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生配信29 看病?
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どうも、皆さん。サキサキこと佐々木です!
今、私は滝くん家に来ています。
今回で2回目なのかな、滝くん家に来たのは。
滝くんは隣の寝室で眠っているので、この場には私とえっちゃんしかいません。
「ねぇ、サキちゃん! ここが滝さんの家なんだ。結構綺麗にしてるんだね!」
「えっちゃん、シーだよ。寝てるんだから」
滝くんを起こさない様にしなくてはならないのに、えっちゃんときたら、初めてこの家に来たことで興奮して。
「ねぇ、サキちゃん」
「うん、何?」
「見て!」
私の顔の前で広げられる布。最初はなんなのか分からなかったが、よく見ると、
「ちょっ! 何してるの、えっちゃん!」
「滝さんのパンツ!」
黒色のボクサーパンツが私の目の前に。
た、滝くんはボクサーパンツ派なん………ってそうじゃない!
「えっちゃん、いい加減静かにしないと怒るよ」
「はーい」
ソファに座るもキョロキョロするえっちゃん。
もう、本当に子供なんだから。
えっちゃんが取り出してきた滝くんのパンツを畳みながら、えっちゃんを見る。
「このパンツは何処から持ってきたの?」
「あそこのタンスから!」
「そう、じゃあ片付けてき」
「そういえば、なんか女性用の物もあった様な」
「………片付けてくるから大人しくしてて」
女性用の物って………下着のこと?
でもでもでも、滝くん「彼女さん? いないない」って言ってたし。
え、じゃあえっちゃんが見たものは誰の下着?
頭の中がグルグルしてきたが、見れば分かること。
ゴクリ。
人様のタンスを開けるのはいけない事。でも、私の場合は許されるよね?
だって、えっちゃんが取り出して来たものを片付けるためだもん。
決して、どんなパンツがあるんだろう、女性用の下着ってどういう事、とか1ミリも思ってないから。
そう言い聞かせて、タンスを開ける。
「ん? えっちゃん、何処に女性の下着があるの?」
タンスの中には黒色のパンツしか入っていなかった。
えっちゃんの方を振り向くと、口元がピクピクと動いている。
な、なるほどね、おちょくったのね。
「べ、別にフフフッ、あるとは言ってないしねクククッ」
ベシッ。
「痛いな、叩かなくても良いじゃん!」
「うるさい」
大人を揶揄うからです。
「ひまひまひま!」と言うえっちゃんは置いといて、滝くんは何か食べたのだろうか?
食べてないならお粥でも作ってあげようかな。
私は「漁ったりしないんだよ」とえっちゃんに釘を刺し、台所へと向かう。
材料はここに来る前に買っておいたので、あとはレシピを見ながらお粥を作るだけ。
お粥にレシピが必要かって?
必要でしょ? だって、爆発とかしたら困るじゃない。
レシピ通りに作れば爆発を防げるし、美味しくも作れるはず。
さて、レシピを検索しますか。
スマホで『お粥 美味しい』で検索をかけていると、
「そういえば!」
何かを思い出した様にえっちゃんが近付いて来て、「良かったね」と耳打ちしてくる。
何が良かったのだろうか、とえっちゃんに向けて首を傾げると、
「ほら、さっきさ『佐々木さんは美人だ』って滝さん言ってたじゃん」
「………」
ポーッと頬から顔全体にかけて熱が広がってくるのが分かる。
今、きっと顔は真っ赤になってるのだろう。
「おかしいな、サキちゃんより若くて、JKブランドのわたしを可愛く見れないなんて熱でも………あるんだった」
滝くんの言葉を思い出して惚けていると、聞き捨てならない言葉が聞こえて来た気がする。
「ゔうん! まあ、えっちゃんみたいなガキンチョよりも大人の魅力がある私の方が好きみたいだね」
「おっぱいはわたしの方が大きいけどね!」
「スタイルは私の方が良いけどね」
決して譲れない女の戦いが起きる。
「ガキンチョ」
「おばさん!」
「まだ24ですけど? おバカさんですか?」
「高校生はもうガキンチョじゃないんじゃないですかね? この貧乳!」
「カップ数が1つ上だからってマウント取らないでもらっても良いですかね?」
「上は上ですから!」
ぐぬぬぬ、と威嚇し合う私とえっちゃん。
ここに第三者がいたら、きっと私達の後ろに虎と龍が見えているのだろう。
「———聞いてくる」
「ん?」
「だから、滝さんに聞いてくれば解決よ!」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
えっちゃんを捕まえようとするも、あと指1本分足らず行かせてしまった。
「えっちゃん、なんで私達が滝くん家に来たのか忘れてない?」
そうこぼすも、えっちゃんには届いてなかった。
「………お粥でも作るか」
私は検索しっぱなしだったスマホを手に持ち、レシピ通りにお粥を作る。
「どうでも良い事を病人に聞くんじゃあねぇ!」
「だって!」
ふっ、これだからお子様は。
起こされた滝くんの元に行き、お粥が作り終わる事を伝える。シュンとしたえっちゃんの手を引き、居間へと連れ帰ることも忘れていない。
「今日は滝くんの看病に来たんだよ、えっちゃん」
「………そういえばそうだった」
えっちゃんの面倒を見ながら、お粥の完成を待つ。
「よし、出来た」
出来立てほやほやのお粥を滝くんのところに持っていく。
「はい、あーん」
「待って、ちょっと待って! 湯気が、絶対熱いでしょ! 口元に持って来たってあっつうう!」
こうして無事に看病をすることができました!
「………これ、塩と砂糖間違えてない?」
「サキちゃん、料理下手だし、甘党だから」
お粥も綺麗に食べれて偉いね、滝くんにえっちゃん!
今、私は滝くん家に来ています。
今回で2回目なのかな、滝くん家に来たのは。
滝くんは隣の寝室で眠っているので、この場には私とえっちゃんしかいません。
「ねぇ、サキちゃん! ここが滝さんの家なんだ。結構綺麗にしてるんだね!」
「えっちゃん、シーだよ。寝てるんだから」
滝くんを起こさない様にしなくてはならないのに、えっちゃんときたら、初めてこの家に来たことで興奮して。
「ねぇ、サキちゃん」
「うん、何?」
「見て!」
私の顔の前で広げられる布。最初はなんなのか分からなかったが、よく見ると、
「ちょっ! 何してるの、えっちゃん!」
「滝さんのパンツ!」
黒色のボクサーパンツが私の目の前に。
た、滝くんはボクサーパンツ派なん………ってそうじゃない!
「えっちゃん、いい加減静かにしないと怒るよ」
「はーい」
ソファに座るもキョロキョロするえっちゃん。
もう、本当に子供なんだから。
えっちゃんが取り出してきた滝くんのパンツを畳みながら、えっちゃんを見る。
「このパンツは何処から持ってきたの?」
「あそこのタンスから!」
「そう、じゃあ片付けてき」
「そういえば、なんか女性用の物もあった様な」
「………片付けてくるから大人しくしてて」
女性用の物って………下着のこと?
でもでもでも、滝くん「彼女さん? いないない」って言ってたし。
え、じゃあえっちゃんが見たものは誰の下着?
頭の中がグルグルしてきたが、見れば分かること。
ゴクリ。
人様のタンスを開けるのはいけない事。でも、私の場合は許されるよね?
だって、えっちゃんが取り出して来たものを片付けるためだもん。
決して、どんなパンツがあるんだろう、女性用の下着ってどういう事、とか1ミリも思ってないから。
そう言い聞かせて、タンスを開ける。
「ん? えっちゃん、何処に女性の下着があるの?」
タンスの中には黒色のパンツしか入っていなかった。
えっちゃんの方を振り向くと、口元がピクピクと動いている。
な、なるほどね、おちょくったのね。
「べ、別にフフフッ、あるとは言ってないしねクククッ」
ベシッ。
「痛いな、叩かなくても良いじゃん!」
「うるさい」
大人を揶揄うからです。
「ひまひまひま!」と言うえっちゃんは置いといて、滝くんは何か食べたのだろうか?
食べてないならお粥でも作ってあげようかな。
私は「漁ったりしないんだよ」とえっちゃんに釘を刺し、台所へと向かう。
材料はここに来る前に買っておいたので、あとはレシピを見ながらお粥を作るだけ。
お粥にレシピが必要かって?
必要でしょ? だって、爆発とかしたら困るじゃない。
レシピ通りに作れば爆発を防げるし、美味しくも作れるはず。
さて、レシピを検索しますか。
スマホで『お粥 美味しい』で検索をかけていると、
「そういえば!」
何かを思い出した様にえっちゃんが近付いて来て、「良かったね」と耳打ちしてくる。
何が良かったのだろうか、とえっちゃんに向けて首を傾げると、
「ほら、さっきさ『佐々木さんは美人だ』って滝さん言ってたじゃん」
「………」
ポーッと頬から顔全体にかけて熱が広がってくるのが分かる。
今、きっと顔は真っ赤になってるのだろう。
「おかしいな、サキちゃんより若くて、JKブランドのわたしを可愛く見れないなんて熱でも………あるんだった」
滝くんの言葉を思い出して惚けていると、聞き捨てならない言葉が聞こえて来た気がする。
「ゔうん! まあ、えっちゃんみたいなガキンチョよりも大人の魅力がある私の方が好きみたいだね」
「おっぱいはわたしの方が大きいけどね!」
「スタイルは私の方が良いけどね」
決して譲れない女の戦いが起きる。
「ガキンチョ」
「おばさん!」
「まだ24ですけど? おバカさんですか?」
「高校生はもうガキンチョじゃないんじゃないですかね? この貧乳!」
「カップ数が1つ上だからってマウント取らないでもらっても良いですかね?」
「上は上ですから!」
ぐぬぬぬ、と威嚇し合う私とえっちゃん。
ここに第三者がいたら、きっと私達の後ろに虎と龍が見えているのだろう。
「———聞いてくる」
「ん?」
「だから、滝さんに聞いてくれば解決よ!」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
えっちゃんを捕まえようとするも、あと指1本分足らず行かせてしまった。
「えっちゃん、なんで私達が滝くん家に来たのか忘れてない?」
そうこぼすも、えっちゃんには届いてなかった。
「………お粥でも作るか」
私は検索しっぱなしだったスマホを手に持ち、レシピ通りにお粥を作る。
「どうでも良い事を病人に聞くんじゃあねぇ!」
「だって!」
ふっ、これだからお子様は。
起こされた滝くんの元に行き、お粥が作り終わる事を伝える。シュンとしたえっちゃんの手を引き、居間へと連れ帰ることも忘れていない。
「今日は滝くんの看病に来たんだよ、えっちゃん」
「………そういえばそうだった」
えっちゃんの面倒を見ながら、お粥の完成を待つ。
「よし、出来た」
出来立てほやほやのお粥を滝くんのところに持っていく。
「はい、あーん」
「待って、ちょっと待って! 湯気が、絶対熱いでしょ! 口元に持って来たってあっつうう!」
こうして無事に看病をすることができました!
「………これ、塩と砂糖間違えてない?」
「サキちゃん、料理下手だし、甘党だから」
お粥も綺麗に食べれて偉いね、滝くんにえっちゃん!
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