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Hauptteil Akt 10
sechsundneunzig
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『思わぬところで繋がった。』
フィンレーは肘掛けに片肘を突くと、軽く握った拳の親指で顎を支え立てた人差し指で片頬を抑えた。そのまま篤臣を見る。
『まさか新くんが狙われるとは……彼はウルの親友なんだ。きっとすごく心配する。』
ブレない篤臣にフィンレーが笑った。
『笑いごとじゃないよフィンレー。新くんはクロエの大事な友だちでもあるんだ。何かあったら君、恨まれると思うよ。』
『……何だって?』
『おい、威圧を漏らさないでくれ。心配しなくてもクロエは君に惚れ切っているし、新くんはクロエのことを手の掛かる妹くらいにしか思ってない。』
『……妹って。君たちの方が年下じゃないか。』
面白くなさそうなフィンレーに今度は篤臣の方が笑う。こんなに分かりやすく感情を表に出すフィンレーは見たことがない。クロエに関しては抑えが効かないのだろう。
『由月 藍里の部屋で何か見つかれば良いが。』
話題を強引に変えたフィンレーに合わせる。
『そうだね。』
『名前か顔。どちらかでもいい。手掛かりが掴めれば、女を追い詰められる。』
『女を辿れば必ずシュウ・リーウェンに繋がる、か。』
『ああ。』
『この前話していた、ヘンディルの新しい拠点の方は?』
『概ね予想通りだった。あとはどれだけの装備を備えたものか、探っている。』
『そうか……。』
『全く、あの賢さを善行に使ってくれれば良いものを。どうしてこうも、搾取することに全振りするんだろうね。』
『理解したいとも思わないな。』
『同意するよ。』
篤臣のオフィスで二人、ソファに座り話し合う。
『では許可が取れ次第、由月 藍里の部屋を捜索に当たらせよう。』
『分かった。表向き、興信所の職員として新くんから依頼を受けたと説明して手を回しておくよ。』
『頼んだよ。』
頷き合って、話し合う。やっと女へと一歩、近づいた。
フィンレーは肘掛けに片肘を突くと、軽く握った拳の親指で顎を支え立てた人差し指で片頬を抑えた。そのまま篤臣を見る。
『まさか新くんが狙われるとは……彼はウルの親友なんだ。きっとすごく心配する。』
ブレない篤臣にフィンレーが笑った。
『笑いごとじゃないよフィンレー。新くんはクロエの大事な友だちでもあるんだ。何かあったら君、恨まれると思うよ。』
『……何だって?』
『おい、威圧を漏らさないでくれ。心配しなくてもクロエは君に惚れ切っているし、新くんはクロエのことを手の掛かる妹くらいにしか思ってない。』
『……妹って。君たちの方が年下じゃないか。』
面白くなさそうなフィンレーに今度は篤臣の方が笑う。こんなに分かりやすく感情を表に出すフィンレーは見たことがない。クロエに関しては抑えが効かないのだろう。
『由月 藍里の部屋で何か見つかれば良いが。』
話題を強引に変えたフィンレーに合わせる。
『そうだね。』
『名前か顔。どちらかでもいい。手掛かりが掴めれば、女を追い詰められる。』
『女を辿れば必ずシュウ・リーウェンに繋がる、か。』
『ああ。』
『この前話していた、ヘンディルの新しい拠点の方は?』
『概ね予想通りだった。あとはどれだけの装備を備えたものか、探っている。』
『そうか……。』
『全く、あの賢さを善行に使ってくれれば良いものを。どうしてこうも、搾取することに全振りするんだろうね。』
『理解したいとも思わないな。』
『同意するよ。』
篤臣のオフィスで二人、ソファに座り話し合う。
『では許可が取れ次第、由月 藍里の部屋を捜索に当たらせよう。』
『分かった。表向き、興信所の職員として新くんから依頼を受けたと説明して手を回しておくよ。』
『頼んだよ。』
頷き合って、話し合う。やっと女へと一歩、近づいた。
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