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小さな幸せを願った勇者の話
69 楽しい学校生活
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翌日も、その次の日も、学校は臨時休校となった。朝から冒険者ギルドへ行って依頼を受け、薬草を摘み、ガウナーに教えてもらった大衆食堂で昼ごはんを食べて、また昼からも薬草を摘んだ。
無事に冒険者登録ができたマールクも一緒に、四人で出かけてご飯を食べて、依頼料の小遣いを手にして喜んだ。マールクは、初日に街へ一人で出たときに、騎士服に似た形の動きやすい服が売っている店を探していてくれて、俺がセナの護衛騎士だと言えるような格好を整えてくれた。
なかなか値が張ったので手持ちの金では足りず、マールクに貸してもらって購入した。手持ちの金、というのは、セナを王都へ連れてくるために用意された金を懐に入れたものの残りである。多めに準備されていたとはいえ三人分であり、俺の分の旅費も出していると、節約しつつ来ても多くは残らなかったのだ。
薬草摘みだけでは返せそうになく、毎日の昼食代で消えていくので、ランク上げのための金も借りなくてはいけないかもしれない。ランクが上がったら魔物退治でもして、ひと息に金を稼がないと借金ばかりが増えるかもしれない。
寮は、三日目に街から戻ったときに一般寮へ移っていいと言われて、そちらに引っ越しをすることができた。
引っ越しといっても、荷物などほとんど無く、旅の荷物にセナの制服と教科書が増えた程度で、身軽に移動して終わった。一般寮は二人部屋と一人部屋があるようだが、マールクとガウナーに二人部屋が与えられ、セナに一人部屋が与えられた。狭いが、一人部屋で良かった。これで安心して二人でいることができる。
昼ごはん代や文房具を買うための雑費的なお金は、月に銀貨十五枚貰えるようだ。やはり、セナ一人でも下着や服の替えを買う余裕はほとんど無さそうで、時間がある時には冒険者ギルドで金を稼いでおかなくてはいけないようだ。
「今日からこのクラスで共に学ぶことになったセナ君だ。仲良くするように。」
セナが、ようやくCクラスで紹介してもらうことができた。もう三日も寮にいるので、すでに顔見知りの者も多く、特に騒ぎもなかった。ただ、平民のクラスで護衛が付いていることが珍しかったらしい。
「ユーゴーも生徒なんだと思ってた。」
寮では、セナと一緒に食堂で食事を摂り、一緒に風呂に入っている同じくらいの年齢の俺も、そのように見られていたらしい。
教室の後ろでずっと立っている俺に、クラスの子が休憩時間に話しかけてくれたりする。
「ね、ユーゴー。ユーゴーも座っちゃ駄目なのかな。」
セナは申し訳無さそうに眉を下げているが、護衛って皆、立っているんじゃないのかな?
マールクとガウナーは、一日交代で俺たちに付いてきて、退屈そうに廊下で立っていたけれど、何日かしたら椅子を借りて座って授業を聞き始めたので、俺にも教室内での椅子が用意された。教師も、立っていられると気になるから座っていてくれた方がいい、と言ってくれ、一週間もする頃には、セナの教科書を一緒に見ながら授業を受ける、二人で楽しい学校生活が始まっていた。
無事に冒険者登録ができたマールクも一緒に、四人で出かけてご飯を食べて、依頼料の小遣いを手にして喜んだ。マールクは、初日に街へ一人で出たときに、騎士服に似た形の動きやすい服が売っている店を探していてくれて、俺がセナの護衛騎士だと言えるような格好を整えてくれた。
なかなか値が張ったので手持ちの金では足りず、マールクに貸してもらって購入した。手持ちの金、というのは、セナを王都へ連れてくるために用意された金を懐に入れたものの残りである。多めに準備されていたとはいえ三人分であり、俺の分の旅費も出していると、節約しつつ来ても多くは残らなかったのだ。
薬草摘みだけでは返せそうになく、毎日の昼食代で消えていくので、ランク上げのための金も借りなくてはいけないかもしれない。ランクが上がったら魔物退治でもして、ひと息に金を稼がないと借金ばかりが増えるかもしれない。
寮は、三日目に街から戻ったときに一般寮へ移っていいと言われて、そちらに引っ越しをすることができた。
引っ越しといっても、荷物などほとんど無く、旅の荷物にセナの制服と教科書が増えた程度で、身軽に移動して終わった。一般寮は二人部屋と一人部屋があるようだが、マールクとガウナーに二人部屋が与えられ、セナに一人部屋が与えられた。狭いが、一人部屋で良かった。これで安心して二人でいることができる。
昼ごはん代や文房具を買うための雑費的なお金は、月に銀貨十五枚貰えるようだ。やはり、セナ一人でも下着や服の替えを買う余裕はほとんど無さそうで、時間がある時には冒険者ギルドで金を稼いでおかなくてはいけないようだ。
「今日からこのクラスで共に学ぶことになったセナ君だ。仲良くするように。」
セナが、ようやくCクラスで紹介してもらうことができた。もう三日も寮にいるので、すでに顔見知りの者も多く、特に騒ぎもなかった。ただ、平民のクラスで護衛が付いていることが珍しかったらしい。
「ユーゴーも生徒なんだと思ってた。」
寮では、セナと一緒に食堂で食事を摂り、一緒に風呂に入っている同じくらいの年齢の俺も、そのように見られていたらしい。
教室の後ろでずっと立っている俺に、クラスの子が休憩時間に話しかけてくれたりする。
「ね、ユーゴー。ユーゴーも座っちゃ駄目なのかな。」
セナは申し訳無さそうに眉を下げているが、護衛って皆、立っているんじゃないのかな?
マールクとガウナーは、一日交代で俺たちに付いてきて、退屈そうに廊下で立っていたけれど、何日かしたら椅子を借りて座って授業を聞き始めたので、俺にも教室内での椅子が用意された。教師も、立っていられると気になるから座っていてくれた方がいい、と言ってくれ、一週間もする頃には、セナの教科書を一緒に見ながら授業を受ける、二人で楽しい学校生活が始まっていた。
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