イケメン幼馴染に執着されるSub

拒絶と認識

2

真昼間に俺はゆっくり歩いて何してるんだろう

ぼーっと、遠回りをしながら家に帰っている

（あー、雄斗とどんな顔で接して、どんな声で話せば良いのやら…）

そんなことをとぼとぼと考えていたら急に後ろから誰かに抱きつかれた

「かーじっはらっ！」

低いのに甘々しい声、これは…

「隼人？」

「正っ解☆さすが梶原だね～」

こいつは　中野　隼人（なかの　はやと）

中学の時に同じ塾で仲良くしてた、まぁ友達のような、知り合いのような関係だ。

「梶原さ髪染めた？」

「あーうん。黒から銀にした」

「え！似合ってる！さっすがイケメン梶原君だね！」

うぜー…

「そりゃどうも」

「え～！対応薄いよ～」

うぜー…

隼人はめちゃくちゃしつこくて、簡単に言えばかまってちゃん。かまちょ。
なのに凄く頭が良く塾も一緒だったけど隼人はS組という難易度が高い高校受験生向きのクラスの主席だった。

俺？
俺は塾でも頭が悪かったから最低クラスの下から数えて主席だったよ………。


「そういえばさ隼人印象変わった？なんか、韓国人アイドルみたい…」

「え！褒めてる～？まぁまぁ嬉しいかな」

「まぁまぁって何だよ…」

そうだ。隼人は変わった。
中学まで眼鏡掛けてて髪も長くて、陰キャみたいな感じだった
しっかり整えたらイケメンに変わるのかなって思ってたけど本当に変わった。イケメンの原石だった。

「垢抜けして好きな女でもできたの？」

「んーまぁね～、好きな子は昔からいるけど垢抜けしようと思ったのは対抗するためかな」

？
なんだろう、絶大な三角関係でもしてるんだろうか。
そんなことを考えながら少し隼人と話を続けていた。

ブーッブーッ

あぁ、忘れてた

「ちょっと待って」

「メール？」

「うん」

「彼女？」

「違う。ほら、雄斗だよ。廣瀬雄斗」

「あ～……S組にいたね、梶原とよく話してた奴」

「そんな言い方すんなよ」

「これから遊ぶの？」

「いや、俺の家に雄斗来ててさ、ちょっと…色々あったから話し合い的な」

「色々ね……なんか、やばそう」

「…勘がいいな」

「ありがとー♡」

そうだ。隼人は頭がいいのか勘がとにかく鋭い
中3の時「梶原って本当にnormalなの？」って聞かれたことがある。
今思えば隼人も雄斗とグルだったのかと不審になりそう

「あっ、待って。そろそろ帰らないとやばいわ。」

雄斗から早くて来てとメールがうるさい

「帰るの？帰りたくなさそうだけど」

「帰らないといけないんだよ」

「ならさ俺のメールあげるからなんかあったら連絡して。すぐ駆けつける」

いらねぇよ、と言おうとした瞬間隼人と目が合う。
いつもふざけてた顔してる隼人がなんだか真面目な、隼人らしくない顔してる…

これは本気でやばいんだろう

「わかった。すぐ来いよ」

「もちろん」

ピコンッ

メール交換完了

「じゃあ行くわ。またな」

「うん、じゃーねー」

あー、結局遅く帰ってもこうやって急いで帰らないといけないなら最初から早く帰ればよかった。

でも、隼人と話せて楽しかったな…。