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知性を持つ魔族
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≪メアリー伯爵領・城門≫
メアリー伯爵領の城門は焼け落ちていた。
「ゲギャーゲギャーゲギャー!!」
緑色の皮膚をしたインプ達が耳障りな叫び声を上げながら飛び回る。
「モンスターが侵入してきたぞー!!」
メアリー伯爵領に住まう人々は悲鳴混じりに状況を伝え合い、逃げ惑う。
オリバー共和国の侵略は人々の想定内だったが、モンスターの侵略は人々の想定外だった。
「きゃうっ!」
一人の少女が逃げ惑いながら転んだ。
「ゲギャー!!!」
緑色の羽で風を切り、インプが少女に襲いかかる。
「誰か―――――――――――――!!!」
ズバン!!!
インプは真っ二つに切り裂かれ、地に崩れ落ちる。
「こいつ等が、知性を持つ魔族か?」
インプを一刀両断し、少女を救ったのは翔だった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
人々は翔の登場に狂喜乱舞した。
皆は翔の事など知らない、しかし、インプを瞬殺した圧倒的強者としての実力を見せつけられては、気付かずにはいられない。
翔が空前絶後の大英雄だと言う事に。
「ゲギャー!!!」
インプの群れが翔に襲いかかる。
「ショウ・タイム(俺の時間)だ!!」
翔は四方八方から襲い来るインプの攻撃を難無く回避し続ける。
「この程度か?」
翔は剣を大きく振った。
バタバタッ!!!
空を舞うインプが一斉に地に落ちた。
インプの攻撃を回避しながら、カウンターを入れていたのだ。
翔は戦闘の天才だった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
民衆は狂喜乱舞した。
「騒ぐ事か?」
翔は呆気ないな、と思った。
「翔さん、、、、、かっこいいです。。。。。」
ミゾレは翔に見惚れていた。
翔と言う英雄の活躍により国難は退けられたと人々は思った、が。
「くくく、人間にも少しは壊し甲斐のある奴がいるようだな」
地獄の底から響くような不吉な声がした。
その声を発したのは、青白い肌に、赤黒い目をした男だった。
タトゥーの様な紋様が体中に有る。
「お前が知性を持つ魔族か?」
「くくく、いかにも。我こそは誇り高き魔族、デーモン・O・グレイだ!この街は我輩が直々に蹂躙してやろう!光栄に思うが良い!」
「それは無理だな」
「何い!?」
「お前に蹂躙される事を光栄に思うかどうかは主観的な話だから断言は出来ない。だが、お前がこの街を蹂躙出来るか否かは客観的に判断出来る」
「ほお。。。。。」
「答えは否だ!」
「それは何故だ?」
「決まっている」
翔は抜刀する。
「俺がお前を倒すからだ」
「ぐははははははは!!!人間の冗談は面白いな!!」
グレイは笑った。
「冗談では無く、真実だ」
翔の言葉に、グレイは笑いを止めた。
「確かめてやろう!!」
グレイは鈍い光を全身から発し、翔に襲いかかる。
ダンッ!!!
翔は跳躍し、グレイの攻撃を回避した。
「のろま」
翔はグレイを挑発する。
「お前がな」
グレイは背中から鋭利な骨を何本も伸ばし、跳躍した翔を狙う。
グサグサッ!!!
何本もの骨が翔を貫く。
「翔さん!!」
ミゾレは悲鳴を上げる。
「くくく、この程度か」
グレイは不吉な笑い声を出す。
その場に居合わせた誰もが終わりだと思った。
人類最強の男が敗れ去ったのだ、希望は途絶えた。
絶望である。
グレイは串刺しにされた翔を投げ捨てた。
「さあ、殺戮ショウの幕開けだ―――――――――――!!!」
グレイは狂気的な声を上げた。
「おいおい、今はショウ・タイム(俺の時間)だぜ!?」
声がした。
「ば、、、、、、馬鹿な!!!」
グレイは翔を見る。
衣服に血は付いているが、翔自身は全くの無傷だった。
「い、一体何をしやがった―――――――――――――!!!」
グレイは発狂ながら聞く。
「俺は何もしてないが?お前の攻撃が弱いのではないか?」
翔はグレイを挑発する。
「あれがお前の最強攻撃なら、お前に勝ち目は無いな」
「上等だこの糞ゴミが―――――――――――――!!!」
グレイは背中の骨を仕舞い、両手に力を込める。
「魔人の力を見せてやるよ!!ラッキーだったな!!死ぬ前に地獄を見れてよお!!そんでまた地獄に行けるんだぜ!!!」
グレイの両手に禍々しい光が球状になって脈動する。
「万物を冒涜せし魔の力よ!!顕現し蹂躙しろ!!デビル・ファイア―――――――――――――――――――――――――――!!!!」
グレイは両手の光を翔に放つ。
ズズン!!!
グレイの放った技が、翔を射抜く。
「は―――――っはっはっは!!!ざまあみやがれ―――――――――――!!!」
グレイは大笑いした。
「何がそんなに面白いんだ?」
翔はグレイに聞いた。
「ば、、、、、、、、、、、、、馬鹿な!!!どうなってやがる!!!」
翔は全くの無傷だった。
「それで、知性を持つ魔族とは何なんだ?何が目的なんだ?」
翔はグレイに聞く。
「そ、そんな事、教える訳ないだろうが!!」
グレイは焦りながら言い返す。
「そうか、それは残念だな。お前が情報を提示すれば、俺もお前の技の弱点と改善点を教える積りだったのだがな」
「な、なにを馬鹿な。。。。。。。。」
グレイは動揺する。
「この先、俺よりも強い召喚者と戦った時に死んでも良いのか?他の魔族からも馬鹿にされるだろうな」
「ぐ、ぐぐぐ、、、、ちゃんと弱点と改善点を教えろよ!!」
「ああ」
「良いだろう、魔族について情報を提供してやる!」
グレイは魔族について語り出す。
「そもそも、知性を持つ魔族と言う表現自体が間違っているのだ。魔族から知性を抜いたのが、お前達の良く知るモンスターなのだ」
「つまり、モンスターはお前達魔族が生み出したのか?」
「あ、ああ」
翔の理解の早さにグレイは呆気に取られる。
「それで?お前達の目的は?」
「わ、我々魔族の目的は、全世界を手中に収める事だ!!世界各地に刺客が送り込まれているのだ!!」
グレイは大威張りで説明した。
「今まで何処で何をしていたんだ?」
「今までは魔族のダンジョンで魔王様の復活を待っていたのだ!!魔王様の復活は近い!!我々魔族の時代がやってくるのだ!!!お前達人間は蹂躙され隷属する運命なのだ――――――――――――――――――――――!!!」
「なるほど」
ズバン!!!
翔はグレイを一刀両断した。
「な、話が違」
グレイは虫の息で言う。
「お前の技の弱点は、お前が弱い事だ。お前の技の改善点は、お前が強くなる事だ」
「よ、よくも騙しやがったな、、、」
「何を言う、お前が俺よりも強ければ、技の完成度など問題では無い。勝敗を分けるのは実力だ」
「く、くくく、お前、本当に人間か?まるで悪魔だ」
「言ってろ」
「地獄の底で、お前が蹂躙されるのを心待ちにしているぞ!!人類は、、、、、、魔族に、、、、、支配さ、、、れ、、、、、る運命」
グレイは絶命する。
「そんな運命、俺が切り裂いてやるよ」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」
翔の力強い断言に民衆は狂喜乱舞した。
「翔さん、、、大好きです」
ミゾレはポツリと呟く。
「ん?なんだ?」
翔がミゾレに問う。
「な、なんでも有りません!!」
ミゾレは顔を赤らめながら、ニッと笑う。
何故、グレイの猛攻を受けても翔は無傷だったのか?
それは、翔の圧倒的な強さが発揮する強靭さと、戦闘センスに由来するものだった。
翔は攻撃を食らう瞬間、勇者の腕輪を発動してダメージを受けると同時に回復していたのだった。
その余りの手際の良さに、その場にいた誰もが気付く事が出来なかったのだ。
≪メアリー伯爵の城≫
「偉大なる英雄、ショウ様。この度は我々を魔族の脅威から御救い頂いた事を人類を代表して感謝させて貰います。ありがとうございます」
メアリーは青い眼で翔に尊敬の眼差しを向ける。
その様子を見て、ミゾレはモヤモヤした気持ちになった。
≪メアリー伯爵領・広場≫
滅多に姿を見せないうら若き美女伯爵、メアリーの登場に民衆は沸いた。
「メアリー様!」
「メアリー様、万歳!」
メアリーは絶世の美女だけあって、人望も有った。
「本日は皆さんに大変重要なお知らせが有ります」
メアリーの言葉に民衆は息を呑む。
「御存知の方も多くいらっしゃるでしょうが、魔族が我々人類に対する襲撃を始めました。
メアリー伯爵家の騎士団では歯が立ちませんでした」
メアリーの言葉に、民衆は落ち込む。
「しかし、魔族の脅威は一人の偉大なる英雄により打ち砕かれました」
メアリーの言葉に民衆は表情を明るくする。
「それこそは、ここに居られるショウ様です!!」
メアリーは隣に立つ翔を見る。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
民衆は歓呼の声を上げる。
「しかし、魔族は未だ数多く存在します」
メアリーの言葉に民衆は落胆する。
「もはや我々メアリー伯爵家とオリバー共和国の戦争どころでは無くなりました。全人類が団結して来るべき魔族との最終戦争に向けて準備を整えなくてはなりません。
そしてその最終戦争で人類を勝利に導くのは偉大なる英雄、ショウ様を置いて他には存在しません!!歴史あるメアリー伯爵家の名に懸けて誓います!!
救世主ショウ様に絶対の忠誠を捧げます!!」
メアリーは翔に平伏す。
「どうか我々に救いの手を差し伸べてください」
「、、、、、良いだろう!!俺が全人類を導いてやる!!俺についてこい!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
翔の力強い宣言に民衆は狂喜乱舞した。
メアリーは翔の寛大さに涙を流す。
ミゾレは翔に恍惚の表情を向ける。
メアリー伯爵領を襲撃した魔族は全滅し、魔族の正体と目的を解明し、民衆の心を掴み、一万年に一人の美少女アイドル、ミゾレを更に惚れさせる。
そしてメアリー伯爵から絶大なる信頼と忠誠心、淡い恋心を寄せられる。
メアリー伯爵の家臣も派閥争いを起こさずに翔に心酔した。
これほどの偉業を僅か一日で成し遂げてしまう。
これもまた、ショウ・タイム(翔の時間)である。
メアリー伯爵領の城門は焼け落ちていた。
「ゲギャーゲギャーゲギャー!!」
緑色の皮膚をしたインプ達が耳障りな叫び声を上げながら飛び回る。
「モンスターが侵入してきたぞー!!」
メアリー伯爵領に住まう人々は悲鳴混じりに状況を伝え合い、逃げ惑う。
オリバー共和国の侵略は人々の想定内だったが、モンスターの侵略は人々の想定外だった。
「きゃうっ!」
一人の少女が逃げ惑いながら転んだ。
「ゲギャー!!!」
緑色の羽で風を切り、インプが少女に襲いかかる。
「誰か―――――――――――――!!!」
ズバン!!!
インプは真っ二つに切り裂かれ、地に崩れ落ちる。
「こいつ等が、知性を持つ魔族か?」
インプを一刀両断し、少女を救ったのは翔だった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
人々は翔の登場に狂喜乱舞した。
皆は翔の事など知らない、しかし、インプを瞬殺した圧倒的強者としての実力を見せつけられては、気付かずにはいられない。
翔が空前絶後の大英雄だと言う事に。
「ゲギャー!!!」
インプの群れが翔に襲いかかる。
「ショウ・タイム(俺の時間)だ!!」
翔は四方八方から襲い来るインプの攻撃を難無く回避し続ける。
「この程度か?」
翔は剣を大きく振った。
バタバタッ!!!
空を舞うインプが一斉に地に落ちた。
インプの攻撃を回避しながら、カウンターを入れていたのだ。
翔は戦闘の天才だった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
民衆は狂喜乱舞した。
「騒ぐ事か?」
翔は呆気ないな、と思った。
「翔さん、、、、、かっこいいです。。。。。」
ミゾレは翔に見惚れていた。
翔と言う英雄の活躍により国難は退けられたと人々は思った、が。
「くくく、人間にも少しは壊し甲斐のある奴がいるようだな」
地獄の底から響くような不吉な声がした。
その声を発したのは、青白い肌に、赤黒い目をした男だった。
タトゥーの様な紋様が体中に有る。
「お前が知性を持つ魔族か?」
「くくく、いかにも。我こそは誇り高き魔族、デーモン・O・グレイだ!この街は我輩が直々に蹂躙してやろう!光栄に思うが良い!」
「それは無理だな」
「何い!?」
「お前に蹂躙される事を光栄に思うかどうかは主観的な話だから断言は出来ない。だが、お前がこの街を蹂躙出来るか否かは客観的に判断出来る」
「ほお。。。。。」
「答えは否だ!」
「それは何故だ?」
「決まっている」
翔は抜刀する。
「俺がお前を倒すからだ」
「ぐははははははは!!!人間の冗談は面白いな!!」
グレイは笑った。
「冗談では無く、真実だ」
翔の言葉に、グレイは笑いを止めた。
「確かめてやろう!!」
グレイは鈍い光を全身から発し、翔に襲いかかる。
ダンッ!!!
翔は跳躍し、グレイの攻撃を回避した。
「のろま」
翔はグレイを挑発する。
「お前がな」
グレイは背中から鋭利な骨を何本も伸ばし、跳躍した翔を狙う。
グサグサッ!!!
何本もの骨が翔を貫く。
「翔さん!!」
ミゾレは悲鳴を上げる。
「くくく、この程度か」
グレイは不吉な笑い声を出す。
その場に居合わせた誰もが終わりだと思った。
人類最強の男が敗れ去ったのだ、希望は途絶えた。
絶望である。
グレイは串刺しにされた翔を投げ捨てた。
「さあ、殺戮ショウの幕開けだ―――――――――――!!!」
グレイは狂気的な声を上げた。
「おいおい、今はショウ・タイム(俺の時間)だぜ!?」
声がした。
「ば、、、、、、馬鹿な!!!」
グレイは翔を見る。
衣服に血は付いているが、翔自身は全くの無傷だった。
「い、一体何をしやがった―――――――――――――!!!」
グレイは発狂ながら聞く。
「俺は何もしてないが?お前の攻撃が弱いのではないか?」
翔はグレイを挑発する。
「あれがお前の最強攻撃なら、お前に勝ち目は無いな」
「上等だこの糞ゴミが―――――――――――――!!!」
グレイは背中の骨を仕舞い、両手に力を込める。
「魔人の力を見せてやるよ!!ラッキーだったな!!死ぬ前に地獄を見れてよお!!そんでまた地獄に行けるんだぜ!!!」
グレイの両手に禍々しい光が球状になって脈動する。
「万物を冒涜せし魔の力よ!!顕現し蹂躙しろ!!デビル・ファイア―――――――――――――――――――――――――――!!!!」
グレイは両手の光を翔に放つ。
ズズン!!!
グレイの放った技が、翔を射抜く。
「は―――――っはっはっは!!!ざまあみやがれ―――――――――――!!!」
グレイは大笑いした。
「何がそんなに面白いんだ?」
翔はグレイに聞いた。
「ば、、、、、、、、、、、、、馬鹿な!!!どうなってやがる!!!」
翔は全くの無傷だった。
「それで、知性を持つ魔族とは何なんだ?何が目的なんだ?」
翔はグレイに聞く。
「そ、そんな事、教える訳ないだろうが!!」
グレイは焦りながら言い返す。
「そうか、それは残念だな。お前が情報を提示すれば、俺もお前の技の弱点と改善点を教える積りだったのだがな」
「な、なにを馬鹿な。。。。。。。。」
グレイは動揺する。
「この先、俺よりも強い召喚者と戦った時に死んでも良いのか?他の魔族からも馬鹿にされるだろうな」
「ぐ、ぐぐぐ、、、、ちゃんと弱点と改善点を教えろよ!!」
「ああ」
「良いだろう、魔族について情報を提供してやる!」
グレイは魔族について語り出す。
「そもそも、知性を持つ魔族と言う表現自体が間違っているのだ。魔族から知性を抜いたのが、お前達の良く知るモンスターなのだ」
「つまり、モンスターはお前達魔族が生み出したのか?」
「あ、ああ」
翔の理解の早さにグレイは呆気に取られる。
「それで?お前達の目的は?」
「わ、我々魔族の目的は、全世界を手中に収める事だ!!世界各地に刺客が送り込まれているのだ!!」
グレイは大威張りで説明した。
「今まで何処で何をしていたんだ?」
「今までは魔族のダンジョンで魔王様の復活を待っていたのだ!!魔王様の復活は近い!!我々魔族の時代がやってくるのだ!!!お前達人間は蹂躙され隷属する運命なのだ――――――――――――――――――――――!!!」
「なるほど」
ズバン!!!
翔はグレイを一刀両断した。
「な、話が違」
グレイは虫の息で言う。
「お前の技の弱点は、お前が弱い事だ。お前の技の改善点は、お前が強くなる事だ」
「よ、よくも騙しやがったな、、、」
「何を言う、お前が俺よりも強ければ、技の完成度など問題では無い。勝敗を分けるのは実力だ」
「く、くくく、お前、本当に人間か?まるで悪魔だ」
「言ってろ」
「地獄の底で、お前が蹂躙されるのを心待ちにしているぞ!!人類は、、、、、、魔族に、、、、、支配さ、、、れ、、、、、る運命」
グレイは絶命する。
「そんな運命、俺が切り裂いてやるよ」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」
翔の力強い断言に民衆は狂喜乱舞した。
「翔さん、、、大好きです」
ミゾレはポツリと呟く。
「ん?なんだ?」
翔がミゾレに問う。
「な、なんでも有りません!!」
ミゾレは顔を赤らめながら、ニッと笑う。
何故、グレイの猛攻を受けても翔は無傷だったのか?
それは、翔の圧倒的な強さが発揮する強靭さと、戦闘センスに由来するものだった。
翔は攻撃を食らう瞬間、勇者の腕輪を発動してダメージを受けると同時に回復していたのだった。
その余りの手際の良さに、その場にいた誰もが気付く事が出来なかったのだ。
≪メアリー伯爵の城≫
「偉大なる英雄、ショウ様。この度は我々を魔族の脅威から御救い頂いた事を人類を代表して感謝させて貰います。ありがとうございます」
メアリーは青い眼で翔に尊敬の眼差しを向ける。
その様子を見て、ミゾレはモヤモヤした気持ちになった。
≪メアリー伯爵領・広場≫
滅多に姿を見せないうら若き美女伯爵、メアリーの登場に民衆は沸いた。
「メアリー様!」
「メアリー様、万歳!」
メアリーは絶世の美女だけあって、人望も有った。
「本日は皆さんに大変重要なお知らせが有ります」
メアリーの言葉に民衆は息を呑む。
「御存知の方も多くいらっしゃるでしょうが、魔族が我々人類に対する襲撃を始めました。
メアリー伯爵家の騎士団では歯が立ちませんでした」
メアリーの言葉に、民衆は落ち込む。
「しかし、魔族の脅威は一人の偉大なる英雄により打ち砕かれました」
メアリーの言葉に民衆は表情を明るくする。
「それこそは、ここに居られるショウ様です!!」
メアリーは隣に立つ翔を見る。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
民衆は歓呼の声を上げる。
「しかし、魔族は未だ数多く存在します」
メアリーの言葉に民衆は落胆する。
「もはや我々メアリー伯爵家とオリバー共和国の戦争どころでは無くなりました。全人類が団結して来るべき魔族との最終戦争に向けて準備を整えなくてはなりません。
そしてその最終戦争で人類を勝利に導くのは偉大なる英雄、ショウ様を置いて他には存在しません!!歴史あるメアリー伯爵家の名に懸けて誓います!!
救世主ショウ様に絶対の忠誠を捧げます!!」
メアリーは翔に平伏す。
「どうか我々に救いの手を差し伸べてください」
「、、、、、良いだろう!!俺が全人類を導いてやる!!俺についてこい!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
翔の力強い宣言に民衆は狂喜乱舞した。
メアリーは翔の寛大さに涙を流す。
ミゾレは翔に恍惚の表情を向ける。
メアリー伯爵領を襲撃した魔族は全滅し、魔族の正体と目的を解明し、民衆の心を掴み、一万年に一人の美少女アイドル、ミゾレを更に惚れさせる。
そしてメアリー伯爵から絶大なる信頼と忠誠心、淡い恋心を寄せられる。
メアリー伯爵の家臣も派閥争いを起こさずに翔に心酔した。
これほどの偉業を僅か一日で成し遂げてしまう。
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