97 / 238
Hauptteil Akt 9
einundachtzig
しおりを挟む
ウルの瞳がぱちっと開く。篤臣はぐったりと力が抜け、額同士を合わせた。
「良かった。ウル。」
「篤臣くん。」
「気分は?どっか気持ち悪いとか、ない?」
「ん、だいじょぶ。」
「おいで。」
ベッドに横たえたウルにぴたりと寄り添っていた篤臣は、首の下に腕を差し込むと胸に抱き寄せた。すりすりとウルが頬擦りする。
「びっくりしたー。」
呑気な声に気が抜ける。
「あの人、誰だったの?」
「……フィンレー・グウェイン。」
「……そっか。フィンレーってリージョンでのお友だちの?」
「そう。」
「……クロエさんの、好きな人?」
「うん。」
「なんか、怒ってた?」
むむむっと眉を顰め、ウルが唸った。
「いや。多分、動揺したんだと思う。いきなりマッシブで同棲してるって紹介したから。」
「……そっかぁ。むー。」
「ウル?」
「怒ってなかったんなら、これから仲良くなれるかなぁ?」
「……無理に仲良くしなくてもいいよ。」
ちゅっと唇に吸い付く。
「でも、篤臣くんの親友でしょ?」
「まぁ。そうだね。」
「だったら仲良くしたいなぁ。僕、篤臣くんと新くんが仲良くて嬉しいもん。おんなじ。フィンレーさんと僕が仲良くしたら、篤臣くんも嬉しくない?」
「それは……まぁ。」
「じゃ、僕頑張る。」
「ウル。」
「ただ、威圧は耳と尻尾出ちゃうから、やめて欲しいなぁ……バレちゃう。」
「確かに出てたね、耳。気付かれてないから大丈夫だよ。」
「……篤臣くん、見た?」
「うん、見た。垂れ耳可愛すぎた。すぐ引っ込んじゃったけど。」
意識を手放した時点で半獣化は解けていた。一瞬だけ現れたウルの垂れ耳はあんな状況じゃなければ存分に堪能したかった。
「威圧浴びちゃうと出ちゃうの。少しなら我慢出来るけど。フィンレーさんの凄かった。」
「怖かったよね?ごめんね?」
「うん……確かに怖かったし、反射的に半獣化しちゃったけど。だいじょぶだよ。僕には篤臣くんがいるもん。」
きゅっと抱きついてきたウルの小さな頭を撫でる。
「今まではね、避けられなくて威圧浴びちゃっても何とか意識保ってないといけなかったんだ。その間に何されるか分からないから、混乱しててもなんとか踏ん張ってたの。とりあえず逃げて隠れなきゃって。でも……変だよねぇ?そんなこと考える前に、すこんて気絶しちゃった。篤臣くんの側だから安心して気が抜けちゃってるのかなぁ?」
胸が詰まった。
そんなふうに。無意識に。自分を信じて全部預けてくれるウルが愛しい。
「それは嬉しいね。」
「ほんと?めんどくない?」
「全然。もっと手が掛かってもいいよ。」
「!!!じゃもっと甘える~!」
嬉しそうに笑ったウルを見て、泣きそうになる。
君がずっと笑っていられるように。俺がずっと側にいる。絶対離れない。
「愛してるよ、ウルちゃん。」
「えへへ。僕も。篤臣くん大好き。」
「もっと甘えてね。」
「篤臣くんも、僕に甘えてね。」
ちゅっちゅっとお互いの唇に吸い付く。そのまま、抱き合ってお昼寝した。
「良かった。ウル。」
「篤臣くん。」
「気分は?どっか気持ち悪いとか、ない?」
「ん、だいじょぶ。」
「おいで。」
ベッドに横たえたウルにぴたりと寄り添っていた篤臣は、首の下に腕を差し込むと胸に抱き寄せた。すりすりとウルが頬擦りする。
「びっくりしたー。」
呑気な声に気が抜ける。
「あの人、誰だったの?」
「……フィンレー・グウェイン。」
「……そっか。フィンレーってリージョンでのお友だちの?」
「そう。」
「……クロエさんの、好きな人?」
「うん。」
「なんか、怒ってた?」
むむむっと眉を顰め、ウルが唸った。
「いや。多分、動揺したんだと思う。いきなりマッシブで同棲してるって紹介したから。」
「……そっかぁ。むー。」
「ウル?」
「怒ってなかったんなら、これから仲良くなれるかなぁ?」
「……無理に仲良くしなくてもいいよ。」
ちゅっと唇に吸い付く。
「でも、篤臣くんの親友でしょ?」
「まぁ。そうだね。」
「だったら仲良くしたいなぁ。僕、篤臣くんと新くんが仲良くて嬉しいもん。おんなじ。フィンレーさんと僕が仲良くしたら、篤臣くんも嬉しくない?」
「それは……まぁ。」
「じゃ、僕頑張る。」
「ウル。」
「ただ、威圧は耳と尻尾出ちゃうから、やめて欲しいなぁ……バレちゃう。」
「確かに出てたね、耳。気付かれてないから大丈夫だよ。」
「……篤臣くん、見た?」
「うん、見た。垂れ耳可愛すぎた。すぐ引っ込んじゃったけど。」
意識を手放した時点で半獣化は解けていた。一瞬だけ現れたウルの垂れ耳はあんな状況じゃなければ存分に堪能したかった。
「威圧浴びちゃうと出ちゃうの。少しなら我慢出来るけど。フィンレーさんの凄かった。」
「怖かったよね?ごめんね?」
「うん……確かに怖かったし、反射的に半獣化しちゃったけど。だいじょぶだよ。僕には篤臣くんがいるもん。」
きゅっと抱きついてきたウルの小さな頭を撫でる。
「今まではね、避けられなくて威圧浴びちゃっても何とか意識保ってないといけなかったんだ。その間に何されるか分からないから、混乱しててもなんとか踏ん張ってたの。とりあえず逃げて隠れなきゃって。でも……変だよねぇ?そんなこと考える前に、すこんて気絶しちゃった。篤臣くんの側だから安心して気が抜けちゃってるのかなぁ?」
胸が詰まった。
そんなふうに。無意識に。自分を信じて全部預けてくれるウルが愛しい。
「それは嬉しいね。」
「ほんと?めんどくない?」
「全然。もっと手が掛かってもいいよ。」
「!!!じゃもっと甘える~!」
嬉しそうに笑ったウルを見て、泣きそうになる。
君がずっと笑っていられるように。俺がずっと側にいる。絶対離れない。
「愛してるよ、ウルちゃん。」
「えへへ。僕も。篤臣くん大好き。」
「もっと甘えてね。」
「篤臣くんも、僕に甘えてね。」
ちゅっちゅっとお互いの唇に吸い付く。そのまま、抱き合ってお昼寝した。
0
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説
エッチな下着屋さんで、〇〇を苛められちゃう女の子のお話
まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
『色気がない』と浮気された女の子が、見返したくて大人っぽい下着を買いに来たら、売っているのはエッチな下着で。店員さんにいっぱい気持ち良くされちゃうお話です。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
みられたいふたり〜変態美少女痴女大生2人の破滅への危険な全裸露出〜
冷夏レイ
恋愛
美少女2人。哀香は黒髪ロング、清楚系、巨乳。悠莉は金髪ショート、勝気、スレンダー。2人は正反対だけど仲のいい普通の女子大生のはずだった。きっかけは無理やり参加させられたヌードモデル。大勢の男達に全裸を晒すという羞恥と恥辱にまみれた時間を耐え、手を繋いで歩く無言の帰り道。恥ずかしくてたまらなかった2人は誓い合う。
──もっと見られたい。
壊れてはいけないものがぐにゃりと歪んだ。
いろんなシチュエーションで見られたり、見せたりする女の子2人の危険な活動記録。たとえどこまで堕ちようとも1人じゃないから怖くない。
***
R18。エロ注意です。挿絵がほぼ全編にあります。
すこしでもえっちだと思っていただけましたら、お気に入りや感想などよろしくお願いいたします!
「ノクターンノベルズ」にも掲載しています。
【R-18】年下国王の異常な執愛~義母は義息子に啼かされる~【挿絵付】
臣桜
恋愛
『ガーランドの翠玉』、『妖精の紡いだ銀糸』……数々の美辞麗句が当てはまる17歳のリディアは、国王ブライアンに見初められ側室となった。しかし間もなくブライアンは崩御し、息子であるオーガストが成人して即位する事になった。17歳にして10歳の息子を持ったリディアは、戸惑いつつも宰相の力を借りオーガストを育てる。やがて11年後、21歳になり成人したオーガストは国王となるなり、28歳のリディアを妻に求めて……!?
※毎日更新予定です
※血の繋がりは一切ありませんが、義息子×義母という特殊な関係ですので地雷っぽい方はお気をつけください
※ムーンライトノベルズ様にも同時連載しています
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
【R18舐め姦】変態パラダイス!こんな逆ハーレムはいらない!!
目裕翔
恋愛
唾液が淫液【媚薬】の淫魔や、愛が重めで残念なイケメンの変態から、全身をしつこく舐めまわされ、何度イッても辞めて貰えない、気の毒な女の子のお話です
全身舐め、乳首舐め、クンニ、分身の術(敏感な箇所同時舐め)、溺愛、ヤンデレ
クンニが特に多めで、愛撫がしつこいです
唾液が媚薬の淫魔から、身体中舐め回され
1点だけでも悶絶レベルの快感を、分身を使い
集団で敏感な箇所を同時に舐められ続け涎と涙をこぼしながら、誰も助けが来ない異空間で、言葉にならない喘ぎ声をあげ続ける
そんな感じの歪んだお話になります。
嫌悪感を感じた方は、ご注意下さい。
18禁で刺激の強い内容になっていますので、閲覧注意
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる