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第八章 郷に入っては郷に従え
98 成人殿下のご友人 鶴丸
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「鶴丸、松吉。力丸だよ。俺の親友」
「へ?あ、そうでしたか」
廊下を歩きながら、成人殿下が一緒に来た者を紹介してくれた。
護衛やと思っとりました、ものすごう強いから、との言葉は飲み込んで、にこと笑えば、成人殿下もにこにこ笑って頷いてくれた。
今は、その成人殿下の親友?の案内で、訓練所へ向かっている。同じく客人のはずやのに、訓練所へ向かわれますか、こちらです、と迷いなく案内してくれている。
「泉門院力丸と申します。今日は、護衛兼任です」
「あ、やっぱり護衛?強いもんな」
護衛の方が兼任なんや?ほな、成人殿下の親友って肩書きは合ってるんやね。
「ありがとうございます。普段は、皇太子殿下の近衛を務めております」
「へええ。そりゃまた」
うちらより歳下に見えるのに、皇太子殿下の近衛?凄いな。ほな、今回は成人殿下に貸し出されたんか。成人殿下、大事にされてはるなあ。
「力丸、鶴丸と松吉だよ。今度、うちに遊びに来るって」
「あ。ええっと、各務鶴丸と伴侶の松吉です。よろしく」
「西賀国の各務様ですね。成人の、あー、ええっと、成人殿下の友人仲間として、これからもよろしくお願い致します」
「へ?あ、はい?」
友人?あれ?うち、成人殿下の友人なん?
「名前、似てるね」
「へ?」
成人殿下は、にこにことご機嫌さんで話しながら歩く。
名前?名前って?あ、力丸と鶴丸?うん、確かに似とるな。
「常陸丸も丸が一緒」
ん?誰や?
「兄です。緋色殿下の専属護衛をしています」
「はは」
兄弟で、皇国の皇子様兄弟のそれぞれの近衛?なんやそれ、すごいな。ちょっとやり合ってみた……。
視線を感じて横を向けば、奥さんがじいっとこちらを見とる。いやいやいや。危ないことはせんよ。ちょっと。ちょっとだけ手合わせしてみたいなーって思っただけやん。口には出してへんやん。熊を倒しに行く言うたんやあるまいし、人間やん。しかも敵やない。
熊にかて、うちが遅れをとったことはないやろ?
「鶴丸さま。後で、手合わせしてもらえませんか?」
やった!あっちから言うてきた!
「ああ、是非!」
気が合いそうやな、力丸。末永くよろしく!
「ずるい。うちもやりたい」
あ、そっち?
力丸、奥さんの相手もお願いしてええかな?
「へ?あ、そうでしたか」
廊下を歩きながら、成人殿下が一緒に来た者を紹介してくれた。
護衛やと思っとりました、ものすごう強いから、との言葉は飲み込んで、にこと笑えば、成人殿下もにこにこ笑って頷いてくれた。
今は、その成人殿下の親友?の案内で、訓練所へ向かっている。同じく客人のはずやのに、訓練所へ向かわれますか、こちらです、と迷いなく案内してくれている。
「泉門院力丸と申します。今日は、護衛兼任です」
「あ、やっぱり護衛?強いもんな」
護衛の方が兼任なんや?ほな、成人殿下の親友って肩書きは合ってるんやね。
「ありがとうございます。普段は、皇太子殿下の近衛を務めております」
「へええ。そりゃまた」
うちらより歳下に見えるのに、皇太子殿下の近衛?凄いな。ほな、今回は成人殿下に貸し出されたんか。成人殿下、大事にされてはるなあ。
「力丸、鶴丸と松吉だよ。今度、うちに遊びに来るって」
「あ。ええっと、各務鶴丸と伴侶の松吉です。よろしく」
「西賀国の各務様ですね。成人の、あー、ええっと、成人殿下の友人仲間として、これからもよろしくお願い致します」
「へ?あ、はい?」
友人?あれ?うち、成人殿下の友人なん?
「名前、似てるね」
「へ?」
成人殿下は、にこにことご機嫌さんで話しながら歩く。
名前?名前って?あ、力丸と鶴丸?うん、確かに似とるな。
「常陸丸も丸が一緒」
ん?誰や?
「兄です。緋色殿下の専属護衛をしています」
「はは」
兄弟で、皇国の皇子様兄弟のそれぞれの近衛?なんやそれ、すごいな。ちょっとやり合ってみた……。
視線を感じて横を向けば、奥さんがじいっとこちらを見とる。いやいやいや。危ないことはせんよ。ちょっと。ちょっとだけ手合わせしてみたいなーって思っただけやん。口には出してへんやん。熊を倒しに行く言うたんやあるまいし、人間やん。しかも敵やない。
熊にかて、うちが遅れをとったことはないやろ?
「鶴丸さま。後で、手合わせしてもらえませんか?」
やった!あっちから言うてきた!
「ああ、是非!」
気が合いそうやな、力丸。末永くよろしく!
「ずるい。うちもやりたい」
あ、そっち?
力丸、奥さんの相手もお願いしてええかな?
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