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Hauptteil Akt 12
hundertdreizehn
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「あ……。あ、やだ。やだ。」
ウルの目の前で、燃え上がるペントハウス。バンの中でフロントガラスをスクリーンに変えて投映されていたのは、ウルや新の救出に現れた篤臣たちが中に入って間もなく、轟音とともに吹き飛ぶペントハウスのライブ映像だった。
隣にいる新が、ウルをぎゅっと抱き締める。五人の男たちは、楽しそうに笑い声上げた。
『はははは!派手に散った散った!』
『GPSなんて付けやがるからだ、全く。』
運転席の男がハンドルを叩き笑う。隣の助手席に座る男が手にしたドローンのコントローラを得意げに揺らした。
その後列に座る三人の男たちが口々に囃し立てる。
『派手にドッカーンって!お前相変わらずエゲツねぇな!』
『アゲンツ吹っ飛ばせるんなら、気合いが入るってもんよ。』
『だな。しっかし護衛付けてたのは聞いてたけど、まさかアゲンツとはな。』
『念の為、攫う前に空港で監視させといて良かったぜ。目の前でユェルン様が捕まったって連絡には肝が冷えたけどな。』
何を言っているのか分からないが、酷いことを言っているのは伝わる。ウルは意識を必死に保とうとした。
大丈夫、篤臣くんは大丈夫。だって強いもん。豹の純血種だもん。上位種だもん。
大好きな篤臣が、ウルを残して死ぬわけない。
耳が出そうになって、咄嗟に頭を抱え込んで蹲った。バンの中は暗く、ウルと新は最後列に二人だけで乗せられていた。だから注意してこちらを見なければ気付かれない。小さくなったウルに被さるようにして新が頭を抱え込んだ。
「……ウルくん……。耳が。」
驚いただろうに、声を抑えて伝えてくる新に泣きそうになる。
ああ、出ちゃった。知られちゃった。
「大丈夫だよ。皆強いから。絶対大丈夫。」
励ます新の手も声も震えていて、ウルは頷きながらぎゅっと抱き返した。
「うん。うん。」
しっかりしなきゃ。自分に出来ることは、ミックスで兎だと知られないこと。無事でいること。それから。
そっと左耳に着いたシルバーのイヤカフに触れる。ヘンディルの工作員たちはアゲンツが護衛に付いていた新にGPSが付いているだろうことは予測出来ても、ついでに拐ったウルまで着けていることは予想出来なかったらしい。二人揃って着替えさせられたが、イヤカフがGPSだとは気付かれなかった。
新しく乗り換えられた移動用のバンには元々ジャミング機能が搭載されているらしく、今はどこにウルがいるのか篤臣たちには分からないだろうけれど。
きっと、どこかで繋がる。隙ができるはず。それまで、気付かれないようにしなくちゃ。
こくりと唾を飲み込むと、新の服を握りしめる。次第に耳が戻り、ウルは息を吐き出した。
ウルの目の前で、燃え上がるペントハウス。バンの中でフロントガラスをスクリーンに変えて投映されていたのは、ウルや新の救出に現れた篤臣たちが中に入って間もなく、轟音とともに吹き飛ぶペントハウスのライブ映像だった。
隣にいる新が、ウルをぎゅっと抱き締める。五人の男たちは、楽しそうに笑い声上げた。
『はははは!派手に散った散った!』
『GPSなんて付けやがるからだ、全く。』
運転席の男がハンドルを叩き笑う。隣の助手席に座る男が手にしたドローンのコントローラを得意げに揺らした。
その後列に座る三人の男たちが口々に囃し立てる。
『派手にドッカーンって!お前相変わらずエゲツねぇな!』
『アゲンツ吹っ飛ばせるんなら、気合いが入るってもんよ。』
『だな。しっかし護衛付けてたのは聞いてたけど、まさかアゲンツとはな。』
『念の為、攫う前に空港で監視させといて良かったぜ。目の前でユェルン様が捕まったって連絡には肝が冷えたけどな。』
何を言っているのか分からないが、酷いことを言っているのは伝わる。ウルは意識を必死に保とうとした。
大丈夫、篤臣くんは大丈夫。だって強いもん。豹の純血種だもん。上位種だもん。
大好きな篤臣が、ウルを残して死ぬわけない。
耳が出そうになって、咄嗟に頭を抱え込んで蹲った。バンの中は暗く、ウルと新は最後列に二人だけで乗せられていた。だから注意してこちらを見なければ気付かれない。小さくなったウルに被さるようにして新が頭を抱え込んだ。
「……ウルくん……。耳が。」
驚いただろうに、声を抑えて伝えてくる新に泣きそうになる。
ああ、出ちゃった。知られちゃった。
「大丈夫だよ。皆強いから。絶対大丈夫。」
励ます新の手も声も震えていて、ウルは頷きながらぎゅっと抱き返した。
「うん。うん。」
しっかりしなきゃ。自分に出来ることは、ミックスで兎だと知られないこと。無事でいること。それから。
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新しく乗り換えられた移動用のバンには元々ジャミング機能が搭載されているらしく、今はどこにウルがいるのか篤臣たちには分からないだろうけれど。
きっと、どこかで繋がる。隙ができるはず。それまで、気付かれないようにしなくちゃ。
こくりと唾を飲み込むと、新の服を握りしめる。次第に耳が戻り、ウルは息を吐き出した。
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