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Hauptteil Akt 7
achtundsechzig
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ツェアシュテールではフィンレーが天蒼に入国する時期と前後して、アゲンツの小隊を複数回に分けて天蒼へと入国させていた。
柏杠の街に散らばり、ヘンディルの首魁、シュウ・リーウェンの側近である女を探す為である。女は最初こそ、ホテルに滞在していたようだが滞在四ヶ月を過ぎた頃には忽然と姿を消していた。
そこでさらに調べても密入国のように手引きしたものは上がらなかった。しかし、少数ではあるが柏杠の街での目撃情報は得られている。首都柏杠に潜伏していることは間違いなかった。であれば、恐らく何らかの交流を持った人物の元にいるのだろうと推測された。
フィンレーの元に報告が上がる。つまり、一般人の家に身元を偽り転がり込んでいる可能性が最も高い。
ならばとフィンレーは世界的にも利用者数が多いSNSも総当たりすることにした。もしかしたら、どこかに女の情報が切れ端でもあるかも知れない。誰かの投稿写真に写り込んでいるとか。何でもいい、とにかく尻尾を掴みたい。
そうして虱潰しに探して、ようやく細い糸を掴んだ。情報の確度としては高いとは言えない。だが、他に手掛かりがない今は調べないと言う選択肢はなかった。
『篤臣に話しておいた方がいいな。アポを取ってくれ。』
そうジュードに指示したが、篤臣の秘書からは不在と返されてしまった。仕方なく、個人の携帯にかけると出先にいるので折り返すと言われた。通話を終えた携帯を眺めながら、ジュードに話しかける。
『なんだか変だった……。』
『と、仰いますと?』
『誰か一緒にいるようだった。』
『別段不思議なことではないかと。』
『……なんだろう。なんとなく、違和感があったんだ。』
訝しむフィンレーに、ジュードは苦笑した。主人は妙なことに鼻が効く。
『まさか、恋人と一緒だったんじゃないだろうな。』
ぽつりと呟いた声は仄暗く、ジュードは溜め息を押し殺した。
柏杠の街に散らばり、ヘンディルの首魁、シュウ・リーウェンの側近である女を探す為である。女は最初こそ、ホテルに滞在していたようだが滞在四ヶ月を過ぎた頃には忽然と姿を消していた。
そこでさらに調べても密入国のように手引きしたものは上がらなかった。しかし、少数ではあるが柏杠の街での目撃情報は得られている。首都柏杠に潜伏していることは間違いなかった。であれば、恐らく何らかの交流を持った人物の元にいるのだろうと推測された。
フィンレーの元に報告が上がる。つまり、一般人の家に身元を偽り転がり込んでいる可能性が最も高い。
ならばとフィンレーは世界的にも利用者数が多いSNSも総当たりすることにした。もしかしたら、どこかに女の情報が切れ端でもあるかも知れない。誰かの投稿写真に写り込んでいるとか。何でもいい、とにかく尻尾を掴みたい。
そうして虱潰しに探して、ようやく細い糸を掴んだ。情報の確度としては高いとは言えない。だが、他に手掛かりがない今は調べないと言う選択肢はなかった。
『篤臣に話しておいた方がいいな。アポを取ってくれ。』
そうジュードに指示したが、篤臣の秘書からは不在と返されてしまった。仕方なく、個人の携帯にかけると出先にいるので折り返すと言われた。通話を終えた携帯を眺めながら、ジュードに話しかける。
『なんだか変だった……。』
『と、仰いますと?』
『誰か一緒にいるようだった。』
『別段不思議なことではないかと。』
『……なんだろう。なんとなく、違和感があったんだ。』
訝しむフィンレーに、ジュードは苦笑した。主人は妙なことに鼻が効く。
『まさか、恋人と一緒だったんじゃないだろうな。』
ぽつりと呟いた声は仄暗く、ジュードは溜め息を押し殺した。
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