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Evo6 「マリアの音」

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 私はアリスちゃんとの特訓で、4天使を同化させる事になりました。しかし今の私では、その魔力量に耐える事が出来ず、逆に限界を超えた魔力をアグリッタさんから吸い寄せてしまっていたのです。

 そして私は硬直状態になってしまったのですが、アリスちゃんの一撃により、何とか気絶さられる事になったらしいのですが……。


「天使もどき、翡翠をアグリッタの所へ連れて行きなさい」

「翡翠に4天使の同化は、まだ早かったね」

 一先ず、私をアグリッタさんの元へ連れて行ってくれたアキナ君。そして、事の成り行きを説明する事になったみたいです。


「成る程、4天使の同化による魔力供給に、翡翠さんの身体が耐えられなかったのか。だが……」

 魔術師の魔力を供給して貰う事により、一般人の私でも魔法が使える様になります。

 しかし、ソフィーさんやアリスちゃんと違い、私は魔法と言う力をつい最近知ったばかりである為、膨大な魔力に驚いてしまい、今回の様な事態になってしまったそうなのでした。

 だけど、アグリッタさんは1つの疑問を感じていたらしいです。

 それは、私に吸収され掛けた魔力が、8天使程同化出来る量であったからだと、後に教えて貰いました。普通に考えれば、それだけの魔力を特訓無しに吸収してしまうと、現実世界に戻ったとしても、肉体の崩壊が起きてしまう可能性があるらしいのです。

 それを私は、少しの熱と気絶しているだけであった事に、アグリッタさんも驚きを感じていた様でした。


「翡翠が宿す真の力は、もっと凄いのかも知れませんね」

 アキナ君の言葉にアグリッタさんは頷き、私が完治するまで側にいて上げてくれと指示をしてくれたそうです。

 その後、一般世界で計る1時間程が経った頃、私は意識を取り戻し眼を覚ます事になりました。


「あれ、私……痛たたた。何かお腹が痛い」

 この痛みはアリスちゃんの突きによるものなので、直ぐに治るとアキナ君は説明してくれました。

 そして、これからも魔術師の遣いとして特訓はしなければいけないのですが、私には秘めたる力があるかも知れないと、アキナ君は訳の分からない事を告げたのです。

 だけど私自身、当然その事に気付く筈も無く、どこにでもいるありふれた人間だと即座に否定する事になりました。


「翡翠には素晴らしい力があると思うんだけどなぁ」

 一先ず、自宅へと戻った私。そして翌日、私は学校でその後の事をアリスちゃんに説明し、その日から特訓を再開する事になったのです。

 そして特訓の日々が数日続いた頃、私は新たな魔術師の遣いと出会う事になりました。


「翡翠、漸く魔法の使い方を覚えて来たみたいね」

「いやいや、まだまだだよ……」

 後は、実践で試したいところであったのですが、こんな時に限ってルアンユーさんは姿を見せなかったのです。

 と、そこに一人の女性が現れたのですが、私の許可無くアグリッタさんの領土に入り混んで来たのでした。

 そして、それを見たアリスちゃんが声を掛けたのです。


「貴女、確かイタリアの魔術師の遣いよね?」

「そうですわ。私の名前は、マリアベーラ アルベルティ。マリア様とお呼びなさい」


 随分、高飛車な態度のマリア……様。

 このマリアさんが使う魔法は『12平均律』 と言うらしく、ピアノの鍵盤で『ラ』 から始まり♯を含め、『ソ』 までの音程を均等な周波数比で分割した音律からなる、『音』の魔力であると言っていました。


「誰が『様』 何か付けるかってーのっ。マリキチで十分よ」

 私の知らない一面を見せるアリスちゃん。そしてマリアさんも下品なアリスちゃんに用は無いと言い返し、自身が現れた目的は、私をコテンパンにする事だと言い出したのです。

 そして私が状況を把握出来ないまま、マリアさんは変身してしまうのでした。


「我に奏でしその力 今この時この瞬間 聖なる音源で魅了せん……マリア……エボリューションっ!」


 「翡翠、私達も変身するわよっ」

「う、うん。我に宿りしその力 今この時この瞬間 開放へと導かん……翡翠……エボリューションっ!」

 マリアさんは音の魔力を発動させ、先制で攻撃を開始して来ました。それはド♯とレの能力で、『高揚』 と『力強さ』 の魔力を奏でるものであったのです。


「さあ、私の演奏会が始まりですわよ。その貧相な聴覚で聴き惚れなさいっ」

 マリアさんの奏でる音を、本当に聞き惚れてしまっていた私。しかしアリスちゃんに、ボヤッとしてる場合では無いと言われ、私一先ず戦闘態勢を取ったのでした。

 そしてアリスちゃんも空かさず反撃体制に入り、リオを呼び出す事になっていました。リオは獅子座を示し、『物事を達成』 させる能力を持つ魔力だそうです。


「リオ、マリキチを喰らい尽くしなさいっ!」

「野獣を召喚させる何て、本当に下品ですわね。ですがっ!」

 鋭い牙を持つリオに対し、マリアさんはファ♯とソの『俊敏』 と『勢い』 を使い、アリスちゃんの攻撃を交わしました。


「くっ、厄介な相手ね……。だけどマリア、スカートが避けてエロくなってるわよ」

 リオの能力は鋭い牙だけでは無く、鋼の爪も持ち合わせていたのです。

 そしてリオはマリアさんから離れる瞬間、爪を突き立てる事により、スカートを裂いていたらしいのでした。


「成る程。本日は翡翠だけを相手してあげる筈でしたけど……アリスは泣かせる事に致します」

 マリアさんは3つの能力、ファ♯、ソ♯、シである『俊敏』 『追う』 『束縛』 で、アリスちゃんを追い詰めたのです。


「負けるかっ。トーラス、サジタリウス、アクエリアスっ!」

 トーラスは牡牛座を示し、『五感』 の能力を持ち、サジタリアスは射手座の『理解』 の能力を持つそうです。そしてアクエリアスは水瓶座である『自由』 の能力を持ち、アリスちゃんはマリアさんの束縛魔法を間一髪で交わしたのでした。


「やりますわね、アリス。ですが、貴方の負けですわっ」

「なっ!?」


 マリアさんが放った音の能力は、アリスちゃんの背後で待機していたのです。そして一瞬気を抜いてしまったアリスちゃんに、束縛魔法で捉えてる事になっていたのでした。


「さあ翡翠、貴女も掛かって来なさい。遊んであげますわよ」

 目の前でアリスちゃんが、束縛されてしまった状況を見せ付けられた私。マリアさん自身は只々遊んでいる様でしたが、私は打つ手を見出せないでいました。


「マ、マリアさん。取り敢えず落ち着いて話をしませんか?」

「話? 翡翠、今行っている戦いの意図を理解なさい」

 何故マリアさんは、私を攻撃しようとしているのか? 当然、神黒翡翠が関係しているのでしょうが、その前にアグリッタさんの領土に何故入って来れたのかと言う疑問が残っているのです。

 しかし今は、私も応戦するしかありませんでした。


「マキさん、ラムさん、お願いしますっ!」

 身を守り、実りの能力を持つ2天使さん達を同化させた私。そして近くにあった宝石を鉄の棒に変化させ、身構える事となったのです。

 しかしマリアさんは、そんな武器で私に勝てるのかと怒り出してしました。


「分かりました。初めに言った通りコテンパンにしてあげます。宜しいですわね、天使もどきさん?」

「うん。でも、翡翠は負けないよ」

 それは無茶振りだと慌てふためく私を余所に、アキナ君は困難を乗り越える能力を持つ、アユさんを同化させれば良いと、私に指示を出したのです。

 だけどテンパっていた私は、アユさんとエナさんを呼んでしまい、前回倒れてしまった4天使の同化をしてしまったのでした。

 しかし、1度魔力を大量に吸収した私は免疫が出来ていた様で、4天使さん達の同化に耐えられる体質になっていたのです。

 そして使い方は分からなかったのですが、私は精製した鉄の棒を適当に振るいました。


「やりますわね、翡翠。私でも3つ以上の魔力を同化させるのに、半年は掛かったのですわよっ!」

 何とか攻防を駆使し、マリアさんに挑む私。だけどやっぱり、経験の差も大きいかったのでしょう。私はマリアさんに触れる事すら出来ずにいたのです。


「全く当たりませーんっ!」

「そろそろ終わりにしてあげますわ。シ、翡翠を束縛しなさいっ!」


 私の身体をいくつかの光の輪が覆い、締め付け始めました。そして苦しむ私と、輪切りにされたくなければ、観念しなさいと告げるマリアさん。

 しかし私は。


「……まだですっ。マリ君、同化してっ!!」

 マリエル君は『無垢』 の能力を持つのですが、それ以前に私は5天使を同化させ様としてしまっていたのです。

 そして純白の光に輝きが増し、私を包み込むと同時に、その光は無垢の能力であった為、マリアさんが放った光の輪を吸収し分散させる事に成功したのでした。


「何ですって? 私の魔力を吸収し、破壊しただなんて……」

「……まったく。翡翠は無茶をするなぁ。でもマリア、これで分かっただろ? 翡翠の力をね」 

 マリアさんはアキナ君の言葉に、たまたまだと反論していました。そして私が行った魔力の使い方は、危険過ぎるとも。

 その危険な魔力の使い方とは、『他人の能力を吸収する』 と言う意味でありました。

 私はマリ君の能力を応用し、マリアさんの魔力を吸収したのですが、もしその魔力に悪しき力が含まれていた場合、吸収した私にもその作用が働いてしまうかも知れなかったらしいのです。


「そう……だったんですね」

「だから今回は、一応悪の少ないマリアの魔力吸収だったから影響は無いと思うけど、あの技は僕も勧められないよ」

 アキナ君の言葉(一応悪の少ない)
を聞き、当然怒り出してしまったマリアさん。自分には、悪の欠けらなど一片も無いのだと。

 まあ、何はともあれ一先ずマリアさんとの戦闘は中断し、何故仕掛けて来たかを訪ねる事になりました。

 その理由にはアキナ君も一枚絡んでいたそうなのですが、マリアさんは以前アグリッタさんに遣えていた、ソフィーさんと戦った事があったそうなのです。しかしその結果は僅差でマリアさんの敗北であったのだと、私は聞きました。

 そこで、ソフィーさんは、容赦無くマリアさんの魔力全て消し去ろうとしたらしいのですが、既の所でアキナ君に止めて貰ったらしいのです。

 そして、その時の恩返しとしてアキナ君に頼まれ、私の特訓相手になったとマリアさんは告げたのでした。


「マリアさん程の魔法使いでも、ソフィーさんに敵わないなんて……」

「次に戦う事があれば、必ず私が勝利します。勿論翡翠、貴女にもですわ」

 そう言い残すと、マリアさんは自分の領土へと帰って行きました。


「……怖くなったかい、翡翠?」

「うん、少しね。でも、もう迷わないから」

 そう言えば、私もアキナ君も忘れていたのですが、私は5天使を同化しても平気な体質へと進化していたのです。この事は、この先の戦いにも大きく役に立ってくれると、後で気付く事になりました。

 その後、一般世界に戻ろうとしたのでしたが。


「ちょっとーっ、私の事も忘れないでよねーっ!!」

 アリスちゃんの事を、すっかり忘れていた私とアキナ君でありました。

 そして数日後、学校にて。 


「翡翠、何かこの頃だらしなかった顔が、少しだけまともになって来たわね」

「魔美華、翡翠はこう見えても、気絶していようが寝言を言うのです」

「魔美華ちゃんは鬼女で、アリスちゃん悪女です……」

 木漏れ日が差し込む放課後の、些細な談笑中でした。その時、魔美華ちゃんがある提案をし出したのです。


「そんな事より翡翠にアリス、夏休みに入ったらさ、海にでも行かない?」

「魔美華にしては名案だよ。翡翠、是非行きましょう」

 友達と遊びに行く事は私も賛成だった……のですが、魔美華ちゃんはもう一言付け加えてしまったのです。


「翡翠、何なら藍原(光也) 君も誘えば良いじゃん?」

「え? ええっ!? いや、それは何と言いますか、私達はまだ未成年でして、えと、不純異性行為と言いますかーっ!」


 完全に混乱してしまった私。想いを寄せている光也君を誘う、それも海に一緒になどと。

 しかしそこへ、隣のクラスにいる光也君が、プリントを届けに来てしまったのです。


「翡翠、このクラスの担任にプリント運んでくれって頼まれたんだ。ここに置いておくぞ?」

「こここ光也君っ!? あうん。えと、その辺にばら撒いておいて良いよっ」

 それはダメだと、アリスちゃんに突っ込まれてしまいました。

 そして魔美華ちゃんは光也君を引き止め、海へ遊びに行く話をしてしまったのです……。


「海かぁ。俺、夏休みもバイトがあるんだけど……」

「ゴクっ……」

 返答を溜める光也君と、息を呑み込む私。そして光也君が出した返事は、1日くらいバイトを休んでも良いかと言う事であり、魔美華ちゃんの提案で伊豆の白浜海岸に行く事が決定したのですっ!


「おおっ。何と素敵な響きの海岸でしょう。ん? 翡翠、どうしました?」

 俯き固まっていた私。だけどその顔は魔美華ちゃんに指摘された、だらしなく笑みを浮かべた形になっていた事は誰にも気付かれていない筈……。


 そして夏休みに入り、海へと向かう私達だったのですが、私はそこである遣いと出会う事になってしまうのです。


「やっぱ、白浜海岸は混んでるな」

「光也君、今日バイト休んで良かったの?」

 勇気を振り絞り、光也君に話し掛けた私。光也君はバイト尽くめの日々であるらしいのですが、1日くらい息抜きさせて貰うと言っていました。

 だけど何故、光也君がこれ程までにバイトをしているのかと言う事には理由があり、後に語られる事になります。

 と、その頃、別行動をしていた舞美華ちゃんとアリスちゃんは。


「いや~、日本の海はアレだと聞いていましたが、人を除けば中々ですね」

「アリスは日本の海に入るの初めて何だよね? じゃあ私が仕来たりを教えてあげるわ」

 特に仕来りなど無いのですが、魔美華ちゃんはアリスちゃんに説明し始めたらしいです。日本の海に入るには先ず清めとして、頭から海水を3回被るのだと。そして手の平で海水をすくい、舐めれば良しだと嘘を付いたらしいのでした。


「分かったよ。1~2~3~」

「アリスは馬鹿だけど、良い子だよね」


 かくして、私達に一時の安らぎが訪れるのであった……筈なのですが。


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