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【外伝】貴方にとっては誤算でも俺たちにとっては正に僥倖

trettiosju

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「はえ?」

 扉が開いて入ってきた三人を見て、間抜けな声が出た。だって。

「なんで?」

 対する三人は、睨みつけるような視線で、ぼくを見てくる。本当に番なの?だってこんな痛くなるような視線寄越す?

 一人ぽつんと部屋で待っていた、ぼくは落ち着かなくなった。あの時嗅いだエレミの匂い。すごく良い匂い。三人とも同じ匂いだから部屋中広がって、頭がふわふわする。でも、瞳が怖い。

 番が、こんなで。いや、とか?

 途端に逃げたくなって、小さくなった。種は何なんだろう。聞いとけば良かった。ぼくより上位だと思う。だって純血種だよね?

 ぴりぴりした気配が三人からして。

 くすん。

「こわ、こわいよぅ。」

 ひぃんと泣きじゃくってしまった。おじいちゃんと、おばあちゃんに再会してから涙腺が壊れてる気がする。

 6歳も下の学生相手に。番だって聞いてたのに。向けられる視線が怖い。

「おい。」

 ふわりと抱き上げられ、びくっと固まった。いつの間に近くに来たのか分からない。

「ひぅん。」
「なんだこれ。」
「めちゃくちゃ可愛いですね。」
「……かわい。」

 ぺろんと三人から頬を舐められる。ちゅっちゅっとキスまでされた。

「え?え?」
「辛く当たってごめん。」
「ごめんなさい。」
「ごめんね。」

 覗き込まれて口が、むにゅっと歪む。

「ふえぇん。」
「あー、可愛い。」
「可愛すぎますね。」
「連れ帰っていい?」

 三人で代わる代わる唇を舐めてくる。甘くて気持ちよくて。くすん、と鼻を鳴らした。

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