手足を鎖で縛られる

和泉奏

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過去【少年と彼】

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「じゃあ、鎖外す、…ッ、!」


首輪と片方の手首の鎖を外した瞬間。

手探りで顔に触れてきた手が、頬を包み込む。

その瞬間、後頭部に回された手に勢いよく引き寄せられた。
熱い吐息と同時に言いかけた言葉ごと息を奪うように激しく重なる唇。
口内を貪られる。


「らま、れりな…ッ、も、らめ、られ…っ、」

「っ、」


だらしなく開いた唇の端から唾液を零しながら、まだ手首の鎖をひとつ外してないのに片方の手で首元の服を掴まれてさらに強く引き寄せられた。
限界だと訴える様に何度も何度も唇を押しつけてくる。


「…ッ、は…ッ、…ちょ、まーくん、もうちょっとだけ待って」

「や、やら…っ、おあるけ、やら…ッ、ん、んん…ッ、はわっれ、ここ、さわってぇ、」


流石に予想外だったから少し焦る。
息継ぎの合間になんとかして離れさせた。


泣きそうな顔をしたまーくんが俺の手を引いて自分の熱くなったソコに触れさせる。

太腿を閉じて脚をもじもじさせながら、必死に太ももを擦り合わせることで間の性器を摩擦しようとしていた。
その妖艶さにゴクンと喉を鳴らして、微かに指先で触れるとそれだけでビクン、と震えてほんの少しだけぴゅっと射精する。


「…ッ、いひ、て、てぇ、」

「…うん。そっちも取らないと痛いだろうからちょっと待ってって言ったのに」


枷を外していない方の手首が鎖に引っ張られたせいで痛みに歪む顔。

…どうだろう。本気で痛いのかな。少し疑問になってくる。
痛いはずなのにどうしてそんなに恍惚とした表情なんだろう。

本当にまーくんはそういう痛みも快感に変えちゃうなんて厭らしい子だな。
とりあえず誰のせいでこんな風になってるかということは意識から追い出した。



「あ、でも目隠しは取るの禁止」

「…ッ、らんれ…?」

「なんでも」


だめなものはだめ、と我儘な子どもをしつける親のような言葉を吐く。
少し文句があるような表情をして、でもすぐにそんな些細なことはどうでもよくなったのか手で俺の身体を弄り始める。


「…ッ、ん、あお、の舌、つめらくて、きもちい…っ、」

「…っ、は…っ、俺も、まーくんの舌熱くて気持ちいい」


やっと両手が自由になったまーくんが首元に腕を回して唇を重ねながら全体重をかけて押し倒してくる。
その熱をもった舌から全ての意識が移ってきそうな程、全力で舌を絡めてきた。

手が腰の辺りを弄って、服越しに俺の性器に触れる。


その瞬間歓喜の吐息を零して、顔を上げて下着を脱がせようとそっちに集中していた。
まーくんにしてはかなり珍しい雑さで脱がせて、でもそうやってキスしながらできないところがまーくんらしくてかわいい。

いつもとは全く違う妖艶さを目の当たりにして既に勃起していた俺の性器に手で触れて、目隠し越しにでもその光景が想像できたのかほうっと頬を染めながら身体の上に跨ってきた。
…本当、薬を打った後のまーくんは別人みたいに積極的になる。


「…ん、…しょ、」

「………」

「ッ、ひ、ぅ…うまく、できらい…っ、ぅ、うぇえ…ッ、はいんな…っ、ぃ…」


微かに震える手で一生懸命位置を固定しながら孔にあてがった。
寸止めされすぎて我慢できなかったのが丸わかりの表情でそこに飛びつくように腰を埋めていこうとして、
自分の孔と俺の性器の先端がうまく一致せずに、中途半端な格好でぼろぼろと泣きだしてしまった。


「…や、やらぁ…ッ、れきら…、い…っ、ひ…ッ、く」

「……はは、」


流石にこれ以上のおあずけは可哀想になってきて、でも泣きそうになって、一生懸命俺のをいれようとしてできなくて、そういうまーくんが凄く不器用で愛しい。
……可愛すぎて、少しだけ笑ってしまった。


「まーくん、そんなに泣かないで。俺がやってあげるから」


自分のを天井に向けて持って、位置を教える。
そしてやっとのことで、一致しずぶずぶと腰を埋めていった。

…相変わらずそこだけが別の生き物みたいに蠢いていてまーくんのナカはあったかい。


「ん゛、ん、…ひゃ、ッ、」


まーくんが無理に何かしようとしなくても、先端さえうまく入ってしまえば後は乗っている体重と重力によってグググと孔に性器が吸い込まれていく。
いつもより奥に入るのが辛いのか、少し顔を歪めて額から汗を流していた。


「あお、みらい、みたい…ッ、」


呂律の回らないまーくんが見たい見たいと(何をその言葉が示しているのかなんとなく把握した)言うから少し悩んで、さっき自分で見えない視界のなかで俺の性器に腰を埋めようと頑張る姿も充分堪能できたし、「…うーん、仕方ないな。解いていいよ」と目隠しを取る許可を与える。
シュルッと器用に紐を解いて外す指。


「…ッ!、ひ、ぁ…ッ、…は…ぁ、っ」

「…っ、」

「…ぁ、はいっらぁ、…」


体勢のせいで段々とすべて見えていた性器が孔に吸い込まれていって、最終的には全て見えなくなったのが少し下を向くだけでわかる。
…というか、あともう少しってところでまーくんが待てなくて無理矢理自分で腰を一気に落としてきた。

普段なら恥ずかしくて結合部を目に映さないまーくんが、今だけは待ち望んでいたものがようやく手に入った瞬間の子どものような表情で安堵に頬を緩めた。


挿入した途端イイところに当たったか、かなり軽い刺激にも関わらずぎゅっと俺のモノを締め付けて果てる。


「ん、んん…っ、ん、ふ…っぁ、」


俺が何もしないまま寝転がってるだけなのに、自分から孔に性器を飲みこんで腰を振る様子がかなりやばいくらい…クるものがある。
まーくんの弱点はわかりきっているから、動きで必死にその場所に後孔に埋め込まれた性器を角度を使って刺激を加えようとしているのが見てとれた。


「…ん、ん…ッ、は…ッ、ァ――ッ、」


ナカに入っているソレの先端や側面を前立腺めがけて擦り上げながら、挿入後4度目の空イキ。
…さっきからほとんどずっとと言って良いくらいナカがヒク、ヒクと痙攣を繰り返していて小さいのを合わせると何回イッたのかわからない。


でも、自分で腰を振るという行為だけの弱々しい刺激に物足りなそうに吐息を零した。
下からの刺激が全くないことに困惑したような、責めるような熱く潤んだ瞳を向けられる。


「…ど、して、ぇ、なんで、」

「…どうして欲しい?」

「おくに、おく、もっとあおいの、で、ゴリゴリって、ついてほしい…ッ、」



いつの間にそんな厭らしい言葉を使うようになったんだか。
…うん。本気でこのままだと俺もやばいかもしれない。



「ホント、エロいまーくんは最高だ、な…ッ」

「…っんひぃ…ッ?!!!!」



まーくんが腰を一瞬浮かした瞬間、手でその括れた腰を掴んで一度だけ下から思いきり腰をぶつけて突き上げた。
前立腺を抉る勢いで予告もなく突き上げられ、絶叫交じりの声。
でも、その一回だけで動きを止める。
ボロボロと快感と雪辱に流される涙が顔の上に降ってきた。



「ひ、ひ、ふ、…ッ、も、っかい、もいっかい、」

「うん。もう一回しよっか。ちゃんとおねだりできるまーくんは偉いし可愛いな」


もう既にダランとして自分の背中さえ支えられていないのに、高い高いをねだる子どものように呂律の回らない舌で快楽に溺れ切った顔を若干切なそうにしてお願いしてくる。
肩で息をしながら支えられない身体を俺の身体にもたれかけさせて、唇をくっつけてくる頭をよしよしと撫でれば、それだけでビクビクとモノを挿入している後孔が痙攣した。



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