イケメン幼馴染に執着されるSub

行方（？？？）

9（過去）

その後、お母さんはしばらく病院で入院している

お義父さんに何があったのか聞かれて、私はお葬式での事を全部話した

だけど何もしない。

“そっか、”と悲しそうな顔をするだけで何も行動を起こさないお義父さんに私は嫌気がさして、次第に話さなくなっていった。

「おねーちゃん高校どこいくの？」

11歳になる百合が私に話しかけてきた

「あんたに関係ないでしょ。それより私葬式行くから。」

今日で麻耶ちゃんの三回忌

ちょうど3年前の事がつい最近に感じるのはなんでだろう

（お母さん………）

あの優しい顔をしたふう君のお父さんがお母さんをレイプした犯人……


殺したい


お母さんをあんなに悲しませた男、一生使い物にならないくらいにしたい



「え？！！！風が？」

（……？）

路地裏で何が聞こえる

“ふう”って言った……？

少し覗いてみると、ふう君のお父さんとお母さんらしき人、麻耶ちゃんのお母さんが見える

（なんの話だろ………）

私は耳を傾ける






「はい、そうです。そちらのお子さんが麻耶を殺したんです。」












そこらかの記憶が無い


聞いた話によれば私は梶原風の両親を襲おうとしたけど麻耶ちゃんのお母さんに止められ、さっき聞いたことは内緒という口止め料でここの高所得のメイドとして雇われてる。

だけど1ヶ月前に百合が廃校舎でレイプされたって茜に聞いた。


雄斗様が梶原風を独り占めしたいが為に百合を利用して百合の大切な一瞬まで奪われた。



だから

だから殺したい。







「これが麻耶ちゃんと百合、梶原風を殺したいお話でございます。」


中野隼人が固まっている

流石に同情したか？別にされたくないけど

それよりも早く百合の話を……


「君は自分の目で見てない情報を信じてるんだね。」

「は……？」

「盗み聞きした情報、口が軽い女から聞いた情報、母親から聞いた情報。自分で調べようとか思わなかったの？」

「ッ…？、調べたわよ」

「いいや調べてない。人ばかりを頼りにして自分はそれに妄想を重ねて梶原を殺したいだけだね。」

「そんなことない！盗み聞き、？奥様と梶原夫妻のこと？あれはっ」

「大切な事件の内容をわざわざ外で、それも路地裏で話すわけないだろ。」

っ…、

「私をメイドとして雇うほどなんだから嘘なんて吐くわけ」


「頭が軽い人は自分のことを過信しすぎてる。」

「は……？」

「母親のレイプ、あれは梶原のお父さんも加害者だ。それに関しては”ごめんなさい”って涙ぐんでたよ。もう死んだけど。」

「……信用できない。」

「頭が軽いって言ったから？別にいいよ。2つ目だけど、百合ちゃんだっけ？あれがレイプされてるかは知らない。まぁ、屋敷を探し回ったらいるんじゃない？」


「…………」

なんでこの男はくだくだ喋ってるの？

「早く百合の話を」

「3つ目。梶原は麻耶ちゃんを殺して無いよ。」

「………は？」

「全部、ぜーんぶ梶原のお父さんから聞いて、君のお母さんのレイプの事件と麻耶ちゃんの事件を俺が苦労して頑張って調べたよ。結果、矛盾がなかったから100%合ってるよ。」

「…どうやって調べたの？」

「努力のやり方を知らない君には判らないよ。」

私を馬鹿にするように中野隼人は笑う

「…………」

この男の話を信じる訳ない

私は今までの情報全てを信じる

“頭が軽い人は自分のことを過信しすぎてる”

（………………）

「安心して！梶原のお父さんは君のお父さんじゃないよ。」

「そんなの当たり前だろ。それよりも早く百合について教えろよ」

「…口が悪いなぁ」

（お前が早く喋らないからだろうが。）

やれやれとため息を吐きながら中野隼人が口を開く


ガチャッ……