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しおりを挟む「ひなー!」
彼は走って私のほうへ向かう
「っ……!」
私は逃げる。
勝手に部屋を出て行ったこと、彼はきっと怒ってるだろう
そんな状態で今、再開してしまったら………
「待ってよ!!翔!!!!」
怒りを含めた女性の強い声がビーチ中を響かせる。
「彼女って……この子、?なんで?水着も着てないし…化粧もしてない……こんなモブみたいな女が彼女なの……、?」
怒りを抑えるような、震えた声でその子は言う。
翔君もさすがに立ち止まり、その子のほうを向く。
「なに、不満?」
「っ……!!」
下唇を強い力で噛み、チラリと私のほうを睨む
「彼女っ……ほんとうは翔のことなんて好きじゃないわよ。こんな状況でも、まるで無関心。私のほうが翔のこと大好きだし釣り合ってる。」
そうだよ。
こんな私よりも可愛いその子とのほうがお似合いだし私も祝福するよ。
「……翔君……、今日はその子と一緒にあてあげて」
「は?」
「私、友達と一緒に海で遊ぶから……」
「ほら!絶対翔のこと好きじゃないじゃん!翔のことが何倍も好きな私と一緒に遊ぼ♡」
同じ女性から見ても大きくて柔らかそうな胸。
翔君の胸に当たっている。
水着も……結構大胆な感じで、色っぽい。
翔君だって、引き締まった筋肉がやばい魅力的で…それに加えてそのイケメン顔面はもう犯罪的な美しさだ。
「高崎。」
「っ……!!」
苗字で、名前を呼ばれた。
彼は彼女の腕を振りほどって私のほうへ走り
キスをした。
「んっ?!ふ、ぁ……っ、」
軽い感じのキスじゃなくて、深くていやらしいキスだ。
(舌っ……私のおいかけてるっ…)
息ができない
その拍子に少しバランスを崩した。
彼はそんな私を支える。
側から見ればお互い激しく求め合ってキスをしているように見えるだろう。
「しょ、くんっ"っ!」
何か話そうとしてもすぐ口で塞がれて、ただ喘いでるような声が出てしまう。
(外で……?人の前でなにやってるの…?!)
嫌だ、
体が全力で拒んでるのに、彼の引き締まった体ではびくともしない。
(あぁ、男の子なんだ。)
「っ……翔……なに、その顔………、」
ミキという女が何か言っている。
その後、彼はキスをやめてミキさんに言う
「これで分かった?あんたよりも俺の彼女のほうが可愛くてイイ女なんだよ。」
「っ………!!!!」
ミキさんはボロボロと涙を流しながらどこかへ行ってしまった。
「ひな、ごめんね?やっと部外者がいなくなったし、一緒に遊ぶか!」
クルッとさっきとは違う雰囲気。
いつも翔くんが見せる、柔らかい表情。
だけど、私はそんな雰囲気に呑まれない。
「……だめだよ。」
「は?」
「ミキさん、?のところ行ってあげて。」
一か八かの勝負。
彼に人間らしさがあれば、彼女のところへ行ってほしい。私と付き合ってる以前に……私が別れたいと思う願い以前に。
「ミキさんはきっと、翔君のために水着を着て、お化粧して、髪の毛もセットしたんだよ。水着すらきてない私と全然…翔君に対する想いが違う。」
本当にミキさんの言うとおり。
水着も化粧もしてないモブで…、私は翔君のこと好きじゃないんだから、翔君はミキさんといたほうがいいよ。
「………なんでー?」
いつもと同じ柔らかい声。
怒っていなくて安心した私は翔君と目を合わせてみる。
翔君は、まるで感情の無い冷たい瞳をしている。
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