【BL】欠陥Ωのオフィスラブストーリー

カニ蒲鉾

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3【招待という名の呼び出し】

3-31混じり合い(3)※

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 息も絶え絶えに重い瞼を震えさせながら薄ら開けた視界はぼんやりと白くもやがかって見える。
 
 何度も瞬きを繰り返し少しずつ鮮明になるにつれて視界いっぱいにうつりこむのは、最後に見た景色と何ら変わらない僕を見下ろす楓真くん。
 「大丈夫?」と尋ねる優しい声にこくりと小さく頷けば、目にかかる邪魔な前髪を払ってくれるついでに頭も撫でられ少しばかり呼吸に落ち着きが戻ってくる。
 
 
「落ち着きました?」
「……ん」
「よかったフェロモンも薄まってる」
 
 
 そう言われて初めて、さっきまで感じていた体の熱が嘘みたいに楽になっていることに気がついた。
 
 
「僕、意識飛んでた?」
「一瞬だけ。最後上手にイケましたね」
 
 
 よしよしとお腹を撫でる手がまだ中にいる楓真くんを意識させ、「んぅ」と声がもれてしまう。
 そんな僕に「かわい」と呟く声と表情が相変わらず甘々だった。
 
 
 よいしょ、と手を引っ張られ体を起こして導かれる楓真くんの膝の上。
 体勢を変えながらも未だ繋がったまま、ずっと見上げていた顔が今は上目遣いで見上げてくるのを向かい合いながらまじまじと見下ろす。
 
 
「さっきは意地悪言ってごめんなさい、俺で気持ち良くなってくれるのが嬉しくて可愛くてちょっといじめちゃった」
「……意地悪だった」
「あぁ~すみませんすみませんっつかささんが悪い子なんて嘘です、ありえません!つかささんは世界一いい子です」
「いい歳していい子っていうのも…って感じだけど」
 
 
 じとー…っと目を細める僕に、さっきまでのSっけが完全になりを潜めた楓真くんが必死に取り繕いぎゅうと抱きしめてくる。そんな背中を弱々しく抱き締め返していると不意に中の存在が再び存在を示し、ビクッと僅かに体が反応してしまう。
 なんでまた急に、と思いながらもなんともないよう誤魔化そうとするが、それを見逃さないのが楓真くんの流石とも言えるところで――

 首筋でふっと笑う吐息を感じる。
 
 
「つかささんのここ、俺の事大好きぃってアピールしてくれてる」
「~~っ」
 
 
 下から小刻みに揺すられ、洩れそうになる声を必死に我慢しながらも、やられてばかりは悔しい。
 涙が滲む目にキッと力を込めた、次の瞬間――楓真くんを頭ごと抱き込むと下半身に全身全霊で集中する。
 
 
「っ、あなたって人は――!」
 
 
 ぐねんぐねんうねる中の動きに不意打ちのように一瞬息を呑む楓真くんにしてやったりと笑うも、自分もゾクゾク感じてそこまで余裕は無かった。
 
 
「は、っ…ん、ぁ、……ね、僕の、気持ち……っ、伝わった?」
「っは、はは―――最高っ」
「んあぁっ」
 
 
 汗が滴る肉体美と息を飲むほど綺麗な顔を見下ろしながら強く下から座面で貫かれる快感に一気に絶頂をむかえ、本日何度目かわからないそれはもはや吐き出すものもなく、お腹の中に広がる最新の熱い濁流を終始ビクビク体を震わせながら受け止めていた。
 
 
 感じてる時のだらしない顔を見られるのは心底嫌なのに、本当に嬉しそうに目に焼きつけるように見守る楓真くんを目にしたらまぁいいか…と、素直に気持ちいいという感情を晒せるようになったのは、いつの頃からか……

 
 大好きだと、愛されてると、骨の髄までわからせてくれる、楓真くん。
 
 
 
「―――大好き」
 
 
 

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