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魔法少女

咲と未菜2

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 それは明らかに人では無い。未菜が召喚した何かであることは間違いない。であれば、咲が銃を撃たない理由は無かった。

 SG550を敵の頭に合わせ撃つ。セミオートから発射された3発の弾丸は、マネキンの頭を砕く。

 砕かれた頭から、白いゲル状の物質をまき散らして膝から崩れる。

「こんな脆い物じゃ勝てねーぞ」

 そして6体いたマネキンの頭部を10秒もかからずに弾き飛ばした。

「もっと」

 未菜は呟いて右手を頭上に掲げる。すると、20余りの炎が1列に整列しながら出現する。炎は揺らいで人型になった。20体のマネキンが1人に押し寄せる。

 咲は、SG550をセミオートからフルオートに切り替え、一気に弾丸を放出する。銃身の右側から排出される薬きょうは、流れる様に地面に落ちていく。

 敵に個体差などないが故に、右から左にスライドさせるだけで8割以上がそれぞれの頭部に着弾した。

 空になったマガジンを捨て、タクティカルベストから新しいマガジンを取り出し装填する。

 ガチャリとマガジンを差し込んだ瞬間、咲の両脇から白い腕が伸びてきた。その手は咲の二の腕のあたりから抱きしめる形で拘束した。

「逃がさないよ、お姉さん」

 未菜が言って、さらに炎を出現させた。1体1体は弱いとしても、数で押し切れると踏んだ未菜の作戦だった。

「こんなもんが拘束になるわけねーだろ」

 咲はその場に勢いよくしゃがみ込む。振りほどくのではなく、すり抜ける事で、あっさりと拘束から抜け出ることができた。

 そして、立ち上がる瞬間にコンバットナイフを抜くと、自分を拘束していたマネキンの左側頭部に突き立てる。
 腕をだらりと下げた事を死亡と判断し、コンバットナイフを引き抜くことなく捨て、ハンドガンを振り向きながら構える。

「無駄なんだよ」

 マネキンの数だけ引き金を引いた。

 無残にも横たわる無数のマネキンの中を歩く咲。

「これでわかっただろ。お前じゃ私には勝てない」

 未菜の目の前に立つ咲。

 未菜は、悔しさを滲ませた目で睨むと、左手に持つ出てッキを真横に振り抜いた。それが上手く当たれば、咲の腕にダメージを与える事が出来ただろう。

 しかし、

「こういう所も含めて無駄なんだよ」

 未菜のステッキをステアーの銃身で器用に受け止めたことで、最後の抵抗も無駄に終わった。
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