耽美少年にいたぶられる!

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生娘は時間をかけてゆっくりと(アイアンメイデン・傷口を抉られる・絞首)

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 もういや。痛いのはいや。怖い。やめて。
……失礼いたしました。つい身勝手極まりないことを言ってしまった気がします。
 食事の後もご主人さまの部屋に連れられれば鞭で打たれ、縛られ、まあつまり私はもう歩けないほどに痛めつけられたのです。薬を頂いたとはいえ、先程の毒で内臓はいまだにじくじくしています。喉も胃酸で痛められたのか唾液を飲み込むたびに焼けるような痛みが走ります。体のあちこちから血はとめどなく流れていきます。気づけば周りに吐瀉物と血液をまき散らして、まるで粗相をしてしまったかのような痴態を晒しております。せっかくおろしていただいたお洋服ももはや服とは言い難く裾は破れてしまい肌をところどころ露出されております。全く、恥辱の極みでございます。
 もう動くのも何かされるのも嫌でしょうがありません。そんな様子を見かねてかご主人様は泣きじゃくり嫌がる私の頬に手を添えてくださりました。顔をあげればまぶたにキスをおとしてくださります。優しく触れられる甘さにまた依存してしまうのです。
 瞼を挙げ、瞳を覗けばご主人様は愛おしそうに、嬉しそうに私を見下してくださいます。愉悦というのは彼のこの感情を表すためにあるのでしょう。
 私の今の姿はご主人様を昂らせるようです。私の血液は媚薬のように彼を狂わせていきます。添えられた手は頬を滑り首へ体へと向かっていきます。先程の薔薇の棘によってできた傷。彼は綺麗だと言って傷口を集中してこすりあげ、広げます。そして長い爪を食い込ませてきたのです。プツリ、と瘡蓋かさぶたが除かれ、何度もかき混ぜるように動かされる、容赦のない痛みについ、ご主人様への忠誠心よりも先に体が反応してしまいました。
 性的な意味ではございません。
 ご主人様の頬に平手打ちをしてしまったのです。乾いた音が響きます。彼の頬に赤みが差すのとは裏腹に私の体内に氷を流し込んだかのような冷たさでいっぱいになりました。

「犬に噛まれた気分だよ、かわいいなあ」

 口は笑みを含んでいるかのような曲線を描いているのにその瞳は一切笑っておらず、気味悪さを感じます。

「でも、仕置きは必要だ」

 体の強張る私の腕を掴みご主人さまはそのまま引きずるのでした。





「一歩前出て」

 目隠しをされ、立つ場所を指定されている状況でございます。もはや抵抗も意味を成さないのは明白なため、言われた通りに動くのです。何をされるのかするかもわからずなんだかひんやりとするという感覚だけでございます。

「アイアンメイデンって知っているかな」

 それは確か拷問道具で、中に無数の針がある……
 なぜその話を突然したのか、そして仕置が何なのかが繋がった私は今すぐ逃げたくてしょうがなくなりました。実際に逃げようとしたのですが動くな、と冷たい声で主人さまに命令されればどうしようもございません。
 私は今から針によって貫かれてしまうのでしょう。それはすなわち死を意味するのかもしれません。重いものを引きずるような音が聞こえれば私の恐怖心は一層駆り立てられるのです。前後左右からの針を最初は拒んでいたものの、一度皮膚が破けてしまえば、抵抗なく体内に受け入れてしまうのです。針によって体が押し広げられる感覚がございます。また体内の血管という血管を貫いてるご様子です。潤滑油の役目を果たすかのようにあたたかいものが溢れ伝っていくのがわかります。痛いのに、尋常ではないほどの血が流れているはずなのに。どれも致命傷ではないのか、心臓は血液を送り続けるのです。すぐ死なないように、急所を外して作られているのはあながち嘘ではないそうです。作った人はきっとご主人様の何倍も人をいたぶるのに長けたお方なのでしょう。
痛い、
助けてください、
お許しください。
 懺悔は思考の乱れからの言葉を為さず、ただひたすらに叫び声をあげるのみでございます。痛みから逃げようとして暴れてもそれはただ針を深く受け入れるだけで意味を成さないのです。ただひたすらに針に抱かれ、血液を流してくことしかできません。
早くご主人さまに許されたいのです。
死んでしまう前にご主人さまに抱かれたいのです。
 そんな思いの中、永遠に感じたお仕置きもいつかは終わりを迎えるものでございます。

「構造に難がありすぎ。君の声が聞こえなかったよ」

 心底あきれたようなご主人様の声と一緒に重々しいなにかが動く音がします。お仕置きは終了なのでしょうか。両肩を引っ張られ、体内を貫いている物が抜けていきます。針から解放された私はそのまま乱暴に床に投げ出されてしまいました。体の隅々に冷たい風が通り抜けていきます。体に開けられた無数の穴はちょうどいい風の通り道で、すーすーします。けれど床は生温かくて。これはすべて私の血液なのでしょうか。
実際はそんな悠長なことを考えてはいられません。生と死の境をさまよっておりますので。少しでも酸素を取り込もうとうるさい呼吸音の中、ご主人様の足音が聞こえます。私はもう、死にかけでございます。もうあなたの好きな叫び声も届ける気力はございません。もう意識を手放してしまおう。
そう思ったのに。
ぐちゃ、と朝食のイチゴジャムを拭うような音が聞こえたのです。いや、その音の正体は私から奏でられていたものだと理解するのには時間差がございました。瞬間、今日一番の激痛が走るのです。それから逃げようと腰が反り返り、どうしようもなく叫ぶ私はまるで絶頂を迎えたかのよう。
彼は構わず私に空いた穴をぐりぐり、抉り続けるのです。

「いい、最高に美しい。その表情もしぐさも全て!」

恐らく今日最高の絶頂を彼も迎えたのでしょう。紡ぐ言葉全てに力がこもっておいでです。こらえきれなくなったご様子で彼は私の首を締めあげていきます。ご主人様の手があたたかい。意識がもうろうとして来るのすら、ご主人さまからいただいている痛みだと思えば甘美なものに違いなく、さらに強く絞めて欲しいと考えてしまうのです。瞳に美しい彼だけが映り、世界でたった二人しか居ないような錯覚に陥ります。この瞬間が一番しあわせなのかもしれない。ご主人様、ご主人様。生まれ変わってもあなたと一緒に添い遂げたいのです。ご主人様の綺麗なお顔、暗転する視界の中しかと瞼に刻み付けたいのです。
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