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しおりを挟む「っ……!日菜ちゃん!!!おはよっ!」
「うん……おはよう。」
私は次の日、重たい足を引きずりながら根性で登校した。
高校と同じなんて嫌だ。
「おはようでいきなり汚いけど日菜ちゃん!ちょっとトイレ来て!!」
「と、といれ……?」
半ば無理矢理、何故かトイレに流される。
そして、普段ふわふわしてる志穂ちゃんから真面目な顔で告げられる。
「昨日、池崎くんが日菜ちゃん探しにうちのクラスきたよ。」
「え…」
「それも、すーっごい機嫌悪そうな顔でみんなのこと睨んでた。」
……まさか。
想像できない。
普段ニタニタして、ふざけてるあの人からそんな機嫌悪い顔なんてするの…?それも、私を探しに……?
「私ね、池崎くんのこと怖すぎて嫌いになった。」
「嫌い?」
「うん。私の好きな人ね、池崎くんだったよ。」
「そ、そうだったんだ…。」
まぁ当たり前だよね。
きっと誰もが彼に一目惚れするよ。
「話し戻るよ!昨日は来たけど安心して!今日は多分来ない!」
「……なんでわかるの、?」
「私ね!池崎くんのこと好きだった時に池崎くんの学科のスケジュール表見てきたの!今日は実験があるからずっと研究室に閉じこもってていないよ!」
「そうなんだ……」
すご。
少しストーカー気味な気もするけどありがたい。
「池崎くんのオーラ、?あれなんなの…覇気みたいで動けなかった。」
「……うん、まぁ池崎くんは高校時代とあんま変わんないけどね……。」
「そっか、……」と志穂ちゃんはわざと深掘りせずに話を聞いてくれる。
高校とは違う。
新しい友達、優しい友達。
そうだ、全然違うじゃん。
あいつがいるだけで変わらない。
「ありがとう、志穂ちゃん……っ」
「わー!泣いちゃった…!泣かないで~!」
ポケットティッシュを何枚も何枚も出してくれて、涙を拭く。
そこで私ははじめて志穂ちゃんを本当の友達だと認識した気がする。
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