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Hauptteil Akt 2
einundzwanzig
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「お友だちになりました。」
けろりとした茉莉を見て、ぽかんと口が開く。すぐに我に返ってオーダーのジュースを置いた。
「好きな人がいて、その人以外パートナーは考えてないんですって。あーぁ。イケメンってだけじゃなくて一途だなんて。想われてる人が羨ましー。」
頬杖をついて、ストローでからからとジュースを混ぜる茉莉に何と答えて良いのか分からなかった。必死に悟られないよう視線を逸らす。自分でも分かるのだ。きっと今、泣きそうな顔をしている。
あの後、篤臣はすぐ帰ってしまい、まともに話をすることは出来なかった。バイトが終わった茉莉がお客様としてカウンターに来ると、ウルに「さっき言ってた報告なんですけど。」と話し出し、そこから有無を言わさず付き合わされている。
そうして知ってしまった。篤臣にはパートナーにしたいと思うほど好きな人がいると言うこと。
いる、よね。そうだよね。可能性はあったのに。考えないようにしてた。
クシュダートに続いて、二度目の失恋。いや、二度目と言った時点でそもそもおかしいのだ。自分は諦めたはずで、再会出来た偶然を喜び、見てるだけで良いとそう思ったはずなのに。
結局少しも諦めることなんて出来てなかった。あんなにきっぱり言われたのに。興味ないって。
いつまでも粘着質に想い続けている自分が嫌になる。そっと息を吐き出し、グラスを片付け始めた。
「どんな人なんだろー。きっと、素敵な人なんでしょうねー。」
「……枝反さんは……もう、いいの?」
「えー。そうですねぇ。相手を決めてる人に食らいつくほどのガッツはないかなぁ。」
「食らいつく……。」
呆気に取られて繰り返す。
「いや、違いますね。好きだったらシュラハトやってでも手に入れようとします、私。だからそこまで好きではなかったんだと思います。芸能人見て騒ぐみたいな?それに一番近いかな?」
「そう……。」
僕はシュラハトやって負けても。きっとやっぱり諦め切れない。
今回のことで再認識してしまった。自分は少しも諦め切れていなかった。ずっとずっと。あの日から篤臣に恋し続けている。
けろりとした茉莉を見て、ぽかんと口が開く。すぐに我に返ってオーダーのジュースを置いた。
「好きな人がいて、その人以外パートナーは考えてないんですって。あーぁ。イケメンってだけじゃなくて一途だなんて。想われてる人が羨ましー。」
頬杖をついて、ストローでからからとジュースを混ぜる茉莉に何と答えて良いのか分からなかった。必死に悟られないよう視線を逸らす。自分でも分かるのだ。きっと今、泣きそうな顔をしている。
あの後、篤臣はすぐ帰ってしまい、まともに話をすることは出来なかった。バイトが終わった茉莉がお客様としてカウンターに来ると、ウルに「さっき言ってた報告なんですけど。」と話し出し、そこから有無を言わさず付き合わされている。
そうして知ってしまった。篤臣にはパートナーにしたいと思うほど好きな人がいると言うこと。
いる、よね。そうだよね。可能性はあったのに。考えないようにしてた。
クシュダートに続いて、二度目の失恋。いや、二度目と言った時点でそもそもおかしいのだ。自分は諦めたはずで、再会出来た偶然を喜び、見てるだけで良いとそう思ったはずなのに。
結局少しも諦めることなんて出来てなかった。あんなにきっぱり言われたのに。興味ないって。
いつまでも粘着質に想い続けている自分が嫌になる。そっと息を吐き出し、グラスを片付け始めた。
「どんな人なんだろー。きっと、素敵な人なんでしょうねー。」
「……枝反さんは……もう、いいの?」
「えー。そうですねぇ。相手を決めてる人に食らいつくほどのガッツはないかなぁ。」
「食らいつく……。」
呆気に取られて繰り返す。
「いや、違いますね。好きだったらシュラハトやってでも手に入れようとします、私。だからそこまで好きではなかったんだと思います。芸能人見て騒ぐみたいな?それに一番近いかな?」
「そう……。」
僕はシュラハトやって負けても。きっとやっぱり諦め切れない。
今回のことで再認識してしまった。自分は少しも諦め切れていなかった。ずっとずっと。あの日から篤臣に恋し続けている。
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