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第4章 お城に着きました!
メイドは危険でした…
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次の日
今日はイーリアスさんと組んでお仕事です。
「宜しくお願いします。もし、わからないことがあれば遠慮なくきいてください」
(ペコリ)
お願いしますという意味を込めて、頭を下げてから早速メモ帳を取り出した。
『迷いなく廊下を進んでいますが、目印になるものあるのでしょうか』
「ありますよ。では、それはリネン室に向かいながら説明しましょう」
スタスタと歩き出したので、それを追う。
一歩廊下に出れば右へ行けばいいのか、左へ行けばいいのかわからない。
イーリアスさんは迷いなく左の道を歩き出した。
「目印は柱にあるレリーフなんです。どれも美しいレリーフではありますが、まったく違うんですよ。それと、各部屋の扉の上にもレリーフがあります。それは部屋の役割を表しているので確認してください」
コクリと頷いてから言われた通り柱を見ていく。
あまり気にはしていなかったが、確かにレリーフの形がバラバラだった。
それでも統一感がないわけではなく、違っていても調和がとれていて素直にすごいと思った。
枝に小鳥が止まっていふレリーフの角を曲がったら、そこには階段があります。
「階段の脇にある昇降機については聞きましたか?」
コクリ
「では、壁との見分け方は?」
…………ハッ!!
「わかりました。お教えしましょう」
コクリコクリ
「ここには幾つかの装飾がなされていますが、ほとんどダミーだと思ってください。装飾は右から三番目が昇降機のためのレバーです。ユニコーンの意匠が彫られているのでそれで見分けてもいいでしょう」
そう言って示してくれたレバーである装飾を見ると、森の中を歩くユニコーンが彫られていた。
装飾自体はそう大きいものではないのに、綺麗に彫られていて思わず触るのをためらいそうである。
「そして、その右下に昇降機の入り口があります。入り口は影になって見えませんが、ここに凹凸があるので両側にずらしてください」
言われた通りにすると入り口が開いて、二番目の扉が閉まっていた。
これで自分一人でも大丈夫そうだ。
今は使わないのでそっと閉めて、今度は階段に向かって歩き出した。
「一応下の入り口も確認しましょう」
コクリ
あとに戸惑うよりも今解決したほうがいい。
階段を下に降りようと一歩踏み出した時……
「あんたが……なんでそこにいるのよっ」
ドンッ!!
後ろから女の人の声がしたと思ったら、後ろから衝撃を受けて体が投げ出された。
視界の端にイーリアスが手を伸ばしてくれているのが見えたが、その手は私に届かない。
とっさにどこかに掴まれるような場所はないかと手を伸ばすが、掴まれるような手すりなどなかった。
衝撃を覚悟した時…
トンットンットンッ
ポスンッ
「イーリアス!そいつを捕らえろ!」
体に思った以上の衝撃は来ない。その代わり安心する体温が私の体を包みこむ。
そして、耳元で声がした。
他に誰かの走り去る音が二つ聞こえる。
しかし、そんなこと意識外だ。
恐る恐る顔を上げると、そこにいたのはサイスだった。
今日はイーリアスさんと組んでお仕事です。
「宜しくお願いします。もし、わからないことがあれば遠慮なくきいてください」
(ペコリ)
お願いしますという意味を込めて、頭を下げてから早速メモ帳を取り出した。
『迷いなく廊下を進んでいますが、目印になるものあるのでしょうか』
「ありますよ。では、それはリネン室に向かいながら説明しましょう」
スタスタと歩き出したので、それを追う。
一歩廊下に出れば右へ行けばいいのか、左へ行けばいいのかわからない。
イーリアスさんは迷いなく左の道を歩き出した。
「目印は柱にあるレリーフなんです。どれも美しいレリーフではありますが、まったく違うんですよ。それと、各部屋の扉の上にもレリーフがあります。それは部屋の役割を表しているので確認してください」
コクリと頷いてから言われた通り柱を見ていく。
あまり気にはしていなかったが、確かにレリーフの形がバラバラだった。
それでも統一感がないわけではなく、違っていても調和がとれていて素直にすごいと思った。
枝に小鳥が止まっていふレリーフの角を曲がったら、そこには階段があります。
「階段の脇にある昇降機については聞きましたか?」
コクリ
「では、壁との見分け方は?」
…………ハッ!!
「わかりました。お教えしましょう」
コクリコクリ
「ここには幾つかの装飾がなされていますが、ほとんどダミーだと思ってください。装飾は右から三番目が昇降機のためのレバーです。ユニコーンの意匠が彫られているのでそれで見分けてもいいでしょう」
そう言って示してくれたレバーである装飾を見ると、森の中を歩くユニコーンが彫られていた。
装飾自体はそう大きいものではないのに、綺麗に彫られていて思わず触るのをためらいそうである。
「そして、その右下に昇降機の入り口があります。入り口は影になって見えませんが、ここに凹凸があるので両側にずらしてください」
言われた通りにすると入り口が開いて、二番目の扉が閉まっていた。
これで自分一人でも大丈夫そうだ。
今は使わないのでそっと閉めて、今度は階段に向かって歩き出した。
「一応下の入り口も確認しましょう」
コクリ
あとに戸惑うよりも今解決したほうがいい。
階段を下に降りようと一歩踏み出した時……
「あんたが……なんでそこにいるのよっ」
ドンッ!!
後ろから女の人の声がしたと思ったら、後ろから衝撃を受けて体が投げ出された。
視界の端にイーリアスが手を伸ばしてくれているのが見えたが、その手は私に届かない。
とっさにどこかに掴まれるような場所はないかと手を伸ばすが、掴まれるような手すりなどなかった。
衝撃を覚悟した時…
トンットンットンッ
ポスンッ
「イーリアス!そいつを捕らえろ!」
体に思った以上の衝撃は来ない。その代わり安心する体温が私の体を包みこむ。
そして、耳元で声がした。
他に誰かの走り去る音が二つ聞こえる。
しかし、そんなこと意識外だ。
恐る恐る顔を上げると、そこにいたのはサイスだった。
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