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 どれくらい時間が経っただろうか。もうすでに我慢の効かない体は後ろも前も制御の効かない手に責めあげられてぐちょぐちょだ。もう茉莉の返事を待つこともやめ、朦朧とする意識の中で快楽だけを貪っていた。

…アルファの香りだ。この香りは茉莉だ、茉莉がきた!

諦めていたにも関わらず、貪欲なオメガの性は茉莉のわずかな香りを察知した。少しでも早く茉莉に会いたくて、茉莉が来てくれたことが嬉しくて、玄関の方へ這っていく。

まつり、茉莉だ!

そう思って床から顔を上げた時、ちょうど玄関の扉が開いた。

「うわっ。すっげぇ匂い。てか、玲、そんなところで……お前汚いなぁ。いつもの綺麗な顔がだらしねぇの。」

鼻を押さえながら俺のことを嘲るように茉莉が笑いながら話しかける。遅れてきた挙句、ひどい態度をとる茉莉に縋る俺。茉莉が来てくれた。何でもいい、茉莉が来てくれたならもうなんでもいい。

「あっ、んんっ。はぁ、まつ、り。も、きつい…。」

快楽にうなされた頭で茉莉に助けを求める。ベトベトで汚い手で茉莉に触れようとすると、その手首を強く掴まれて、部屋の中へ引きずられた。

「あ、え?いた、いたい、茉莉、痛い!」

俺が身体をぶつけているのにも構わず乱暴に引きずられる。何が起こっているのかわからず、でも茉莉に助けを求めるしかできない俺は茉莉の名前を呼ぶ。ふいにぐっと身体を引き上げられ、そのままベッドに投げ倒された。

「っいた。なに、え、まつ………り?」

さっきまでの快楽はどこへ行ってしまったのだろうか。倒れた俺に馬乗りになり、茉莉が苛立ちのままアルファのフェロモンをあててきた。
茉莉が怒っている…。急に快楽は静まり返ったように身をひそめ、恐怖が全身を覆う。恐々と茉莉を見上げていると茉莉が目を合わせながら口を開いた。

「なぁ、玲。なんで、俺のやったピアス、してねぇの?」
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