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07: 誘拐される少年の話 6
しおりを挟む「んっ、うっ……は、ぁっ」
唇が触れ合い、口を開けろと催促するように舐められる。
おずおずと少しだけ口を開ければ、あたたかな舌が唇を割ってはいってきた。
「……んっ、れすたー」
「こっちに集中してろ」
「ん、ふぁ……っ」
舌を絡める深い口づけに、少年の理性がとろんと溶けていく。
魔王を見つめる深緑の瞳は生理的な涙で潤み、その気持ちよさにうっとりとした表情でゆっくりと瞼が閉じられた。
甘く執拗な口づけで少年の意識をそらし、少年の身体を成長させるために魔力を流す。
やわらかな魔力が少年の全身を包み込み、すみずみまで行きわたっていく。
時の魔術で強引に成長させられる身体。
だが痛みや不快感はまったくない。
少年は抵抗することなくその魔力に身をゆだねた。
魔王の首にからまっていた腕が徐々に伸び、全身も同じようにゆっくりと大人の身体へと成長していく。
髪の毛も少しずつ長くなり、亜麻色の髪の毛が波をうつようにシーツの上に広がった。
「気分は?」
頭を撫でるように髪をすくい、こめかみ、瞼、頬へと唇で触れていく。
その度に少年の身体がびくびくと震える。
「んっ、だ、いじょう、ぶ、……ん、んっ」
大人の身体にはまだ慣れていなくて違和感があるが、気分が悪いわけじゃない。
むしろ逆になんだか敏感になったような気がする。
魔王の手が肌の上をすべるたび、少年はあられもない嬌声をあげた。
「は……っ、あっ、れ、れすたぁ……あっ!」
のけぞった咽喉に軽く歯をあてられ甘噛みされ、乳首をかりかりと引っかかれる。
指先で摘まんだあと、押しつぶすように捏ねられると、そこから全身に快感が走った。
最初は何も感じない場所だったのに。
抱かれるたびに何度も弄られて、少しずつそこで快感を拾えるようになっていた。
「あっ、あぅっ……あっ、あぁ……」
「かわいいなぁ、アンタ」
「ひぅっ、れ、れすたぁ……そ、そこぉ……そこで、しゃべら、ないでぇ……」
ぷくりと尖った乳首に顔をよせ、じゅっときつく吸われる。
舌で執拗に刺激され、ときおり軽く噛まれると、腰が甘い疼きに襲われた。
反対側も指でくにくにと刺激され、爪を立てられるとびくりと背中を仰け反らせた。
つま先がシーツを蹴る。
だが魔王が覆いかぶさっているため、上手く快感を逃せない。
魔王の首に回している手が彼の髪をにぎりしめる。
「だいぶここで感じるようになってきたな。気持ちいいか?」
「ん、んっ、んんっ」
魔王が問えば、少年はこくこくと首を縦に振った。
気持ちがイイ。
刺激されるたび身体が震える。
けれど、気持ちがよすぎてうまくしゃべれない。
口を開けば甘い喘ぎ声が出てしまう。
「ここだけでイけるようになるには、まだもうちょっとかかりそうだなぁ」
「やあ、あぁ、ぁっ!」
ずいぶん感じるようになったが、まだ胸への刺激だけではうまくイけないようだ。
すっかり勃ち上がってる少年のものに手を添えて緩く扱く。
先走りでぐっしょりと濡れていたが、吐精にまでには至っていない。
「レスター……」
「後ろ、慣らそうな」
涙で潤んでいる目尻に口づけると、深緑の瞳が魔王を見上げた。
少年から身体を離し、彼の足を掴んでぐいっと大きく開かせる。
何もない空間から香油の入った瓶を取り出し、少年の後ろに垂らす。
慎ましやかに閉じている後ろに指で塗りつける。
その刺激で少年の足が揺れる。
ゆっくりと指を押し込むと、くちゅりと音を立てて魔王の指を飲み込んだ。
「は……うぅ、うっ……んんっ……」
快感を堪えるように少年の眉がより、口から息がもれる。
ベッドに投げ出されていた少年の手が、少年の長い髪ごとシーツを握りしめた。
「こっちもいい具合に蕩けるようになったなぁ」
「あ、あぁ……っ、い、いわないで……」
「アンタが感じるの、この辺だろ」
「あ、あっ、あぁ、あぁ、ん、んっ」
指を増やし抜き差ししながら、中をかきまぜ、感じるところをとんとんと刺激する。
二本の指で挟んでくにくにと捏ねてやれば、面白いくらいに少年の身体がはねた。
強すぎる快感に、少年の瞳から無意識に涙がこぼれ落ちる。
シーツを握りしめ、少年の背が弓なりに反る。
刺激にガクガクと腰を揺らすたびに、少年の勃ち上がったものから先走りが溢れだした。
「れ、すた……れすたぁー……」
「一回、ナカだけでいってみな」
「やぁ……む、むりぃ……」
「大丈夫だって。ここの気持ちイイとこ、いっぱい弄ってやるから」
「あ、あ、あ、あぁ……やぁ……っ!」
少年の目尻に溜まった涙を舌で拭ってやりながら、後ろを弄る指を動かす。
ぐちゅぐちゅと水音が鳴る。
快感を拾い上げ、中にある魔王の指をギュゥっと喰い締める。
「あ、ああっ……んん~~~っ!」
ビクン、ビクンと身体がはね、少年は後ろの刺激だけで達した。
絶頂の余韻で身体が震え、少年の身体がくたりとベッドに沈む。
「上手にイけたな」
全力疾走したかのように、はぁ、はぁと呼吸を繰り返す少年の額に、魔王は口づけをする。
涙で潤んだ瞳が魔王を見上げていた。
「れすたぁ……」
「もうちょっとがんばろうな」
「あ……ぁっ、ん、ん……」
後ろから指が抜かれ、力が抜けた足を持ち上げられる。
したたらずな話し方で名前を呼ぶ少年に笑みをかえしながら、魔王が体重をかけ中に入り込んできた。
圧倒的な質量をもって、じわじわと少年の中を押し開いていく。
「……やぁ……ッ!」
中の感じるところを、魔王のものが動くたびに刺激する。
濡れた音とともにそこを突かれると、少年の咽喉が震え、喘ぎ声が漏れる。
過ぎた快楽に身を捩ろうとするが、魔王の手ががっちりと少年の腰を掴んでいて、逃げられない。
「あ、あぁ……あっ、あ……!」
「こら、逃げんな。まだ全部入れねぇから、奥進ませろ」
「やぁ……っ、む、むりぃ……はいら、ないよぉ……あ、ああっ」
「大丈夫だって。ほら、もうここまで入った」
シーツを握る手を外され、少年の筋肉のあまりついていない薄い腹へと移動させられる。
このあたりと、魔王の手を添えられて腹の上から押さえさせられた。
魔王のものが中を動くたび、指先にその振動を感じる。
「う、うぅ……う、うそだぁ……ここ、まで、はいってるのぉ……?」
信じられなくて、少年の瞳から涙がぼろぼろとこぼれる。
あやすように頬に口づけ、涙をなめとられた。
「そうだ。上手く呑み込めてる」
「あ、あぁ……やだぁ……も、う、うごくなぁ……」
「今日はここまでな。次はもっと奥に入れる」
「ひゃ、あっ、あぁっ……あ、あ、んっ!」
「そのままそこ、押さえてろ」
魔王の手が離れ、所在なさげに揺れていた足を掴まれる。
つま先が天井を向くくらい足を折りたたまれ、魔王が上からのしかかってくる。
だが宣言した場所より奥へは進まず、少年が気持ちよくなれるようにイイところばかり刺激する。
言うことを聞かなくてもいいのに、少年は腹の上から指を動かせず、中の魔王の動きを感じさせられていた。
自身のものから滴り落ちる先走りが、少年の指を濡らす。
気持ちよすぎて呼吸がうまくできない。
シーツを握りしめていた手が縋るように魔王にのばされる。
それに気づいた魔王は少年の足から片手を外し、指を絡めるようにして少年の手を握りしめた。
「れ、れすたぁ……れすたぁ……」
「ん?」
「も、もぅ、むりぃ……あたま、ぐちゃぐちゃになる……っ!」
「ああ、一緒にイこうな」
魔王の腰を動かすたび、チカチカと目の前が光っている。
掴まれている太ももがずっと痙攣し、止まらない。
唇を塞がれ、魔王の舌が中へと入ってくる。
舌を絡ませられ、ただでさえ苦しい息が、よりいっそう苦しくなる。
「ん、んん~~~ッ!」
魔王のもので中の一番気持ちいいところを穿たれ、頭が真っ白になるほどの強烈な快感に、少年が背を反らして絶頂をむかえた。
触れられていない前からびゅっびゅと吐精し、少年の腹にかかる。
搾り取るような中の締め付けを堪能しながら、魔王も少年の中へと精を吐き出した。
少年の咥内を嬲っていた舌を抜き唇を離して顔を上げる。
「あ、やべっ。やりすぎたか」
頬を紅くそめて目尻から涙をこぼす少年は、瞼を閉じ、ぐったりと気を失っていた。
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