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Hauptteil Akt 12
hundertsechzehn
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フィンレーとジュードが去ってから、数時間後。ずばぁんと荒々しい音を立ててドアが開かれた。ずかずかと足音荒く狗狼が近付いてくる。
「おらよ。」
ぽいっと放り投げられたものを咄嗟に掴む。新しい探知デバイスだった。
「ウルは無事だ。新もな。」
「良かった……。」
全ての空気を吐き出すかのように息を吐く。受け取った探知デバイスを左手首に巻いた。すぐにタップすると周りには何もない海上にぽつんと青い点がともり、点滅する。切り替えると心拍数は正常値を示していた。
「あいつの心拍に乱れがないってことは、酷い目に遭ってねぇってことだ。て、こた新も無事だろ。」
「ああ。そうだな。」
やっと、息がつけた気がする。
「ウルの御両親は?」
「……かなり参ってるな。叔母さんは寝込んじまってるし。つきっきりの叔父さんも、いつ倒れてもおかしくねぇ。」
「……可能なら、お前んち全員当分の間泊まりに。」
「いいのか?!」
「あ、ああ。」
「そっか。いや実はお前に頼もうかと思ってたんだわ。俺は出たり入ったりで家には殆どいねぇし。しかも今は店にも立てねぇだろ?深沢のやつらをつけてても、やっぱ離れてるとな。ガキらもまだ、ちっせぇしよ。」
「部屋数は足りてるだろうし。構わないよ。」
「そか。じゃ、話つけてくるわ。」
さっさと出て行こうとする狗狼を呼び止める。
「深沢、お前。」
「あ、乗り込むんだよな?俺も行く。」
言いかけた篤臣へ被せるように答えながら狗狼が振り返って、にやりと笑う。
「それはいいが。お前、共通言語は。」
「あ?話せるわ、んなもん。」
「そうなのか?」
「ついでに聞き取れるわ。」
「……。」
「だから、お友だちに言っとけ。イーサンがフィンレーでジェットがジュードだっけ?流石に俺の目の前で話したりはしてねぇが、こちとら耳が頗る良いんだ。聞き取れるっつの。」
いつの間にか、偽名だとバレている。
「しっかし、あのいけ好かない奴が、かの有名なグウェイン家のリーダー、フィンレー・グウェインとはねぇ。はっはぁ!恐れ入ったわ。」
ちっとも恐れ入ってなさそうに、鼻で笑いながら部屋を出て行く狗狼を呆気に取られて見送った。
「おらよ。」
ぽいっと放り投げられたものを咄嗟に掴む。新しい探知デバイスだった。
「ウルは無事だ。新もな。」
「良かった……。」
全ての空気を吐き出すかのように息を吐く。受け取った探知デバイスを左手首に巻いた。すぐにタップすると周りには何もない海上にぽつんと青い点がともり、点滅する。切り替えると心拍数は正常値を示していた。
「あいつの心拍に乱れがないってことは、酷い目に遭ってねぇってことだ。て、こた新も無事だろ。」
「ああ。そうだな。」
やっと、息がつけた気がする。
「ウルの御両親は?」
「……かなり参ってるな。叔母さんは寝込んじまってるし。つきっきりの叔父さんも、いつ倒れてもおかしくねぇ。」
「……可能なら、お前んち全員当分の間泊まりに。」
「いいのか?!」
「あ、ああ。」
「そっか。いや実はお前に頼もうかと思ってたんだわ。俺は出たり入ったりで家には殆どいねぇし。しかも今は店にも立てねぇだろ?深沢のやつらをつけてても、やっぱ離れてるとな。ガキらもまだ、ちっせぇしよ。」
「部屋数は足りてるだろうし。構わないよ。」
「そか。じゃ、話つけてくるわ。」
さっさと出て行こうとする狗狼を呼び止める。
「深沢、お前。」
「あ、乗り込むんだよな?俺も行く。」
言いかけた篤臣へ被せるように答えながら狗狼が振り返って、にやりと笑う。
「それはいいが。お前、共通言語は。」
「あ?話せるわ、んなもん。」
「そうなのか?」
「ついでに聞き取れるわ。」
「……。」
「だから、お友だちに言っとけ。イーサンがフィンレーでジェットがジュードだっけ?流石に俺の目の前で話したりはしてねぇが、こちとら耳が頗る良いんだ。聞き取れるっつの。」
いつの間にか、偽名だとバレている。
「しっかし、あのいけ好かない奴が、かの有名なグウェイン家のリーダー、フィンレー・グウェインとはねぇ。はっはぁ!恐れ入ったわ。」
ちっとも恐れ入ってなさそうに、鼻で笑いながら部屋を出て行く狗狼を呆気に取られて見送った。
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