イケメン幼馴染に執着されるSub

行方（？？？）

5

気を抜いた

こいつはDomだった。

「命令効くんだね。かわいい」


「っぅあっ……」

動けない

声も出せない

「どうせ俺はここから出られるからあのカメラに何が映っても何も無い。君はどうかな？」

（は…？どういうこと……）

「俺が今この鎖を解けって命令したら解いてくれるし、指輪を返せって言えば返しに行く。ここで俺とヤれ、とか言ったらヤってくれるってことだよ」

「………………」

「そんなに睨まないで～ヤれってのは冗談だよ。」

（本当に…？）

判らない、この男が判らなくなった。

私は味方にしてはいけない人を味方に付けようとしてるんだ



　　　　　解いて
「ほら、”【Solve it】”」


「っ…………」


嫌だ、駄目よ……

私が鎖を解いてる所がカメラに映って、ご夫妻様に見られたら…………

（さっきまでとは全然雰囲気が違う……）


体が嫌でも中野隼人の方へ向かう


嫌でもポケットから鎖の鍵を出す


嫌、嫌、嫌だ


「っ………」




　　止めろ
「”【Stop】”」



（っ……え？）



「ごめん、試そうとした。しなくていいよ。」

「は……？なんでっ」

「泣きそうな顔してたから。生憎俺にそんな趣味はないんでね。」

は………？

泣きそう…？

なんで……………？

「さっきまですっごく口が悪かったのに、やっぱり女の子なんだね。」

「辞めて下さい。触らないで。」

なんで、なんで私を騙そうとしたの？

（意味わかんない……）

「百合ちゃんと君の関係、糞ほど興味ないけど一応聞こっかな。」

「なんで……」

「話の内容によっては指輪を受け取る。」

「……………」

「もう命令もしないよ。ごめんね。」

もう命令しない

指輪を受け取ってくれるかもしれない

千載一遇のチャンスかもしれない



「教えたくない？」

「………………」


教えたくない。


「…茜ちゃんに聞けば、教えてくれるかな。」

「っ！駄目っ！！！」

そしたらここで中野隼人と話してる内容全てがバレる…！！

「………………」

「ん？」

本当、悪魔のように微笑むわね。

「…何処からお話し致しますか？」

「麻耶ちゃんとの馴れ初め辺りからがいいかな。」

「麻耶ちゃん……」

この男に麻耶の話はしてない


また茜が何か言ったのね


ほんとに口が軽いんだから。あの雌豚。

でも、中野隼人には教えてあげたほうがいいかもね



麻耶ちゃんの話

百合の話

私が梶原風を殺したい話