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第十章 されど幸せな日々
2 頼もしいけど物騒 成人
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領主交代のお知らせは、うちの人たちが来た次の日に出された。
西中国の領主一族は皇国の皇族への不敬によりお家取り潰し。西中国は、西賀国の領主家である各務家に後を預ける。西賀国もそのまま各務家預かりとする。両国を統合するかどうかは各務家の胸先一つでよい。
そんなのを九鬼壱鷹の名前で出した。西国筆頭として壱鷹が決めたことだというお知らせらしい。いつでも都合の良いときに出せばええ、って壱鷹が書いていってくれたものだ。今回の件は、壱鷹にも都合が良かったらしい。西国筆頭としての声明を堂々と出せることは、九鬼の復権を大きく知らせる事になるからって。何だか色々と難しいけれど、俺や緋色と仲良しな人たちにとって良かったなら良かった。
もう少し、色んな事が落ち着いてからの方がええんかな、とかそんな事を、書類仕事をしながら竹光たちが話していたけれど、登城してきた人に会って話す度にいちいち説明するのが面倒臭くなったらしい。慌てて登城してきた人、というのは、捕らえてある元真中の家臣の家臣だったから、手紙は届いていて、知っていてお城に来ているはずなのに。何故、その人たちが城から家に戻れないのかを説明する手紙をちゃんと届けたから、慌ててお城に来たんだと思ってたんだけど。
それなのに皆必ず、お前は誰や、殿はどちらにいらっしゃるんや、って言ってきたらしい。あの主にしてこの従者ありって所ですなあ、って竹光は呆れていた。
お家取り潰しってのは、真中って名前の家が無くなることらしい。真中だった人達は皆、名字無しになった。俺が名字無しにした真中だけじゃなくて、全員。なるほど。そうしたら、もう絶対に真中がこの国を治めることは出来なくなった。分かりやすい。
正式発表してしまえ。大丈夫だ。何があっても跳ね返してやる、って緋色は笑った。うちの人たち、ほとんど皆来たからね。もう本当に大丈夫だな、って俺も思ったよ。緋色が嬉しそうだったから、俺も嬉しくてにこにこしちゃった。もう安心。そう、安心したんだな、俺たち。家族は特別って意味が、ちょっと分かった気がした。
最初から一緒に来てた人たちだけでも、跳ね返せた気がするんだよ。皆、強いし。緋色には権力もお金もあるし。でも、乙羽や広末、壱臣、斎や斑鹿乃、末良みたいに戦えない人もたくさん来て、守らなきゃいけない人が増えたはずなのに、もう大丈夫って感じが強くなった。不思議。でも、なんでかそうだったんだ。
頼もしいけど物騒ですねえ、って鶴丸が笑った。
正式発表の後、登城する人は増えた。国のあちこちから、家臣たちがやってきたみたいだ。いっぺんに相手できないから、順番に待ってもらったけどね。賄賂を渡そうとする人も結構いた。そういうのは受け付けていない、って知らせるのも大変だった。
西中国の領主一族は皇国の皇族への不敬によりお家取り潰し。西中国は、西賀国の領主家である各務家に後を預ける。西賀国もそのまま各務家預かりとする。両国を統合するかどうかは各務家の胸先一つでよい。
そんなのを九鬼壱鷹の名前で出した。西国筆頭として壱鷹が決めたことだというお知らせらしい。いつでも都合の良いときに出せばええ、って壱鷹が書いていってくれたものだ。今回の件は、壱鷹にも都合が良かったらしい。西国筆頭としての声明を堂々と出せることは、九鬼の復権を大きく知らせる事になるからって。何だか色々と難しいけれど、俺や緋色と仲良しな人たちにとって良かったなら良かった。
もう少し、色んな事が落ち着いてからの方がええんかな、とかそんな事を、書類仕事をしながら竹光たちが話していたけれど、登城してきた人に会って話す度にいちいち説明するのが面倒臭くなったらしい。慌てて登城してきた人、というのは、捕らえてある元真中の家臣の家臣だったから、手紙は届いていて、知っていてお城に来ているはずなのに。何故、その人たちが城から家に戻れないのかを説明する手紙をちゃんと届けたから、慌ててお城に来たんだと思ってたんだけど。
それなのに皆必ず、お前は誰や、殿はどちらにいらっしゃるんや、って言ってきたらしい。あの主にしてこの従者ありって所ですなあ、って竹光は呆れていた。
お家取り潰しってのは、真中って名前の家が無くなることらしい。真中だった人達は皆、名字無しになった。俺が名字無しにした真中だけじゃなくて、全員。なるほど。そうしたら、もう絶対に真中がこの国を治めることは出来なくなった。分かりやすい。
正式発表してしまえ。大丈夫だ。何があっても跳ね返してやる、って緋色は笑った。うちの人たち、ほとんど皆来たからね。もう本当に大丈夫だな、って俺も思ったよ。緋色が嬉しそうだったから、俺も嬉しくてにこにこしちゃった。もう安心。そう、安心したんだな、俺たち。家族は特別って意味が、ちょっと分かった気がした。
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