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一万年に一人の美少女アイドルとダンジョンに挑む

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「ダンジョン、だと?」

 翔は一人の大臣と話をしていた。

 「ええ、召喚者の方々はそれをダンジョンと呼んでおられます」

 国土交通大臣は熱心に語る。

 「召喚された俺と同じ学校の連中で最もレベルの高かったのが野球部のエースで、レベル6だった。そいつは王国周辺に生息するスライムなどの雑魚モンスターを狩って経験値を稼いでいた訳だが、一体誰がダンジョンを発見したんだ?
そのダンジョンは難易度が低いのか?」

 翔は大臣と膝を突き合わせてダンジョンについて語る。

 「いえ、どうもですね、ショウ大王様がトロールとゴブリンを壊滅させた事で外界との交流が活発になりまして。それで判明したのですが、召喚された方々は我々のエリア外にも存在していたようです」

 「なるほどな、それならば合点が行く」

 翔は立ち上がる。

 「ダンジョンを調査しに行く」

 翔は堂々たる宣言をした。

 「いえ、ショウ大王様には国内の執務が山積しております!」

 大臣は狼狽する。

 「俺は今までの指導者とは違う。成すべき事だと感じたならば、自らで成し遂げる」

 翔は卓上の地図をクルクルと丸め、鞄に収納した。

 「ダンジョンの有る場所まで行く事も、容易では無いと思われますが」

 大臣は懸念を表明する。

 「その心配は無用だ」

 翔は堂々たる宣言をした。
 翔はダンジョンへ出発する。
 全力疾走をしながら勇者の腕輪を発動し、自らの体力を回復した。
 前代未聞の超スピードでダンジョンへと向かう。




≪小さな洞窟・ダンジョン・入口≫



「はーい、それではただいまより、召喚された方々へダンジョンの説明を行いまーす」

 自らをガイドと称する性別も判然としない人物は、ダンジョンの解説を始める。

 「御存知の通り、このダンジョンに集められた人はほとんど全員が召喚された方たちです。
 異世界召喚された方々は、スキルと職を獲得する事で、モンスターを討伐出来る力を得るからですね。
じゃあ、そもそもダンジョンって何なんでしょうか?ダンジョンとはですね、誰が何の目的で建造したのか判明していません。
 一説には一部の古代人が住居としていたものを、モンスターに占領されたとも。
また一説には、知性ある魔族が、レアアイテムを餌に人間を誘き寄せて捕らえる為、殺す為とも言われています。
もっとも、知性ある魔族が存在し得るのかは学者の間でも意見が分かれ、大いに議論されている最中ですね。
では、何故我々はダンジョンの攻略を目指すのか?それは先程も話に出ましたが、ダンジョンの奥深くへ進むほど、我々人類の魔法技術では作成し得ない大変利用価値の高いアイテムが埋蔵されているからです。
ダンジョンにはモンスターが多数棲息していまして、一般的にモンスターの強さ、凶暴性と、アイテムのレアリティは比例します。
 皆様のクエスト内容は、何らかのアイテムを持ち帰ること、です。
アイテムの希少性、有効性に応じて、オリバー共和国から報酬が支払われます。
 報酬は金銭でも、不動産でも、地位や勲章でもクエスト達成者が選べます。
さて、ここまでは理解いただけたでしょうか?」

ガイドは召喚された人々を見回す。

 「えー意味分かんない」

 「ダリィ」

 「早くモンスターをブッ殺させろよ」

 召喚人達は概ね意欲に欠けていた。
 翔は即座にガイドの情報を理解した事は言うまでも無い。

 「要するに、モンスターを倒してアイテムを持ち帰れば良い、という訳だ」

 翔は簡潔に説明した。

 「おおー」

 「なるほど」

 「わかりやすい」

 召喚人達はようやく理解する。

 「それで、説明の続きは?」

 翔はガイドに訊ねる。

 「は、はい。ダンジョンに入れる人数の上限は今のところ、報告されていません。
しかし、同時に入れるのは二人までです。そしてダンジョンは入るたびに繋がる先が違うのです」

 「繋がる先が違うと言うが、そもそも同じダンジョンに送られているのか?」

 翔が指摘した。

 「はい、ダンジョンの内部で、同じ入口から挑んだ人同士が出会う事例は幾つも報告されています」

 「、、、、、、、ダンジョン同士がリンクしている可能性は?」

 「え、ええと??」

 「つまり、同じ入口から別のダンジョンに転送されても、ダンジョン同士が繋がっていれば、中で遭遇する事も有るのではないか?という事だ」

 「ええと、申し訳ありません。その可能性については検討していませんでした」

 「いや、いいんだ。続けてくれ」

 翔は情報を得た。少なくともダンジョンは一つで無い。
もしダンジョンが一つしかないと認識しているのならば、ガイドは翔の疑問を否定したはずだ。
 別のダンジョンとリンクしている可能性など無い、と。
 大臣から得た情報では、翔が今いるダンジョンしか明らかになっていない。
それは何故か?
 翔が今いるダンジョンはオリバー共和国の管轄下だ。
オリバー共和国の手の及ばない場所に有るダンジョンに挑まれてはリターンが見込めないからだろう。
モンスターと戦う事を忌避して、モンスターの弱いダンジョンを選ぶ者。
レアアイテムを求めて、モンスターの強いダンジョンを選ぶ者。
そう言った者が現れないように、他のダンジョンの存在や情報を隠蔽しているのだろうか、と翔は思った。

 「ええと、説明を続けたいと思います。ダンジョンに入るにはワープの扉を使います。
 扉と言っても、実際には台座ですが。その台座に乗って、十秒間経過すると、ダンジョンの内部にワープします。
その台座には三人でも四人でも乗る事自体は可能ですが、その場合、ワープが発動しません。二人までなら、同時にワープが出来ます。そしてオリバー共和国では、生存確率を高める為に、二人同時のワープを推奨しています。
 今から二人一組のペアを作って下さい。ペアの出来た方たちから、台座でダンジョンの内部へとワープして貰います。それではどうぞ」

ガイドはそう言うと、台座の前まで移動した。

 「ぺ、ぺあ?」

 「知りあいなんていないぞ」

 「勝手に召喚されて、勝手にダンジョンに連れて来られて、もう散々だ」

その場に居合わせた召喚者たちは周囲を見渡す。
ほとんどが単独で召喚されて、異世界に来て日も浅かった。
 誰が強く、誰が賢く、誰が誠実か、など知る由も無い。


 翔はガイドに近付く。

 「俺は一人で構わない。ワープさせてくれ」

ガイドは困惑した。

 「規則ですので」

 「俺自身が構わないと言っている」

 「ですが、あくまでもこの事業はオリバー共和国の下に運営されていますから、規則違反者には退去していただく決まりです」

 無理矢理押し通すか、と翔は思った。

 「台座でワープを行うには、ワープする人以外に操作者が必要ですので、力尽くでワープは出来ません」

ガイドは釘を刺す。

 「大人しく規則に従うとしよう」

 翔は溜息を吐く。




 「きゃっ」

 可憐な声が洞窟に木霊する。
 地面の窪みにつまづき、転んだ女がいた。
 起き上った時に、深く被っていたフードが捲れて顔が露わになる。

 「お、おい、あの娘」

 「い、一万年ちゃん。。。??」

 女はフードが捲れた事に気付き、直ぐに目深に被り直す。

 「一万年ちゃんって、あの?」

 「そうだよ、小日向ミゾレだよ」

 小日向ミゾレ。それは異世界では無い元の世界、つまり現世で大人気の美少女アイドル。
 人呼んで、『一万年に一人の美少女、小日向ミゾレ』である。
 何の因果か彼女も異世界召喚に巻き込まれ、異世界にやってきてしまったのだ。
たとえ化粧をしていなくとも、腰までの長く柔らかな髪、輝きと憂いを同居させる成長途中の瞳、小さく上品にまとまった鼻、薄いがしかし弾力を失わない唇。
そのすべてが異彩を放ち、小汚いフードを目深に被る他に隠す手立てが無いのだ。

 「お、おれ、小日向ミゾレのDVD持ってるよ」

 「おれなんかCDも持ってるぞ」

 「おれなんかポスターも持ってるぞ」

 「おれは映画を見に行った」

 「おれはライブを見に行った」

 召喚された男たちは鼻息を荒くして小日向ミゾレを取り囲む。
その場に居たほとんどの男が小日向ミゾレに目を向けた。

 「ミゾレちゃ~ん、おれと組もうよ」

 「おれは何が有ってもミゾレちゃんを守るよ」

 「おれはミゾレちゃんの為ならなんだって出来るよ」

 小日向ミゾレは訳も分からずに異世界召喚され、訳も分からずにダンジョン攻略に駆り出された。
そして今、無数のファン(?)から求愛、もとい、ペアを組む事を求められている。
 混乱と恐怖で体が震えた。

 「あ、あの、違います、わたし、小日向ミゾレじゃありません!!」

 小日向ミゾレは否定する。

 「やっぱり、その声はミゾレたんだよ~」

 「怖がらなくていいんだよ」

 「おれと組もうよ~」

 男たちは引く気配を見せない。

 「ばっかみたい」

 「あたしたちで組もうよ」

 女達は女同士でペアを組み始める。
が、小日向ミゾレと女達は、ただ一人、小日向ミゾレに無関心な男を見付けた。
 翔である。
 翔は普段からネット上の小説投稿サイトで名作を探す、いわゆるスコップを趣味としていた為、テレビや映画、ネット上で流れる小日向ミゾレの情報に全くの無頓着だった。
スコップをしない時間は、ギリシャ哲学やヒンドゥー教に関する読書を行っていた。
アイドルに夢中になる翔では無い。

 「どうする?あの男の人、良いよね」

 「さっきの説明も直ぐに理解してたし、頭良いよね」

 「顔もタイプかも」

 女達は翔に眼を向け出す。
しかし、二人一組のペアだと言う事実を思い出し、競争に変わる。
それは翔にとっても好都合だった。
 翔は二人一組のペアを作る時、大体余り者になる。
 個人としての能力の資質が高い反面、協調性に欠ける面があった。

 「あ、あの!わたしとペアを組んで下さい!!」

 小日向ミゾレは有らん限りの大声で叫んだ。
 一瞬、洞窟の内部が静寂に包まれる。

 「誰?誰?」

 「おれだよね!?」

 「おれに決まってんだろ!」

 男たちは興奮して身を乗り出す。

スッ。。。。

 小日向ミゾレは人差し指で指し示した。
その指の先に居たのは。

 翔である。

 「え?あいつ?」

 「あいつって確か、さっきガイドと喋ってた、、、」

 「あいつよりもおれのほうが良いって!!」

 男たちは怒りに益々興奮して、小日向ミゾレににじり寄る。
 小日向ミゾレは暴徒と化す間際の男たちに押し倒されようとした。
その時。
 一つの人影が集団を飛び越えて、小日向ミゾレの直ぐ傍に着地する。
そして倒れかけた小日向ミゾレを抱きかかえた。

 「ダンジョンに入る前から怪我をしては、本末転倒だぞ」

 翔は暴徒と化す寸前の男たちに言い放つ。

 「な、なんだお前!!」

 「ミゾレちゃんに触るな!!」

 「そうだそう、、、」

 「うっ。。。。」

 暴言を翔に放つが、翔の放つ静かだが巨大な殺気に呑み込まれる。
 小日向ミゾレは翔に釘付けになっていた。

 「あ、あの、、、、」

 恍惚とした表情で、翔を見詰めながら小日向ミゾレは話しかける。

 「ん?何だ?」

 「わたしと、ペアを組んで下さい」

 頬を赤らめながら、ミゾレは翔にペアの申請をした。

 「ん?ああ、構わないが」

 翔はあっさりと承諾する。
そこに舞い上がったりする感情は無かった。
ただ一つ、ペアを組む相手が見つかって良かった、という感想だけが有る。
 翔にとっては、誰とペアを組もうが関係無いのだ。
それが一万年に一人の美少女であろうとも。
それどころが、一万年に一人の美少女、小日向ミゾレの方が舞い上がり、緊張していた。

 「そ、そんなぁ」

 「くそっ」

 男たちは落胆し、

 「ショック~」

 「ペアになってもらおうと思ってたのになー」

 女たちも落胆する。

 「台座に行って、ワープするか」

 翔は堂々たる宣言をした。

 「はいっ!!」

 先程までとは打って変わり、小日向ミゾレは生き生きとした声で返事をする。
 翔は台座を真っ直ぐに見据えて歩き出す。
 小日向ミゾレは翔の横顔を見詰めながら、付き従う。

 空前絶後の大英雄・翔が未だかつてクリアされていないダンジョンへと身を投じる。

ショウ・タイム(翔の時間)は加速する。
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