月泥棒のマティルダ

藤夜アキ

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月泥棒のマティルダ

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 ミストアンの町から月が消えたのは、1489年の暮れのことでした。
 酷い流行り病がようやく収まった頃でしたから、町の人たちの心中は、いよいよ尋常ならざるものになりました。
 町長のネザルは、先の流行り病に倒れた父、ウォーレンの跡を継いだばかりで、この不測の事態にどう対処すべくか悩み、アルベドを呼び戻すことに決めました。

「よく帰ってきてくれた。本当に嬉しいよ」
 執務室で軽くハグを交わすと、ネザルはそう言いました。長らく父のウォーレンを支えてきたアルベドでしたが、晩年になって突然、追放されたので、戻ってきてくれるのか、ネザルには心底不安だったのです。
「坊ちゃま、いえ、町長、私(わたくし)の命はミストアンとスミソノ家に捧げるとお誓い申し上げましたゆえ、このようにして再びお側に置いて下さることこそ、何よりの喜びにございます」
 薄紫のハンケチで目元を拭う様を見て、ネザルはようやっと安堵することが出来ました。そしてまた、その忠義心に報いるべく、今度こそ良き当主であろうと、心に誓ったのです。
 ネザルが手前のソファに座るよう勧めると、アルベドは静かにかぶりを振りました。彼はお決まりの場所にいたいのだと、ネザルにはすぐに分かりましたから、それ以上は何も言いませんでした。
「それでアルベド、いきなりで申し訳ないが、この町で月が消えた件について、お前の考えを聞かせてほしい。聞けば、隣町のシフェーでは、普通に月が見えるという。流行り病が猛威を振るったのは、どちらの町も同じ。こことあそことで何が違うのか、お前なら何か分かるのではないか」
 アルベドは小さく頷くと、執務室の左手にあるオークの本棚の戸を開けると、真ん中の棚から古めかしい書物を取り出しました。用紙の状態からして、軽く数十年は前のものだろうとネザルは思いました。父は彼を執務室には入れても、備品に触れることは許しませんでしたから、それを見るのは今日が初めてでした。
 パンパンと軽く埃を払ってから、アルベドは本の表紙を開きます。乾いた紙がパリパリと音を立て、あまり状態の良くないことを告げました。何ページもめくった後、彼は本を半回転させ、ネザルの前に置きました。
「これはあなたのお爺さまの頃、同じように月が消えた時のことについて記したものです。私の母、フィーレが直に見聞きしたことをまとめてあります。まずは、これに目を通してくださいませ」
 ネザルはところどころ滲んだインクの文字を追いかけました。知性と気品を感じさせるその文字は、するすると彼の頭に入っていきます。
 それによると、1446年の暮れ、今と同じように、ミストアンの町から月が消えたというのです。雲一つない夜空に月が全く見えないのは、人々の心に不安な影を落としました。恐れ惑う人たちの精細な描写は、まさに今ミストアンを覆うそれに酷似していました。
 事態を重く見た時の町長、エドアンは、やはり今と同様、スミソノ家に仕えていたアルベドの父、ミクタスに知恵を借りました。ミクタスの言によれば、この町の月は、月泥棒によって盗まれたというのです。
「つ、月泥棒?」
 思わずネザルは声を上げました。そんな言葉はおとぎ話には出てきても、大人になってから聞くとは思わなかったからです。
「滑稽な話に思うかもしれませんが、どうか最後まで、しっかりお読みになってください」
 ネザルの胸中には複雑なものがありましたが、アルベドの心に報いるとつい先ほど決意したことを思い出し、ふたたび本に目を戻しました。
 月泥棒の話は、ミクタスの生まれ育った村で語り継がれていたものでした。村が疫病や土砂崩れに見舞われ、酷い被害を受けた年の暮れ、月が数日にわたって消えるのは、月泥棒の仕業だと伝えられていました。それは滑稽な話ではありましたが、その滑稽さゆえに、村では月のないことを明るく受け止められ、月が戻るのを気長に待つことができたというのです。
 ミクタスがそのことをエドアンに伝えると、半信半疑ながらも、エドアンはその言葉を信じ、町の人たちには必ず月は戻るから、それまでは極力空を見上げないように、と歩いて伝え回りました。その甲斐あってか、町にはそれ以上の不安が蔓延らず、言葉通りに月が戻ったこともあり、人々はその不可思議な現象を忘れてしまいました。
 それより先のページには、もう別のことが書かれていたので、ネザルは本を閉じました。
「しかし、これほど印象的なことがあったというなら、お前だけでなく、覚えている者はいそうだが……」
 組んだ両の手に顎を乗せて、ネザルはアルベドに言いました。
「ええ、なんなら私も直接そのことを見たことがあるはずなのです。けれど、どうにも覚えておりません。年のせいかとも思いましたが、どうやらそのようでもなく。私がこのことを知っていたのは、私が母の手記を読んだことがあったからなのです。月泥棒の仕業は、過ぎ去ると記憶から抜け落ちてしまう、ということなのでしょう」
 何とも不可思議な話だ、とネザルは思いました。しかし、かえってそのことが、月泥棒の存在を信じさせてくれるような気がしました。
「よし、アルベド。明日以降、祖父のした通り、町の人たちを安心させに回りたい。どのように伝えれば信じてもらえるか、一緒に考えてもらいたい」
 ネザルが熱意のこもった声で伝えると、アルベドは思わず目を瞑り、再び頬を濡らしました。

 言い伝えの通り、ミストアンの町には月が戻りました。まるで、最初からあったように輝いています。
 ネザルは毎日日記をつけていましたが、月が消えていたという頃のことだけは、どうにも自分で書いたという実感を持てないでいました。まるで、この頃だけ代筆を頼んだような、そんな気がするのです。
 それでも、寝室の窓から差し込む月明かりが照らすのは、確かに自分の筆跡です。
「あの月が丸ごとなくなっていたなんて、とても信じられないな」
 ネザルがそう独りごちた瞬間でした。
 傍で大きな物音がしました。まるで、何かが落っこちてきたような。ネザルが窓を開けると、すぐ左手に若い女性が、屋根の上で腰をさすっているのが見えました。この町はおろか、どこの町でも見たことのない、真っ赤に燃える長い髪が、すっとネザルの心に入り込んできました。
「そんな所で何をやってるんだ」
「バランスを崩して落っこちたの」
「落っこちた……ってどこから」
「空よ、空」
 そう言って彼女は真上を指差しました。
「まさか君、月泥棒じゃないだろうな」
 きっと盗人か何かだろうと思いつつ、ネザルは戯れにそう尋ねてみました。
「ありゃ、あたしのこと、知ってるの? まずいなぁ、おばあちゃんに怒られちゃう」
「じょ、冗談のつもりで言ったんだが、まさか君、本当に月泥棒なのか?」
 自分で言っておきながら、ネザルはそのことを信じられませんでした。
「ええ、そうよ。あたし、月を返して帰る途中だったの」
 彼女が胸に手を当てて自慢気に語ると、紅い髪が揺れ、それが月泥棒だと確信させました。
「ねえ、あなた、ちょっと休ませてもらって良い? 本当はすぐ帰らなきゃいけないんだけど、見ての通り、腰をきつく打っちゃって、すぐには戻れなさそうだから」
 何かされるんじゃないだろうか、とは思いつつも、ネザルは彼女に聞きたいことがあったのもあって、彼女を窓から部屋に引き入れました。
 間近で見てみると、マティルダは実に美しい容貌をしていました。その身体からは、仄かに光の粒子がこぼれているようにも見えました。
 ネザルは彼女をベッドの上に座らせると、その疑問について尋ねることにしました。
「一つ、気になってることがあるんだが、聞いても良いかい?」
「ええ、良いわよ」
 彼女があっさり答えるのを聞いて、ネザルは何だか拍子抜けな気がしました。さっきの言いぶりからすれば、月泥棒については何もかも秘密な気がしたからです。
「月泥棒はどうして月を盗むんだい? しかも、決まって村や町が弱った頃に」
「そもそも、あたしたちが月泥棒、って呼ばれてるのが変なの。誰がそう呼んだのか知らないけど、あたしたちは泥棒じゃないもの」
「だったら何だって言うんだ」
 ネザルは少し語気を荒げてしまったことを恥じて、「すまない」と謝りました。マティルダは特に顔色を変えませんでした。
「あたしたちの正しい呼び名は、月磨き。太陽と違って、月はくすんでいくから、時々磨いてあげないといけないの。月がくすんで、その輝きが失われると、人にとって良くないことが起こるのよ」
「なら、君たちが月を奪う、いや、月を一度隠すのは、その輝きを取り戻させるためなのか」
「ええ、そうよ」
 マティルダは力強く頷きました。その瞳に、ネザルは月磨きとしての矜持を感じ取りました。
「そうか……これからミストアンが平穏に暮らせるのは、君のおかげなんだな」
 ネザルがそう言ったのを聞いて、マティルダはほんの刹那、驚いたような顔をして、それから口元を緩めました。彼には、気付かれないようにして。
「でも、そんなに尊いことをしてくれるなら、どうして僕たちに黙ってやったり、その記憶をなくさせたりするんだ?」
「月磨きの仕事は、とっても神聖なものなの。よく心を研ぎ澄まして、静かに秘かにしなくちゃならないから、人に知られて、騒がしくなるのはごめんだって、昔からのしきたり。あたしは別にそこまで堅苦しく考えてないけど、伝統って大事でしょう?」
 ネザルは納得して、「その通りに思うよ」と首肯しました。そして最後に残した質問についても、尋ねてみることにしました。
「もう一つ聞きたいんだが、ミストアンでは消えた月が、どうしてシフェーでは普通に見えたんだ?」
「月って一つじゃないのよ。ミストアンにはミストアンの月、シフェーにはシフェーの月があるの。よく見れば分かるものよ。ミストアンの月と、シフェーの月とは違うって」
 マティルダがそう言い終えた頃には、ネザルはすっかりマティルダのことが好きになっていました。月磨きとしての彼女の生き様に、そしてそれ以上に、彼女の人柄に強く惹かれたからでした。
「ねえ、マティルダ。この先また、君に会えたりするかな」
 そうは尋ねてみたものの、ネザルはきっとその答えは否だと思っていました。だって、相手は月磨きなんて神聖な存在。普通の人と交わりを持つなんて、到底有り得ないはずです。
「あたし、まだあなたの名前を聞いてないわ」
 そう言ってマティルダがクスクス笑うと、ネザルは恥ずかしくなって顔をほんのり赤らめました。
「とんだ失礼をしたね。僕はネザル。君に救ってもらったミストアンの町長だ」
 ネザルには、マティルダが瞳を輝かせたように見えました。
「きっと会えるわ、きっと」
 マティルダはネザルの手を握り、ネザルの目をじっと見つめました。
「本当に? 本当に君に会えるのかい?」
「ええ」
 マティルダはそっと微笑むと、「そろそろ戻らなきゃ、おばあちゃんがしびれを切らしちゃうわ」と口にしました。
 立ち上がったマティルダは、窓から外に出ました。ここからどうやって帰るのだろう、と思ってネザルが見ていると、彼女はすっと飛び上がり、そのまま星空の彼方へ消えていきました。

 翌朝、目を醒ましたネザルは、マティルダと過ごした時間の全てを忘れていました。
 寝室の机に開かれたままの日記帳に、〝マティルダと出逢った〟とだけ書かれているのを見ても、彼には何のことだかさっぱり分かりませんでした。
 仕事熱心な彼は、早々に身支度を済ませると、執務室に向かいました。
 身体は軽く、仕事はてきぱきと片付いていきます。けれど、心はどうにも重々しく、どこか晴れやかでない気がしてなりません。
 正午を少し過ぎた頃、執務室のドアをノックする音と、「町長に会いたいという方が来られているのですが」というアルベドの声がしました。
「通してくれ」
 とネザルが言うと、アルベドがドアを開け、若い女性が姿を見せました。ミストアンにいる、ごく普通の女性の格好をしていましたが、どこか馴染んでいないように見えます。
 その顔には見覚えがありませんでしたが、ネザルは一目見て、彼女に気を許す自分がいることに気が付きました。
「かけてくれ」
 ネザルはなるだけ優しく、落ち着いて聞こえるように言いました。
 女性は静かに頷くと、彼の示したソファに腰を下ろしました。
「それで、ここにはどんなご用で?」
 彼女は戸口の方を少し気にしてから、ネザルの方に向き直りました。
「月泥棒、ってご存知ですか?」
 ネザルの表情はやや硬いものになりました。月泥棒の話を知っているのは、自身とアルベドくらいのものだと思っていたからです。
「実はあたし、その月泥棒の知り合いなんです。その子に、この町の町長さんはとても素敵な人だって聞いて、一度会ってみたくなったんです」
「月泥棒と知り合い……」
 ネザルはハッとしました。月泥棒と知り合いだなんて話は、おかしいということに気付いたからです。月泥棒にまつわることは、普通なら忘れてしまうのですから。
「一つ、聞かせてもらっても?」
「ええ」
 その返事は、随分と馴染んだものに聞こえました。
「君の名前は、マティルダだね?」
 彼女は微かに、けれど力強く頷きました。
 その時でした。ネザルは自分の中に、ある想いが帰ってくるのを感じたのです。それはふっと湧いてきたものでありながら、今芽生えたものではない、と確かに分かるものでした。
 どこで、そしてどうしてマティルダと知り合ったのかは依然として分からないままでしたが、ネザルはマティルダに抱いていた感情を取り戻したのです。
「月泥棒は、こうも言っていました。本当の泥棒は、あなただ、って」
 ネザルは思わず笑ってしまいました。
「いったい僕は、彼女から何を奪ったんだろうね」
「さあ、何でしょう?」
 マティルダは少し口を尖らせて答えました。
 再びドアを叩く音がして、アルベドがティーセットを持って入ってきました。
 彼が二人分の紅茶を出して退出すると、ネザルはマティルダの名を優しく呼びました。
 マティルダは静かに微笑んで、続く言葉を待ちました。
「彼女に伝えてくれないかな、僕も君に、恋をしたって」
「ええ、喜んで」
 二人はじっと見つめ合いました。それはそれは、時間が経つのを忘れてしまうほど、長い間。
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