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第六話『暴走暴発暴虐ガールズ!』
その4 ロジックじゃない病
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★第六話『暴走暴発暴虐ガールズ!』
その4 ロジックじゃない病
teller:聖歌=フォンティーヌ
「……まーた派手にやられたもんだねえ」
私と親しくしてくれている菫=リヴクレインさんは、医学の心得がある。
元いた地区では、町医者をしていたそうだから。
菫さんは邪魔になるからだろう、セミロングの銀髪を適当に結って、白い手袋を嵌めたまま目の前の男性の顔の怪我の処置をしている。
私は菫さんの手伝いとして、横に控えて救急箱の中身の整理や治療器具を出したりと、ちまちまと動いていた。
菫さんの目の前に居る男性は、麓重=バラードさん。
菫さんと同い年で、私たちと同じくサポーターだ。
眼鏡をかけてスーツを着た、穏やかそうな痩躯の男性。
サポーターに選ばれる前は、普通のサラリーマンをしていたらしい。
そんなバラードさんが何故怪我をしているのかと言うと、それは彼のパートナー、つまりはファイターに原因がある。
バラードさんのファイターは、笹巳=デラクールちゃんという女の子。
この笹巳ちゃんという子が、少し難しい子らしい。
癇癪持ち、と言うか一種の傷害衝動を抱えているらしく、常にイライラしていて短気で暴力的。
ムシャクシャした心を晴らす為に、寮生活が始まった今も前触れもなく寮を飛び出してケンカに明け暮れてしまうくらい、暴力に依存している女の子なんだそうだ。
そしてその暴力は、パートナーであるバラードさんにも容赦なく向けられる。
菫さんが気怠そうに溜息をついて、脱脂綿をピンセットで挟んだ。
「怪我してるファイターを治療しようとして、自分がファイター以上に怪我するハメになるって、何それ。コント?」
「うっ……面目ありませ……あ、あいたたた……」
菫さんの治療を受けながら、バラードさんがしゅんと肩を落とす。
今朝、朝帰りしてきた笹巳ちゃんを治療しようとして、彼女に散々反発されて殴られ蹴られ、結果的にバラードさんは笹巳ちゃん以上の重傷を負ってしまった、とのことだ。
「あの……それで、笹巳ちゃんの怪我の処置は……?」
「あ……笹巳さんの処置なら、何とか済ませました。応急処置程度ですが……でも、後で菫さんの所にも顔を出すよう言っておきましたので……」
バラードさんの言葉に、ほっと安堵の息をつく。
バラードさんの話だと笹巳ちゃんも相当ひどい怪我をしていたそうだから、少しは処置を受けたのなら安心だ。
それに、専門的な知識を持つ菫さんがここに居るし――。
「……いや、来ないでしょ。あの子、わたしのこと大っ嫌いなんだからさ」
「……え?」
バラードさんと私の、驚きの声が重なる。
菫さんは面倒くさそうな顔をしながら、押し付けるようにバラードさんの頬に湿布を貼る。
「ヒント1:わたしと麓重は異性。ヒント2:わたしと麓重は同い年。ヒント3:医療行為とは言え、わたしは麓重が頼りにしている相手。つまり、笹巳よりもわたしの方が麓重と心理的な距離が近い」
出された三つのヒントに、麓重さんは理解できていないのか、ぽかんとしたまま治療を受け続けている。
対して私は、あ、と声が出るほどに色々と気付いてしまった。
……そっか。そういうこと、なんだ。
笹巳ちゃんは、バラードさんのことが――。
その事実を勝手に認識して、どこか悲しくなる。
今のところ、全部私の想像でしかないけれど。
――好きな相手を傷付けなければいけない気持ちは、どれだけの痛みを彼女の心に与えてるんだろうか。
「……聖歌あんた、他人のこととなると鋭いよね」
「え、あ、はい……?」
いつの間にか、菫さんの視線が私に向けられていた。
思わず曖昧な返事を返してしまった私を他所に、菫さんは丸椅子を転がしてバラードさんと距離を取る。
「はい、治療終わり。他に用が無いならとっとと行きな。わたしはつまんない理由であんたのお姫さんに殺されるのは、ごめんだね」
「あっ、えっ、はい!? 殺され……!? さ、笹巳さんのことですよね? え、すみませ……!?」
ぺこぺこと慌てて何度も頭を下げながら、バラードさんが焦ったように立ち上がる。
丁度その時。
「……あ、聖歌。居た居た。わりぃ、今ちょっといいか? こないだの機体テストの結果なんだけどよ――あ゛??」
「ひっ!?」
「ぁ……しゅ、愁水さん……」
愁水さんが端末を手に、医務室に顔を出す。
反射的に照れてしまったけれど、愁水さんはバラードさんの顔を見た瞬間、何やら凄い声を出した。ドスのきいた、と言うか地獄の底から響く声。
その声と、明らかに不機嫌そうに眉を顰める愁水さんの様子にただならぬ気配を感じたのか、バラードさんは瞬時に悲鳴を上げ、菫さんと私にお礼を言いながらそそくさと医務室を後にした。
すれ違うように去っていったバラードさんの背中を、愁水さんがまだ睨んでいる。
どう、したんだろう。
「しゅ、愁水さん……? あの……?」
「……束縛激しい男は嫌われるよ、おにーさん。ただでさえあんたは重っ苦しいんだから気をつけな」
菫さんが今日一番の怠そうな声を上げた時、愁水さんがぎくりとしてこちらに向き直る。
その目は菫さんを見ておらず、私を捉えていた。
泳ぐような視線だけど、私を見ているのがわかる。
愁水さんと、好きな人と目が合っている事実に心臓が確かに高鳴る。
私の場合は、眼帯のせいで片目だけ、だけど。
でもこの塞がれた片目だって、この眼帯だって愁水さんが贈ってくれたものだから。
私の世界は、今日も愁水さんで構成されている。
「……空気悪くしてすまねえな、聖歌。ちょい、いいか。できれば格納庫で話してえから」
「は、はいっ……すぐ行きます……」
先程までとはうってかわって、いつもの不器用ながらも優しい声色に戻った愁水さん。
断る理由なんて無い私は、素直に彼の元へ駆けて行く。
菫さんに、最後に会釈を忘れずに。
愁水さんの隣を歩かせてもらいながら、思う。
先程の、笹巳ちゃんの話だ。
私は、愁水さんを傷付けるくらいなら――消えたって、この命を捨てたって、構わない。
彼が生きることが、彼が傷つかないことが、彼の幸せが、私の全て。
だからサポーターとして、愁水さんを支えられることなら何でもしたい。
それだけが、私の。
「……そうだよな。大事に、しねえとな」
「……? 愁水さん……?」
「……いや、こっちの話だ」
独り言のように突如呟かれた、彼の言葉。
意味を理解することは叶わなかったけど、彼の優しい声は、やっぱりどうしようもなく愛しかった。
〇
teller:菫=リヴクレイン
「……めんどっくさ……」
長い長い溜息と共に、わたしはデスクに上体を投げ出す。
二件連続で色恋沙汰に巻き込まれたようなものだ。
文句くらい、愚痴くらい、溜息という形で吐き出したって許されるだろう。
どうして、こうもわたしの周りには。
「菫さん、すみません……! 今、お時間大丈夫ですか? ちょっと怪我しちゃって……って、え゛、大丈夫ですか……?」
「あー……なんだ、カイトか……」
「あっ、はい……カイトです……?」
医務室に駆け込んできたのは、わたしの担当するファイター・カイト=ラックグライブ。
16歳の、素直でまっすぐな、少年らしい少年。
一応わたしとは、ファイターとサポーターの関係になる前からの知人だったりするのだけれど。
カイトは、だらしなくデスクに身を投げているわたしを不審に思ったのか、それとも単純に心配したのか、また同じ台詞を繰り返す。
「あの……菫さん、本当に大丈夫ですか? オレ、出直して来ましょうか……?」
「あー、大丈夫大丈夫……どーして世の中には告白する勇気はないくせに嫉妬だけはいっちょまえな人間がゴロゴロいるのか、純粋に疑問に思っただけ」
「え、はい?」
「うん、純粋な疑問。それだけだから、大丈夫。カイト、さっさと座って。怪我してるんでしょ」
「あ、はい……お願いしますっ」
律儀に頭を下げて、カイトは目の前の椅子に座る。
体力作りの訓練中に怪我を負ったのか、手から腕に裂傷の痕がある。と言っても、些細なものだ。
「……みーんな、カイトみたいにわかりやすく健康に怪我してくれればいいのにねえ」
「健康に怪我って……そんな言葉、あるんですか?」
「いや、無いとは思うけど。ただね、この世には不健康なもんが多すぎて、時々しんどくなるよ」
めんどくさいし、しんどい。
そんな中、わたしのパートナーは今日も真っ直ぐに、眩しいまんま。わかりやすく真っ直ぐな、年下の男の子。
そんな彼に時々自分が抱く、形の見えない感情については――今は、怠くて見ない振りをした。
その4 ロジックじゃない病
teller:聖歌=フォンティーヌ
「……まーた派手にやられたもんだねえ」
私と親しくしてくれている菫=リヴクレインさんは、医学の心得がある。
元いた地区では、町医者をしていたそうだから。
菫さんは邪魔になるからだろう、セミロングの銀髪を適当に結って、白い手袋を嵌めたまま目の前の男性の顔の怪我の処置をしている。
私は菫さんの手伝いとして、横に控えて救急箱の中身の整理や治療器具を出したりと、ちまちまと動いていた。
菫さんの目の前に居る男性は、麓重=バラードさん。
菫さんと同い年で、私たちと同じくサポーターだ。
眼鏡をかけてスーツを着た、穏やかそうな痩躯の男性。
サポーターに選ばれる前は、普通のサラリーマンをしていたらしい。
そんなバラードさんが何故怪我をしているのかと言うと、それは彼のパートナー、つまりはファイターに原因がある。
バラードさんのファイターは、笹巳=デラクールちゃんという女の子。
この笹巳ちゃんという子が、少し難しい子らしい。
癇癪持ち、と言うか一種の傷害衝動を抱えているらしく、常にイライラしていて短気で暴力的。
ムシャクシャした心を晴らす為に、寮生活が始まった今も前触れもなく寮を飛び出してケンカに明け暮れてしまうくらい、暴力に依存している女の子なんだそうだ。
そしてその暴力は、パートナーであるバラードさんにも容赦なく向けられる。
菫さんが気怠そうに溜息をついて、脱脂綿をピンセットで挟んだ。
「怪我してるファイターを治療しようとして、自分がファイター以上に怪我するハメになるって、何それ。コント?」
「うっ……面目ありませ……あ、あいたたた……」
菫さんの治療を受けながら、バラードさんがしゅんと肩を落とす。
今朝、朝帰りしてきた笹巳ちゃんを治療しようとして、彼女に散々反発されて殴られ蹴られ、結果的にバラードさんは笹巳ちゃん以上の重傷を負ってしまった、とのことだ。
「あの……それで、笹巳ちゃんの怪我の処置は……?」
「あ……笹巳さんの処置なら、何とか済ませました。応急処置程度ですが……でも、後で菫さんの所にも顔を出すよう言っておきましたので……」
バラードさんの言葉に、ほっと安堵の息をつく。
バラードさんの話だと笹巳ちゃんも相当ひどい怪我をしていたそうだから、少しは処置を受けたのなら安心だ。
それに、専門的な知識を持つ菫さんがここに居るし――。
「……いや、来ないでしょ。あの子、わたしのこと大っ嫌いなんだからさ」
「……え?」
バラードさんと私の、驚きの声が重なる。
菫さんは面倒くさそうな顔をしながら、押し付けるようにバラードさんの頬に湿布を貼る。
「ヒント1:わたしと麓重は異性。ヒント2:わたしと麓重は同い年。ヒント3:医療行為とは言え、わたしは麓重が頼りにしている相手。つまり、笹巳よりもわたしの方が麓重と心理的な距離が近い」
出された三つのヒントに、麓重さんは理解できていないのか、ぽかんとしたまま治療を受け続けている。
対して私は、あ、と声が出るほどに色々と気付いてしまった。
……そっか。そういうこと、なんだ。
笹巳ちゃんは、バラードさんのことが――。
その事実を勝手に認識して、どこか悲しくなる。
今のところ、全部私の想像でしかないけれど。
――好きな相手を傷付けなければいけない気持ちは、どれだけの痛みを彼女の心に与えてるんだろうか。
「……聖歌あんた、他人のこととなると鋭いよね」
「え、あ、はい……?」
いつの間にか、菫さんの視線が私に向けられていた。
思わず曖昧な返事を返してしまった私を他所に、菫さんは丸椅子を転がしてバラードさんと距離を取る。
「はい、治療終わり。他に用が無いならとっとと行きな。わたしはつまんない理由であんたのお姫さんに殺されるのは、ごめんだね」
「あっ、えっ、はい!? 殺され……!? さ、笹巳さんのことですよね? え、すみませ……!?」
ぺこぺこと慌てて何度も頭を下げながら、バラードさんが焦ったように立ち上がる。
丁度その時。
「……あ、聖歌。居た居た。わりぃ、今ちょっといいか? こないだの機体テストの結果なんだけどよ――あ゛??」
「ひっ!?」
「ぁ……しゅ、愁水さん……」
愁水さんが端末を手に、医務室に顔を出す。
反射的に照れてしまったけれど、愁水さんはバラードさんの顔を見た瞬間、何やら凄い声を出した。ドスのきいた、と言うか地獄の底から響く声。
その声と、明らかに不機嫌そうに眉を顰める愁水さんの様子にただならぬ気配を感じたのか、バラードさんは瞬時に悲鳴を上げ、菫さんと私にお礼を言いながらそそくさと医務室を後にした。
すれ違うように去っていったバラードさんの背中を、愁水さんがまだ睨んでいる。
どう、したんだろう。
「しゅ、愁水さん……? あの……?」
「……束縛激しい男は嫌われるよ、おにーさん。ただでさえあんたは重っ苦しいんだから気をつけな」
菫さんが今日一番の怠そうな声を上げた時、愁水さんがぎくりとしてこちらに向き直る。
その目は菫さんを見ておらず、私を捉えていた。
泳ぐような視線だけど、私を見ているのがわかる。
愁水さんと、好きな人と目が合っている事実に心臓が確かに高鳴る。
私の場合は、眼帯のせいで片目だけ、だけど。
でもこの塞がれた片目だって、この眼帯だって愁水さんが贈ってくれたものだから。
私の世界は、今日も愁水さんで構成されている。
「……空気悪くしてすまねえな、聖歌。ちょい、いいか。できれば格納庫で話してえから」
「は、はいっ……すぐ行きます……」
先程までとはうってかわって、いつもの不器用ながらも優しい声色に戻った愁水さん。
断る理由なんて無い私は、素直に彼の元へ駆けて行く。
菫さんに、最後に会釈を忘れずに。
愁水さんの隣を歩かせてもらいながら、思う。
先程の、笹巳ちゃんの話だ。
私は、愁水さんを傷付けるくらいなら――消えたって、この命を捨てたって、構わない。
彼が生きることが、彼が傷つかないことが、彼の幸せが、私の全て。
だからサポーターとして、愁水さんを支えられることなら何でもしたい。
それだけが、私の。
「……そうだよな。大事に、しねえとな」
「……? 愁水さん……?」
「……いや、こっちの話だ」
独り言のように突如呟かれた、彼の言葉。
意味を理解することは叶わなかったけど、彼の優しい声は、やっぱりどうしようもなく愛しかった。
〇
teller:菫=リヴクレイン
「……めんどっくさ……」
長い長い溜息と共に、わたしはデスクに上体を投げ出す。
二件連続で色恋沙汰に巻き込まれたようなものだ。
文句くらい、愚痴くらい、溜息という形で吐き出したって許されるだろう。
どうして、こうもわたしの周りには。
「菫さん、すみません……! 今、お時間大丈夫ですか? ちょっと怪我しちゃって……って、え゛、大丈夫ですか……?」
「あー……なんだ、カイトか……」
「あっ、はい……カイトです……?」
医務室に駆け込んできたのは、わたしの担当するファイター・カイト=ラックグライブ。
16歳の、素直でまっすぐな、少年らしい少年。
一応わたしとは、ファイターとサポーターの関係になる前からの知人だったりするのだけれど。
カイトは、だらしなくデスクに身を投げているわたしを不審に思ったのか、それとも単純に心配したのか、また同じ台詞を繰り返す。
「あの……菫さん、本当に大丈夫ですか? オレ、出直して来ましょうか……?」
「あー、大丈夫大丈夫……どーして世の中には告白する勇気はないくせに嫉妬だけはいっちょまえな人間がゴロゴロいるのか、純粋に疑問に思っただけ」
「え、はい?」
「うん、純粋な疑問。それだけだから、大丈夫。カイト、さっさと座って。怪我してるんでしょ」
「あ、はい……お願いしますっ」
律儀に頭を下げて、カイトは目の前の椅子に座る。
体力作りの訓練中に怪我を負ったのか、手から腕に裂傷の痕がある。と言っても、些細なものだ。
「……みーんな、カイトみたいにわかりやすく健康に怪我してくれればいいのにねえ」
「健康に怪我って……そんな言葉、あるんですか?」
「いや、無いとは思うけど。ただね、この世には不健康なもんが多すぎて、時々しんどくなるよ」
めんどくさいし、しんどい。
そんな中、わたしのパートナーは今日も真っ直ぐに、眩しいまんま。わかりやすく真っ直ぐな、年下の男の子。
そんな彼に時々自分が抱く、形の見えない感情については――今は、怠くて見ない振りをした。
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