73 / 102
君に惑溺
5(雄斗)
しおりを挟む「ご主人様だ!」
「ご主人様だわ!!」
「今日もかっこいい………!」
(……………………)
気持ち悪い
久々にこいつらの様子を見にきたけどやっぱり気色悪いな、
「あぅっ…!ご主人様ぁ………」
「……………」
いま目があっただけで蕩けたような顔をする女はふーくんに気があって告白しようとした女
「ご主人様!!命令!!命令してください!!」
「………………」
この五月蝿い女は俺に気があるが故にふーくんを傷つけた女
俺が今居る部屋は、俺の狗達が居る”ペットルーム”だ。
隼人も入れれば丁度10人になるのにあいつはDomだから別の部屋に置いてる。
「ユウト、失礼するぜ。」
「……あぁ、」
忘れてた。
この女も入れれば10人だった。
「ご主人様ぁ!!!!」
部屋に入った瞬間に俺に抱きつく塵。
「気持ち悪い離れろ。」
俺がそう言うと「ごめんなさいっ!」とデカい声で謝りスッと離れた。
それにしても随分荒々しい見た目になったな。
黒髪ロングで優しく笑って物静か……ってふーくんは言ってたっけ?
今のふーくんがこの女を見たらどう思うかな、
まぁ見せるわけないけど。
(とりあえずこの部屋にいる奴らを近々追い出すか。)
俺とふーくんだけの空間になった今、こいつらはもう用無しだ。
それに、俺はふーくんだけの好きでいる存在でいたい。
「ご主人様!!どこにいくの?!!!」
「黙れ。関係ないだろ」
部屋を出ようとした瞬間に狗達に止められて本当面倒だ。
ふーくんは何も言わないで、ただ泣きそうな顔してるだけだったのに。
「待てよユウト。」
百合の相手をしてる男1人に腕を掴まれる。
「何?」
(汚い手で触るなよ……。)
俺が男のほうを向くと不意に百合と目が合う
「ご主人様っ!わたしね!重大な報告があるんです!!!」
報告………?
「興味ない。」
「そう言わずに聞いてやれよユウト。」
男達がニヤニヤしている。
気持ち悪い。
「”【黙れ】” お前らに興味無い。」
その瞬間部屋中が静まり、Normalの男だけずっと笑っている。
「もう出る。お前らには近々出ていってもらうから一生会わないと思う。」
冷めた瞳を狗達に向けて俺は部屋を出る
部屋に出た瞬間空調の効いた廊下で息を吐く
(気持ち悪い………)
やっぱり入らなきゃよかった。
「雄斗様、ご機嫌よう。」
歩いている途中、メイドの茜とばったり会った。
「おつかれ、隼人はどんな感じ?」
「隼人様ですか?うーーーーん…………」
隼人、こいつも面倒な事態になる前にどうにかしないとな。
自殺したように見せかけて殺すか?
「申し訳ございません。最近隼人様の部屋に行ってないので近い情報は分からないです。」
は?
「……どう言うことだ?遥奈とお前で世話をしてるから1週間に2、3回は会ってるだろ。」
「そのはずなのですが、遥奈さんが暫く隼人様の世話をすると言うことで………。」
(遥奈が………?)
母さんが隼人の世話を茜と遥奈に任せたよな、?
そう言ってたのに
遥奈は麻耶のことを知ってるし、現に話す仲だった
母さんとも顔見知りだから信頼してる
「あぁ…ですが、前に隼人様の様子を伺ったときに遥奈と何か」
「茜さん!まだ買い出しに行ってなかったの?」
廊下の奥から遥奈が声を上げている。
「あ!!忘れてた…っごめんなさい!今いきまーす!!!」
「失礼致します」と軽く礼をして茜が去る
「……………遥奈、来い。」
俺がそう言うと遥奈は走って俺のほうへ向かう。
「如何致しましたか、雄斗様。」
いつも通り、冷めた表情。
「お前、俺に隠してることはないか?」
遥奈のほうを深く見つめながら聞く
遥奈は瞳を動かさず、ただこう言う
「廣瀬家に全てを捧げてるメイドです。隠し事なんて無いですよ。」
ふふ、と軽く笑う遥奈に何故か無性に苛つく。
「隼人の話だけど、最近お前が世話してるらしいな?」
「………そうね。彼、私のこと気に入ってるみたいで。」
そうやって模範解答みたいに余裕で物事を言う遥奈にまた苛つく。
…………よく考えたら別にどうでもいいか。
こいつも嘘吐いたら殺せばいいし、何なら隼人と
一緒に心中自殺と見せかけるのもいいな、………
まぁ冗談だけど。
「わかった。」
俺はそれだけ言い、少し走り気味でふーくんがいる部屋へ向かう
会いたい
君だけが、俺を幸せにしてくれる人間
愛する人、神様、
君だけの俺に早く会いたい
23
お気に入りに追加
204
あなたにおすすめの小説
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
大親友に監禁される話
だいたい石田
BL
孝之が大親友の正人の家にお泊りにいくことになった。
目覚めるとそこは大型犬用の檻だった。
R描写はありません。
トイレでないところで小用をするシーンがあります。
※この作品はピクシブにて別名義にて投稿した小説を手直ししたものです。
親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺
toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染)
※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。
pixivでも同タイトルで投稿しています。
https://www.pixiv.net/users/3179376
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/98346398
幼馴染離れしようとしたらヤられました
よもぎの葉
BL
東京の大学に出て、幼馴染との距離が近すぎる事に気がついた金森俊は幼馴染離れをすることを決意する。
だか、避け続けて2週間、遂に捕まった俊は誤魔化して、仲直り?をして解決するはずだった。
のに、後日気付けば監禁されていた…
そんなお話です。
文章力ないのでちょっと雑なのは許して欲しいです!皆様に楽しんで頂けるように頑張ります。
平凡な研究員の俺がイケメン所長に監禁されるまで
山田ハメ太郎
BL
仕事が遅くていつも所長に怒られてばかりの俺。
そんな俺が所長に監禁されるまでの話。
※研究職については無知です。寛容な心でお読みください。
とある空き巣がヤンデレイケメンに捕まる話♡
もものみ
BL
【あほえろの創作BLです】
攻めがヤンデレです。
エロパートは長い割りにエロくないかもしれません。
ネタバレ有りの人物紹介
(自分の中のイメージを壊したくない方は読まないで下さい)
↓
↓
↓
↓
↓
小鳥遊 鈴也(たかなし すずや)
身長165cmの小柄な空き巣。見た目は中の上くらい。家事が得意で、特に料理が趣味。自分が作った料理を食べて人が幸せそうな顔になるのを見るのが好きで、プロを目指していたが叶わなかった。現在もひとり腕を磨き続けていたが、腕前を披露する機会がなく、実は理に料理を食べてもらえて嬉しかった。
空き巣の間では結構名が知られており、金持ちしか狙わないがどんな豪邸やマンションでも盗みに入る『すずや』は一部ゴロツキからダークヒーロー的な人気がある。しかし毎回単独での犯行で、誰も素顔は知らない。実は現場近くでファンのゴロツキともすれ違っているが小柄すぎてバレない。そのためゴロツキたちはどこからか流れてくる噂で犯行を知る。最低でも3ヶ月に1回は噂が流れてきたのに突然噂が流れてこなくなり、落ち込むゴロツキも少なくはなかった。
三鷹 理(みたか おさむ)
身長182cmで27歳のIT会社社長。高身長高学歴高収入のハイスペックイケメン。学生時代に株に手を出しそれで手に入れた資金を元手に会社を創設。街中で見かけた鈴也に一目惚れして鈴也に執着し、じっくりと罠を張ってついに捕まえることに成功する。金や名声にそこまで興味はなかったのだが、鈴也を捕まえるためにも鈴也の罪を無かったことにするのにも結構役立ったので会社を創ったことに関しても満足している。
見た目は優男風のイケメンで物腰も柔らかいが時折猛禽類のような鋭い目つきをする。能ある鷹は爪を隠すタイプ。
鈴也に対しては基本的には甘々だが、ややSっ気があり、からかって鈴也の反応を楽しんでいるところがある。
小鳥遊と三鷹、なので各所に鳥をイメージした言葉を散りばめました。鷹に捕まって遊べなくなった鳥籠の小鳥はこれからどうなるのでしょう。甘やかされて幸せに過ごすのでしょうね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる