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nicht flüchten und gewärtigen gut?
二人の幸せのかたち
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ヘンディルに拐われて、監禁されて。毎日不安だったし、怖かった。怒鳴られたり殴られたり、そんなことはなかったけど。
篤臣くんがそばにいない。
たった一つの事実が僕を、こてんぱんに叩きのめした。しっかりしなきゃって思っても、実際僕はすっかり弱っていたんだと思う。
僕がいない間の、篤臣くんはどうだったんだろう。
聞くのが怖くて駄目だった。だって篤臣くん、偶に魘されて飛び起きるから。それから隣で眠る僕を見つめると、震える手で抱き締める。泣いてる時もあった。
その時、気が付いちゃった。篤臣くんはきっと、僕がいないと駄目になる。理屈じゃなく、理解したんだ。
「篤臣くん。」
「うん?」
だから。
僕が縛ってあげる。
僕に縛ってあげる。
僕で縛ってあげる。
「僕ね、ずっと一人で生きていくんだと思ってたんだぁ。ミックスなのにフェイだって隠してる時点で、パートナーのいる未来が想像出来なかったの。」
「……うん。」
「でもどこかでやっぱり、両親や狗狼みたいに家族が欲しかった……自分だけの家族が欲しかったんだ。」
「そっか……。」
「だけど、どうしてもメイニーが隣にいる未来が想像が出来なくって……きっと僕は最初から対象が男性なんだって思ったら。自然と篤臣くん以外は嫌だなぁって、そう思っちゃったの……。」
「兎瑠……。」
「だから。いつかは必ず一人になるって諦めてた。でも篤臣くんが僕のこと好きって言ってくれて……僕、諦めないことにしたんだ。」
篤臣の膝に自ら乗り上げると、唇に吸い付く。
「……逃がさないから覚悟してね、篤臣くん。」
「……兎瑠ちゃん。」
「諦めてた初恋とマッシブと。いっぺんに手に入れちゃったから。僕欲張りになったの。絶対ゲレンク-パラ済ませて篤臣くんのパートナーになるって決めたから……だから、ずっと僕の側にいて。お願い。」
「……うん。」
「僕、篤臣くんの隣が一番安心できるの。今、すごく幸せなの。」
「俺も。俺もすごい幸せだよ。ありがとう、兎瑠。」
「えへへ。」
篤臣くんが僕のせいでグリュンダーまで引き起こした時、本当は僕、嬉しかったんだ。
酷いよね。ごめんね。
だってこんなに僕を欲しがってくれる人、他にはいないって思っちゃったから。だったら僕には篤臣くんさえいればそれで良いって。思っちゃった。
僕がいないと、きっと篤臣くんは生きていけない。だからこれから僕は篤臣くんのために何を犠牲にしても生き抜くことを考える。篤臣くんと僕。一緒に幸せになるために。
でももし。もしも篤臣くんに何かあったらその時は。
その時は、一緒に逝くね。絶対、一人にはしないから。
だからずっとずっと。一緒にいようね。お互いがいないと、僕たち壊れちゃうって。理解したから。
「愛してる、篤臣くん。」
「俺も。愛してるよ兎瑠ちゃん。」
このことは、誰にも内緒。
篤臣くんがそばにいない。
たった一つの事実が僕を、こてんぱんに叩きのめした。しっかりしなきゃって思っても、実際僕はすっかり弱っていたんだと思う。
僕がいない間の、篤臣くんはどうだったんだろう。
聞くのが怖くて駄目だった。だって篤臣くん、偶に魘されて飛び起きるから。それから隣で眠る僕を見つめると、震える手で抱き締める。泣いてる時もあった。
その時、気が付いちゃった。篤臣くんはきっと、僕がいないと駄目になる。理屈じゃなく、理解したんだ。
「篤臣くん。」
「うん?」
だから。
僕が縛ってあげる。
僕に縛ってあげる。
僕で縛ってあげる。
「僕ね、ずっと一人で生きていくんだと思ってたんだぁ。ミックスなのにフェイだって隠してる時点で、パートナーのいる未来が想像出来なかったの。」
「……うん。」
「でもどこかでやっぱり、両親や狗狼みたいに家族が欲しかった……自分だけの家族が欲しかったんだ。」
「そっか……。」
「だけど、どうしてもメイニーが隣にいる未来が想像が出来なくって……きっと僕は最初から対象が男性なんだって思ったら。自然と篤臣くん以外は嫌だなぁって、そう思っちゃったの……。」
「兎瑠……。」
「だから。いつかは必ず一人になるって諦めてた。でも篤臣くんが僕のこと好きって言ってくれて……僕、諦めないことにしたんだ。」
篤臣の膝に自ら乗り上げると、唇に吸い付く。
「……逃がさないから覚悟してね、篤臣くん。」
「……兎瑠ちゃん。」
「諦めてた初恋とマッシブと。いっぺんに手に入れちゃったから。僕欲張りになったの。絶対ゲレンク-パラ済ませて篤臣くんのパートナーになるって決めたから……だから、ずっと僕の側にいて。お願い。」
「……うん。」
「僕、篤臣くんの隣が一番安心できるの。今、すごく幸せなの。」
「俺も。俺もすごい幸せだよ。ありがとう、兎瑠。」
「えへへ。」
篤臣くんが僕のせいでグリュンダーまで引き起こした時、本当は僕、嬉しかったんだ。
酷いよね。ごめんね。
だってこんなに僕を欲しがってくれる人、他にはいないって思っちゃったから。だったら僕には篤臣くんさえいればそれで良いって。思っちゃった。
僕がいないと、きっと篤臣くんは生きていけない。だからこれから僕は篤臣くんのために何を犠牲にしても生き抜くことを考える。篤臣くんと僕。一緒に幸せになるために。
でももし。もしも篤臣くんに何かあったらその時は。
その時は、一緒に逝くね。絶対、一人にはしないから。
だからずっとずっと。一緒にいようね。お互いがいないと、僕たち壊れちゃうって。理解したから。
「愛してる、篤臣くん。」
「俺も。愛してるよ兎瑠ちゃん。」
このことは、誰にも内緒。
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