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掌編小説
愚痴
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うるさいんだよ。
うざいんだよ。
1つ違いで年下のくせして、威張ってるんじゃないよ。
私も全然偉くないけど、家の中では立場はあんたよりも上だよ。
別に私を“姉ちゃん”って呼ばなくても良い。
私は姉らしいところ、1つもないけど私のこと見下してんじゃないよ。
私にあんたは何が勝てる?
勉強だって、私より出来ないじゃないか。
そりゃあ、家事とか家庭的なことは負けるけど、口喧嘩でも叩き合いの喧嘩でも私はあんたに負けたことはない。
あんたは私に勝ったことないじゃないか。
調子に乗るんじゃない。
家の中では『私は偉いんだ!』って態度のくせに、学校の中では『うんうん、そうなのぉ~』ってブリッコしてるんじゃないよ。
男子にからかわれて押されて転んだからって、泣いて帰って来るんじゃないよ。
家の中にいる時みたいに『何すんだ、この野郎!』ってかかっていけよ。
私は男子にそんなことされても、怒鳴られて机蹴っ飛ばされて、筆箱の中身が飛び散っても『痛ぇじゃねぇか、この馬鹿野郎!』って言い返して、少しも泣かなかったよ。
“やられたらやり返せ”“泣いたら負け”っていっつも言われてるじゃないか。
………そりゃあ、私は“あの時”、何も出来なかった。
私はあんたに何にもしてやれなかった。
ただ見てみぬふり。
自分を守るのに、精一杯だった。
私は大人相手に何も言えなかった。
ずるいよ?
卑怯だよ?
クズだよ?
私は見た目がでかいだけの、器の小さい人間だ。
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うるさいんだよ。
うざいんだよ。
1つ違いで年下のくせして、威張ってるんじゃないよ。
私も全然偉くないけど、家の中では立場はあんたよりも上だよ。
別に私を“姉ちゃん”って呼ばなくても良い。
私は姉らしいところ、1つもないけど私のこと見下してんじゃないよ。
私にあんたは何が勝てる?
勉強だって、私より出来ないじゃないか。
そりゃあ、家事とか家庭的なことは負けるけど、口喧嘩でも叩き合いの喧嘩でも私はあんたに負けたことはない。
あんたは私に勝ったことないじゃないか。
調子に乗るんじゃない。
家の中では『私は偉いんだ!』って態度のくせに、学校の中では『うんうん、そうなのぉ~』ってブリッコしてるんじゃないよ。
男子にからかわれて押されて転んだからって、泣いて帰って来るんじゃないよ。
家の中にいる時みたいに『何すんだ、この野郎!』ってかかっていけよ。
私は男子にそんなことされても、怒鳴られて机蹴っ飛ばされて、筆箱の中身が飛び散っても『痛ぇじゃねぇか、この馬鹿野郎!』って言い返して、少しも泣かなかったよ。
“やられたらやり返せ”“泣いたら負け”っていっつも言われてるじゃないか。
………そりゃあ、私は“あの時”、何も出来なかった。
私はあんたに何にもしてやれなかった。
ただ見てみぬふり。
自分を守るのに、精一杯だった。
私は大人相手に何も言えなかった。
ずるいよ?
卑怯だよ?
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