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行為の後に
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しおりを挟むなんでそんな反応するんだろうと不思議に思って、見送っていれば
「うおお…!!なんだよ!!なんなんだよ!くっそ」
「ああもう、俺のパジャマ着て上目遣いでなんでか目が潤んでてちょっと風呂上がりでいい匂いするし…理性理性うおおお!!!」と地面に突っ伏している。
これ以上ないほど真っ赤になった俊介が、口をおさえてガルルと唸りそうな勢いで俺を睨み付けてきた。
凄い怒ってる。
そう思って、俊介にまで嫌われたら俺はもう生きていけないとまた涙腺が緩んできて「ごめ、」と謝ろうとすると「あのさ、」とちょっと真剣みを帯びた声が聞こえてくる。
顔を上げれば、俊介がじっと疑いの目で俺を見つめていた。
「俺が、付き合わない?って言ったの、忘れてる?」
「………」
その言葉に、記憶が蘇る。
…そうだった。
完全に蒼のことで忘れていた。
忘れるなんて失礼極まりないけど、本当に忘れていた。
あ、と声を出すと俊介がむっと眉を寄せる。
「だから、その俺のパジャマ着て、上目遣いで『一緒に寝よう』とか言われると、正直困るっつーか」とぶつぶつと小さく呟いた彼が、不意にこっちを向く。
「…推測なんだけど、今日、…その、服装が乱れてたのも、一之瀬に何かされたんじゃねーの」
「…っ」
「…やっぱり」
俊介の目が、視線を下げて…俺の身体の方に向いているのを感じる。
「……これも、アイツにつけられたんだろ」
「…っ、ぃ゛…ッ」
首筋のところを指でなぞるように強く押されると、すごくひりひりして寒気が走った。
(…確か、そこ…蒼に噛まれ…)
「…っ、ぁ……」
思いだして全身をビクッと震わせた俺に、はぁと息を吐いた俊介が近づいてくる。
安心させるように頭をぽんぽんと叩いてくれる。
頭の上でバウンドする手に、小さく俯いた。
「たぶん一之瀬はお前のことが好きすぎて、俺に告白されたお前を我慢できずに襲ったんだろ?告白された?」
「…違う。大っ嫌いって言われた」
「…なんだそれ」
俺の言葉に対して、冗談だろうと目を瞬く俊介にぶんぶん首を横に振ると、「なにやってんだあいつは」とため息まじりの声が聞こえた。
嫌い、と口にした瞬間にまた瞼の裏が熱くなる。
あああ、もう、やだ。
ぎゅっと唇をかみしめた。
これ以上、俊介の前で泣くわけにはいかない。
「…で、どこまでされたんだよ」
「……」
その問いに答えられずに俯くと、「…まさか、最後まで、…なのか?」と言われ、それが答えであるかのようにびく、と身体が震えてしまう。
「ぁ、お、おれ、…」話そうとしても、震えてしまってうまく言葉にならない。
こたえられずに俯くと、「…マジかよ」と呻くように零される。
短い沈黙と、「あー、クソ、」と大きなため息。
「…真冬は俺のせいじゃないって言ってくれたけど、多分俺のせいだと思うし。それを予測できずに余計なことを言った俺が悪い」
「わ、悪くない…っ、俊介は悪くないから、何も、」
違う、と否定すれば俊介は首を振った。
辛そうな表情をして、俺を見つめる。
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