11 / 11
エピローグ
しおりを挟む
すると看護師は黙って病室を出て行った。そりゃあ誰だってそうだろう。
こんな重い話を聞かされた後は誰だってその場を離れたくなる。
あーあ。
結局何も変わらなかったなぁ。
ふぅとため息をついた。すると医師を先頭に、看護師、警察が順に病室に入ってきた。警察は、わざわざ手帳を見せた後、逮捕状を突き出してこう言い放った。
「菊池優 2190年12月25日 14:33 窃盗容疑と過去変更容疑で逮捕する」
ガチャリと手錠をつけられて、警察病院に引き取られた。抵抗する気力もなかった。
一切の事情を話した、というわけではないけれど、まあ、3分の1ぐらいの事は何も繕わずに全て話した。同情を買ったのか、哀れに思われたのかはわからない。警察病院から退院すると、執行猶予2年で釈放された。
あの時の記憶に想いを寄せ、涙を紡ぎ続ける日々。そんな風に生活していると佳代が知ったら怒るだろうか。
はたまた笑うだろうか。
笑ってよ。こんなダメダメな私を笑ってよ。佳代が笑ってくれたら楽になりそうなんだ。
そこまで思って、メンヘラチックだなぁと苦笑した。
3人と一緒にいられなかったのは悲しいけれど、
それでもまた、佳代に、奏に、一季に、3人に会えるその日まで
何千年先も待ち続ける。
こんな重い話を聞かされた後は誰だってその場を離れたくなる。
あーあ。
結局何も変わらなかったなぁ。
ふぅとため息をついた。すると医師を先頭に、看護師、警察が順に病室に入ってきた。警察は、わざわざ手帳を見せた後、逮捕状を突き出してこう言い放った。
「菊池優 2190年12月25日 14:33 窃盗容疑と過去変更容疑で逮捕する」
ガチャリと手錠をつけられて、警察病院に引き取られた。抵抗する気力もなかった。
一切の事情を話した、というわけではないけれど、まあ、3分の1ぐらいの事は何も繕わずに全て話した。同情を買ったのか、哀れに思われたのかはわからない。警察病院から退院すると、執行猶予2年で釈放された。
あの時の記憶に想いを寄せ、涙を紡ぎ続ける日々。そんな風に生活していると佳代が知ったら怒るだろうか。
はたまた笑うだろうか。
笑ってよ。こんなダメダメな私を笑ってよ。佳代が笑ってくれたら楽になりそうなんだ。
そこまで思って、メンヘラチックだなぁと苦笑した。
3人と一緒にいられなかったのは悲しいけれど、
それでもまた、佳代に、奏に、一季に、3人に会えるその日まで
何千年先も待ち続ける。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる