリアの問いかけに、ターメリックはクランと顔を見合わせた。
「……」
先ほどから続いていて、もうあまり気にならなくなっていた足音は、やはりだんだんと近づいていて、しかもかなり大きくなっている。
ターメリックとクランが揃って振り返った、そのとき。
背丈の倍以上はある巨大なヒマワリが、ふたりを踏み潰そうと、これまた巨大な根っこを足のように振り上げていた。
「わ」
「うわああぁっ!! な、なんだこれーっ!!」
クランは至って冷静に、ターメリックは泣き喚き出しそうな勢いで、ヒマワリの怪物から逃れようと揃って砂浜を駆け出した。
ターメリックの手に握られた羅針盤から、カメリアの慌てた声が聞こえてきた。
『ふたりとも! どうしたんだ!? 聞こえていたら、状況を説明してくれ!』
「大変なんですよ! でっかいヒマワリが襲ってきたんです! それで今、クラン君と必死に逃げてるんです!」
砂浜を駆け抜けながら、ターメリックは簡単に状況を説明した。
ヒマワリの怪物は、地響きとともにターメリックとクランを追いかけてきていた。
羅針盤からは、勢いよく本をめくったり、本を探して落としたり、机ごとひっくり返したかのような雑音が聞こえている。
しばらく走った後、ようやくカメリアの声が聞こえてきた。
『生き物というから動物だとばかり思っていたが、まさか植物にも毒気が感染するとは……なんて、感心している場合じゃないな。どうやら君たちは、そのヒマワリに狙われているようだ。しかし……どうして、ヒマワリなんだろうな』
カメリアの間延びした声に、ターメリックも全力で砂浜を走りながら、草原で見かけた花を思い出していた。
背の高いヒマワリの群生地、そこから少し離れた場所に咲いていた、一輪の大きなヒマワリ。
ほかのヒマワリを羨ましげに眺めているように見えたのは、どうやら気のせいではなかったらしい。
たった一輪で咲き誇るヒマワリの孤独を、イゾリータは見逃さなかったのだ。
「……寂しいのは、動物だけじゃないってことだよ」
あのヒマワリに気がついていたらしいクランは、息苦しそうに呟いた。
走り慣れているターメリックには持久力がある。
しかし、クランにはそれがない。
速度も目に見えて落ちてきている。
このままでは、あのヒマワリに追いつかれてしまうだろう。
つづく
頬を打つ潮風に、ターメリックは目を開けた。
「あ、れ……?」
気がつくと、砂浜の上に横たわっていた。
起き上がって見上げてみると、クランが立っていた断崖が目と鼻の先に見えた。
なんだ……
下は海でも岩肌でもなくて、砂浜で……
しかも、落ちても平気な高さだったんだ。
あたりを見回してみると、ちょうど隣にクランが倒れ伏していた。
「クラン君! 大丈夫!? クラン君!」
揺さぶってみたものの、反応はない。
クランは、まだ気を失っているらしい。
クラン君……
君は、落ちても大丈夫だって知ってて、ここに立っていたの……?
だとしたら、やっぱり君は……
ターメリックが、もう一度声をかけようとした、そのとき。
また地面が揺れ始めた。
「うわわ……?」
また地震かと、ターメリックはあたりを警戒したものの、はてと首を捻った。
先ほどの揺れとは、違う種類の揺れである。
なんだろう……
何かが近づいてくるような、足音みたいな揺れだけど……?
地響きはまだ続いていて、少しずつだが大きくなっているようだった。
ターメリックは、耳をすませて音のする方角を確認した。
「……」
どうやら、駆け抜けてきた草原のほうから、何かが近づいて来ているらしい。
ターメリックは後ろを振り向き、目を凝らした。
あれは……
え?
……花?
そのとき。
ターメリックの胸ポケットから、美しい鐘の音が「リリンリリン」と聞こえてきた。
わわっ、なんだ!?
びっくりして音の主を引っ張り出してみると……
それは、なんとあの小さな羅針盤だった。
ええっ!?
何この機能!
聞いてないよ!?
両手で抱えても「リリンリリン」は止まらない。
えー、どうしよう……
どこか押したら止まるかな……
あ、そっか。
ターメリックは、羅針盤を手のひらに載せて、中央の円に手をかざした。
すると、
『……あ。そういえば、ターメリック君に通信機能のことを説明していなかったなぁ。気がついてくれるといいんだが』
羅針盤からの「リリンリリン」が止まって、代わりにガサガサと雑音の混じったようなカメリアの声が聞こえてきた。
「え? カメリアさん?」
驚いたターメリックが声をかけると、羅針盤の中から嬉しそうな声が返ってきた。
『おお! 気がついてくれたんだね! よかった! 実は、その羅針盤にはクリスタニアの神殿にいる私と直接話ができるようになっているんだよ』
「そ、そんなことできるんですか!?」
『ははっ、すごいだろう? 現に今、君と話している私はクリスタニアの神殿にいるんだよ。こちらから話したいときは、羅針盤が鐘の音で知らせてくれる。そちらから話したいときは、羅針盤の中央を押してくれれば話せるよ』
「へぇ……」
ということは、旅先で困ったことがあっても、いつでもカメリアさんに相談できるんだなぁ。
ターメリックが感動していると、羅針盤のガサガサ音に混じってカメリアの小さな声が聞こえてきた。
『あと、これは非常に申し訳ないことなんだが……ターメリック君とクランの話は、羅針盤からすべて聞かせてもらっていたんだ』
「え!?」
『すまない! 悪気はなかったんだ! 非常事態に備えて仕方なく……』
カメリアの声がさらに小さくなった、そのとき。
すっかり忘れていた地響きが、ターメリックのかなり近くまで迫ってきた。
『ひどい揺れだな……ターメリック君、クラン、ふたりとも怪我はないか?』
「ぼくは平気です。でも、クラン君が……」
崖から落ちてまだ気を失ったままなんです、と続けようとしたターメリックだったが、
「僕も平気だよ」
振り返った先では、クランが立ち上がって服に付いた砂を払っていた。
どうやら、かなり早い段階からターメリックとカメリアの話を聞いていたらしく、羅針盤から声が聞こえていても驚いてはいないようだ。
「ああ、クラン君。よかった……」
ターメリックは、クランの元気な様子に胸を撫で下ろした。
クランは、あたりを見回している。
「大きな地震だったから、津波が来るかもしれない。早く高い所に避難しないと……」
『いや、今のは地震じゃないんだ』
「え」
カメリアの言葉に、クランの口から訝しんだ「え」が飛び出し、ターメリックは羅針盤とクランを交互に見つめた。
カメリアの話は続いている。
『クリスタン神様によると、あの大きな揺れは、竜の王イゾリータが暴れている音なのだそうだ。イゾリータが暴れることで、同時にその封印が少しずつ破られ、毒気が発生する』
「毒気……?」
『竜の王イゾリータの意志を持つ空気のことだ』
カメリアは、そこで一呼吸置いた。
紙をめくる音がしているので、どうやら本に書いてあることを読み上げているらしいとわかった。
『イゾリータは孤独を司る竜の王、奴は孤独を見逃さない。独りでいる物すべてが、イゾリータの毒気に感染しやすいのだ』
「毒気に感染する……?」
「叔父さん、それってどういうこと」
『ああ、待て待て今調べるから……あ、あった。毒気に感染したものは、イゾリータが恨みを持つ伝説の剣の持ち主を攻撃するようになる……と、本には書いてあるよ』
「えー、何それ。全然わかんない」
『そんなこと言われても、私にもわからないんだが……そちらに、何か変わったことはないかい?』
カメリアの問いかけに、ターメリックはクランと顔を見合わせた。
「……」
先ほどから続いていて、もうあまり気にならなくなっていた足音は、やはりだんだんと近づいていて、しかもかなり大きくなっている。
ターメリックとクランが揃って振り返った、そのとき。
背丈の倍以上はある巨大なヒマワリが、ふたりを踏み潰そうと、これまた巨大な根っこを足のように振り上げていた。
「わ」
「うわああぁっ!! な、なんだこれーっ!!」
クランは至って冷静に、ターメリックは泣き喚き出しそうな勢いで、ヒマワリの怪物から逃れようと揃って砂浜を駆け出した。
ターメリックの手に握られた羅針盤から、カメリアの慌てた声が聞こえてきた。
『ふたりとも! どうしたんだ!? 聞こえていたら、状況を説明してくれ!』
「大変なんですよ! でっかいヒマワリが襲ってきたんです! それで今、クラン君と必死に逃げてるんです!」
砂浜を駆け抜けながら、ターメリックは簡単に状況を説明した。
ヒマワリの怪物は、地響きとともにターメリックとクランを追いかけてきていた。
羅針盤からは、勢いよく本をめくったり、本を探して落としたり、机ごとひっくり返したかのような雑音が聞こえている。
しばらく走った後、ようやくカメリアの声が聞こえてきた。
『生き物というから動物だとばかり思っていたが、まさか植物にも毒気が感染するとは……なんて、感心している場合じゃないな。どうやら君たちは、そのヒマワリに狙われているようだ。しかし……どうして、ヒマワリなんだろうな』
カメリアの間延びした声に、ターメリックも全力で砂浜を走りながら、草原で見かけた花を思い出していた。
背の高いヒマワリの群生地、そこから少し離れた場所に咲いていた、一輪の大きなヒマワリ。
ほかのヒマワリを羨ましげに眺めているように見えたのは、どうやら気のせいではなかったらしい。
たった一輪で咲き誇るヒマワリの孤独を、イゾリータは見逃さなかったのだ。
「……寂しいのは、動物だけじゃないってことだよ」
あのヒマワリに気がついていたらしいクランは、息苦しそうに呟いた。
走り慣れているターメリックには持久力がある。
しかし、クランにはそれがない。
速度も目に見えて落ちてきている。
このままでは、あのヒマワリに追いつかれてしまうだろう。
つづく
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる