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壊れて、
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しおりを挟むつーか、俺がいなくなって蒼とハッピーエンド…ってくそ反吐が出るシナリオになっているかと思えば、全く違う状況らしい。
(…ま、その原因はなんとなく想像がつかなくはないけどな)
あの女の笑顔の理由はこれだったってことか。
「ちりょう、だとおもってたのに」
「…ちりょう…?」
聞きなれない言葉に眉を寄せる。
ばかみたいに脳内で「?」が浮かんだ。
「くーくんがいなくなったあともおとうさんがいいっていったからってずっとしててせんせいもおれのためにひつようだっていってたから」
「…はぁ?」
とりとめのない台詞が、ぶつぶつぶつぶつとその小さい唇から流される。
目が合ってるはずなのに、目の前の相手が全然別世界にいるような違和感。
「おれをなおすためにくーくんとまたあうためにくーくんに…っ、くーくんにすきになってもらうためにひつようだっていってたからしてて、だけどほんとはぜんぶうそで」
あまりにも小さくて早口で聞き取りづら過ぎる言葉の羅列。
「ちょ、待てって」
「おかあおとうさのいない、とき、嫌だっていったのに、痛い痛いいやだっていってるのに、ごしゅじんさまとしらないひとがせんせいがおれのからだおしりのあなにぐちゃっておなかのなかぐりぐりぐちゅってしてあったかくてまずくてはきたくてはいてもらしてちっちゃいねってかわいいおちんちんだねたくさんいいことしよういまさらだろくーくんにばらすよってさわられて、さわってさわらされて」
「…っ、ぃ゛ーーッ!」
唐突に意味不明な呪文を呟き始め、殺す気かと思うほど腕を握る指に力が込められる。
肩を掴んだ爪に強く肌を抉られた。
「…っ、が、」
痛えええっつの!!切れた。なんか切れた。寒い。熱い。寒い。やばい。
「ッ、てめぇいい加減に、」
狂ってやがる。
離せ、冗談じゃねえ。と突き飛ばそうとした
…瞬間
「…っ、おれ、にさわっていいのはくーくんだけなのに。…ね、…へへ、」
怨念じみた声が徐々に熱を帯び、耳元で愛おしげな涙声に変わった。
「…ひっく…なんでみんな、じゃまするの?」
「…っ、」
「じゃま、されるのやだ、ね、おれもうはじめてじゃない?ちが、うちがくない、けどでもくーくんはおれを捨てないよね?すてない、すてない。すてないで…っ、いらないっていわないで汚いっていわないで嫌いにならないでこいびとにまだなれるよね?」
ひたすら初めてだの捨てないでだのよくわからないことをほざいていた。
ぼったぼった上から大粒の涙が降ってくる。
「だって、いま、さっきはちゃんときょぜつできた。…できたんだよ…っ、ちゃんとしなかった…っ!だから…」
嗚咽でしゃくりあげ、ぼろぼろ涙を零しながら縋るように俺の腕を握る。
”くーくん、大好き。だいすきだよ”
そう言ってただひたすらに抱き締めてくる家畜に対し、よくわからない苛立ちが頭を埋め尽くしていく。
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