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「……っ、や……ぁ、……待って、くださ……」
白い手がするすると柔い腹の上を這う感覚に、思わず上擦った声が漏れる。あれほど感じていた暑さや息苦しさは薄れていたが、未だ身体にはほとんど力が入らない。両脚はいとも簡単に割り開かれ、その間に彼の身体を受け入れていた。浴衣の帯はすでに解かれ、もはや衣服としての役割はほとんど失っている。
「そんなに怯えなくとも、痛いことは何もしないよ」
「ひ、っ……ゃ、う」
淡々とした声が頭上から降り注ぐ。やわやわと触れる手つきは決して乱暴ではなく、むしろ繊細な動きでこちらの様子を窺っているようにも感じられる。掴みどころのないその動きが却って恐ろしかった。
「……っ!?ぁ、なに……っ」
不意に、下腹部を弄っていた手が足の付け根に触れた。熱を持ち勃ち上がりかけている自身を包み込むように握られ、ゆるゆると上下に扱かれる。滅多に触れられたことのない部分を自分以外の存在に触れられる感覚は、ただただ混乱と羞恥を駆り立てるばかりだった。
「ふふ、ちゃんと感じてくれているね」
「や、っ……だ、め……です、……っふ、ぅ」
「ねえ、周。私以外にこうして触れられたことはある?」
真っ直ぐに注がれる視線が肌を刺すようで、かろうじて動く首をふるふると横に振って答える。その返事に対して、彼は満足気に微笑んだ。
「そう、そうか……ふふ、それは嬉しい……とても嬉しい、な」
薄らと汗ばんだ首筋に唇が寄せられた。ちゅ、と軽く音を立てながら、口づけが首筋を辿って鎖骨から胸へ下りていく。唇が触れるだけで、背中に微弱な電流が走ったようだった。浅く上下する胸と腹の境辺りを軽く撫でられるだけでぞくぞくとした感覚が走り抜ける。彼の手はそれ以上何をするでもなく肌の質感を確かめるように柔らかく触れ続けた。ひたひたと逃げ場のない熱が理性を追い詰めるように底から湧き上がってくる。
「……っ、ひ!?ぁ、っ……ん、ぅ」
「我慢しなくていいよ、君の良いところを私に教えて」
指の腹が鈴口を擦り、先走りで濡れそぼった先端を丹念に弄ぶ。ぐち、と湿った音が響く度に、ずくりと腰が重くなるような甘い痺れが訪れた。
「ん……っ、ゃ、そこ……っ」
指先が敏感な部分を掠めると、反射的に上擦った声が漏れた。張り詰めた陰茎はもう限界を迎えていた。自然と腰が浮き上がり、訪れる絶頂に耐えようと身体が強張る。かり、と爪が先端に立てられた瞬間、瞼の裏が白く弾けた。
「ふ……っ、ぁ、あ……――ッ」
びく、と独りでに背中がしなり、呆気なく自身から白濁の液が溢れ出す。腹の上を粘ついた液体が滴り落ち、温かい感触を残した。吐精の余韻に全身の力が抜け、乱れた呼吸が掠れた音となって喉を震わす。
「ふふ、気持ちよくなってくれて嬉しいよ」
「……っは、ぁ……や、ひっ!?」
達したばかりの気怠さに浸る暇もなく、彼の手が吐精したばかりの自身を握り込んで根元から絞り出すように扱き上げる。鋭敏になった部分に強すぎる刺激を与えられて涙がじわりと滲み、さらに視界がぼやけ始めた。懸命に彼の手を掴んで抵抗しても、力の抜け切った身体では弱々しく爪で引っ掻く程度のことしかできない。
「っや、やめ……っ、ぁう……!」
「さあ、今度は自分で触ってみようか」
「っ、え……?ぁ……んッ」
抵抗を試みていた手を取られ、透明な先走りが滴り落ちる自身に導かれる。柔らかく手を重ねられ、まるで真似をしろとでも言うかのように包み込んだ手が上下に動かされる。
「そう、上手……そのまま自分でしていて」
耳元に寄せられた唇が甘く唆す。その声に操られるように手が動き、搾り取るように根元から先端までゆっくりと擦り上げてしまう。時折指が括れの部分に引っかかるだけで勝手に腰が浮き、堪え切れなかった声が口の端から零れた。
「は……っ、ぅ、く……ッあ!?」
出し抜けに彼の指が後孔に触れた。ぬるりとした液体が窄まりに塗りつけられ、円を描くように縁をなぞられる。
「ぁ、やっ……なに、を……」
くぷ、と指先が窄まりの中心に入り込み、浅い部分を搔き混ぜるように蠢く。くすぐったさとも違う落ち着かない感覚に内腿が強張った。ほんの爪先ほどを埋め込んだ指が少しずつ内壁を広げるように中へ埋め込まれる。
「……大丈夫、気持ちいい部分に集中してごらん」
「ふ、ぁ……♡ッん、ゃ……♡」
後孔に埋められた指がゆっくりと何かを探るように動く。少しずつ奥へ押し込まれる指がある一点を掠めた瞬間、びりびりと四肢の先まで甘い痺れが駆け抜けた。ひ、と声にならない音が喉から漏れ、思考が四散する。
「ここが良いの?」
「んぅ、……ぁ♡ッや、なん、れ……っ♡」
その場所を執拗に刺激される度に、いやに切ないような感覚が広がって身体が疼く。指が少し動くだけで全身の神経が震えるようで、息をつくことすらままならない。
「ふふ、いい子。ゆっくり息をして……そう、上手」
「はっ、ぁ……♡あぅ、ッん……ふ、ぅ♡」
穏やかな声に従って深く呼吸をすると少しずつ意識が落ち着いてきた。内襞が絡みつくように指へと吸いつき、腹の奥からじくじくと何かが染み出すような奇妙な感覚に襲われる。
「一度達してしまおうか。ほら、手は止めないで」
「ひ、ッ……ん♡ぁ、あ、っ……~~っ♡」
他人に見られながら自身を慰める感覚はひどく倒錯的で目眩すら覚えそうだった。ぐちゅぐちゅと濡れた音を立てながら絶頂へと追い詰められ、この状況に対する違和感や羞恥心までもが快感へと変わり始めていた。瞼の裏にちかちかと光が瞬き、それに合わせるように一際強く感じる箇所を擦り上げられる。蕩けそうな快楽に全身が支配され、不思議な浮遊感に包まれた。
「ん、ぁ♡あっ、い……くっ♡ぁ……――ッ♡」
悲鳴じみた声が喉から溢れ、押し寄せる波のような快楽に爪先がきゅうと丸まる。びゅる、と握り込んだ自身から勢いよく精が迸った。二度、三度と押し出されるように零れた白濁が手や腹を伝ってとろりと垂れる。
白い手がするすると柔い腹の上を這う感覚に、思わず上擦った声が漏れる。あれほど感じていた暑さや息苦しさは薄れていたが、未だ身体にはほとんど力が入らない。両脚はいとも簡単に割り開かれ、その間に彼の身体を受け入れていた。浴衣の帯はすでに解かれ、もはや衣服としての役割はほとんど失っている。
「そんなに怯えなくとも、痛いことは何もしないよ」
「ひ、っ……ゃ、う」
淡々とした声が頭上から降り注ぐ。やわやわと触れる手つきは決して乱暴ではなく、むしろ繊細な動きでこちらの様子を窺っているようにも感じられる。掴みどころのないその動きが却って恐ろしかった。
「……っ!?ぁ、なに……っ」
不意に、下腹部を弄っていた手が足の付け根に触れた。熱を持ち勃ち上がりかけている自身を包み込むように握られ、ゆるゆると上下に扱かれる。滅多に触れられたことのない部分を自分以外の存在に触れられる感覚は、ただただ混乱と羞恥を駆り立てるばかりだった。
「ふふ、ちゃんと感じてくれているね」
「や、っ……だ、め……です、……っふ、ぅ」
「ねえ、周。私以外にこうして触れられたことはある?」
真っ直ぐに注がれる視線が肌を刺すようで、かろうじて動く首をふるふると横に振って答える。その返事に対して、彼は満足気に微笑んだ。
「そう、そうか……ふふ、それは嬉しい……とても嬉しい、な」
薄らと汗ばんだ首筋に唇が寄せられた。ちゅ、と軽く音を立てながら、口づけが首筋を辿って鎖骨から胸へ下りていく。唇が触れるだけで、背中に微弱な電流が走ったようだった。浅く上下する胸と腹の境辺りを軽く撫でられるだけでぞくぞくとした感覚が走り抜ける。彼の手はそれ以上何をするでもなく肌の質感を確かめるように柔らかく触れ続けた。ひたひたと逃げ場のない熱が理性を追い詰めるように底から湧き上がってくる。
「……っ、ひ!?ぁ、っ……ん、ぅ」
「我慢しなくていいよ、君の良いところを私に教えて」
指の腹が鈴口を擦り、先走りで濡れそぼった先端を丹念に弄ぶ。ぐち、と湿った音が響く度に、ずくりと腰が重くなるような甘い痺れが訪れた。
「ん……っ、ゃ、そこ……っ」
指先が敏感な部分を掠めると、反射的に上擦った声が漏れた。張り詰めた陰茎はもう限界を迎えていた。自然と腰が浮き上がり、訪れる絶頂に耐えようと身体が強張る。かり、と爪が先端に立てられた瞬間、瞼の裏が白く弾けた。
「ふ……っ、ぁ、あ……――ッ」
びく、と独りでに背中がしなり、呆気なく自身から白濁の液が溢れ出す。腹の上を粘ついた液体が滴り落ち、温かい感触を残した。吐精の余韻に全身の力が抜け、乱れた呼吸が掠れた音となって喉を震わす。
「ふふ、気持ちよくなってくれて嬉しいよ」
「……っは、ぁ……や、ひっ!?」
達したばかりの気怠さに浸る暇もなく、彼の手が吐精したばかりの自身を握り込んで根元から絞り出すように扱き上げる。鋭敏になった部分に強すぎる刺激を与えられて涙がじわりと滲み、さらに視界がぼやけ始めた。懸命に彼の手を掴んで抵抗しても、力の抜け切った身体では弱々しく爪で引っ掻く程度のことしかできない。
「っや、やめ……っ、ぁう……!」
「さあ、今度は自分で触ってみようか」
「っ、え……?ぁ……んッ」
抵抗を試みていた手を取られ、透明な先走りが滴り落ちる自身に導かれる。柔らかく手を重ねられ、まるで真似をしろとでも言うかのように包み込んだ手が上下に動かされる。
「そう、上手……そのまま自分でしていて」
耳元に寄せられた唇が甘く唆す。その声に操られるように手が動き、搾り取るように根元から先端までゆっくりと擦り上げてしまう。時折指が括れの部分に引っかかるだけで勝手に腰が浮き、堪え切れなかった声が口の端から零れた。
「は……っ、ぅ、く……ッあ!?」
出し抜けに彼の指が後孔に触れた。ぬるりとした液体が窄まりに塗りつけられ、円を描くように縁をなぞられる。
「ぁ、やっ……なに、を……」
くぷ、と指先が窄まりの中心に入り込み、浅い部分を搔き混ぜるように蠢く。くすぐったさとも違う落ち着かない感覚に内腿が強張った。ほんの爪先ほどを埋め込んだ指が少しずつ内壁を広げるように中へ埋め込まれる。
「……大丈夫、気持ちいい部分に集中してごらん」
「ふ、ぁ……♡ッん、ゃ……♡」
後孔に埋められた指がゆっくりと何かを探るように動く。少しずつ奥へ押し込まれる指がある一点を掠めた瞬間、びりびりと四肢の先まで甘い痺れが駆け抜けた。ひ、と声にならない音が喉から漏れ、思考が四散する。
「ここが良いの?」
「んぅ、……ぁ♡ッや、なん、れ……っ♡」
その場所を執拗に刺激される度に、いやに切ないような感覚が広がって身体が疼く。指が少し動くだけで全身の神経が震えるようで、息をつくことすらままならない。
「ふふ、いい子。ゆっくり息をして……そう、上手」
「はっ、ぁ……♡あぅ、ッん……ふ、ぅ♡」
穏やかな声に従って深く呼吸をすると少しずつ意識が落ち着いてきた。内襞が絡みつくように指へと吸いつき、腹の奥からじくじくと何かが染み出すような奇妙な感覚に襲われる。
「一度達してしまおうか。ほら、手は止めないで」
「ひ、ッ……ん♡ぁ、あ、っ……~~っ♡」
他人に見られながら自身を慰める感覚はひどく倒錯的で目眩すら覚えそうだった。ぐちゅぐちゅと濡れた音を立てながら絶頂へと追い詰められ、この状況に対する違和感や羞恥心までもが快感へと変わり始めていた。瞼の裏にちかちかと光が瞬き、それに合わせるように一際強く感じる箇所を擦り上げられる。蕩けそうな快楽に全身が支配され、不思議な浮遊感に包まれた。
「ん、ぁ♡あっ、い……くっ♡ぁ……――ッ♡」
悲鳴じみた声が喉から溢れ、押し寄せる波のような快楽に爪先がきゅうと丸まる。びゅる、と握り込んだ自身から勢いよく精が迸った。二度、三度と押し出されるように零れた白濁が手や腹を伝ってとろりと垂れる。
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