イケメン幼馴染に執着されるSub

初恋

2

次の日、雄斗が学校を休んだ。

俺的には別にどうでも良いし、今日は委員会決めの日だからアイツがいると色々とめんどくさい。

（だるいから適当に余ったものにしよ……）

「風紀委員は梶原が良いと思う！」

「……はっ？」

クラスの話したことない奴がいきなり俺を指名してきた。

「風紀委員になって見た目を改善してほしいよ。」

んなっ……！

「…お前こそ見た目どうにかしろ、このチー牛が。」

身なりを整えないでただ勉強しかしてこなかったブスに言われたくねぇよ。


まっ、その後に色々反感くらって最終的に担任が俺を風紀委員にしたクソゲー。


だが、ここで運命の出会いを果たす。


「梶原くん……？」

「あっ」

風紀委員の集まりに、先輩はいたのだ。

「梶原くんが風紀委員なんだ！よろしくね！」

ふわりと鈴のように笑う先輩に、頬を赤らめてしまう


（なんだ……？これ！！）


だけど、どうせ違う。


俺はこの学校では、多分嫌われ者。

クラスの奴どころか先輩方まで分かりやすいように俺を避ける。


（みんな風紀委員やりたくねーから俺を入れたわけだろ………）


雄斗がいれば違う。

少なくとも風紀委員に立候補されなかったし、あいつがいるだけでみんな、俺を嫌わない。


俺を嫌わないのは、雄斗に嫌われたくないからだろうけど。

きっと、この先輩もそうだ。

俺のことなんて、雄斗と釣り合える道具としか思ってないんだよ。


「梶原くん！まだみんな集まらないから軽く自己紹介でもしよっか。」

「あ……」

「私は奥村 百合って言います。ずっと風紀委員に所属してるの。何かわからないことがあったらいつでも言ってね！」

（なんか自己紹介始めたこの人……）


天然なのか、？


かわいい


（…？）

「梶原くんも！」


「あ……、梶原…風…。」

「”かぜ”じゃなくて”ふう ”って読むんだ！素敵な名前だね。」

素敵な……名前……、？

なんか照れくさいな…

「あざっす……」

顔の照れを最大限に隠す限り俺はそっぽを向いて話す。

その姿が面白いのか百合先輩は静かに笑っている。