55 / 62
the warmth of life I give to you ,Felicite and Owen
逆転
しおりを挟む
夫婦の寝室で先にフェリを待とうと入ると、そこには既に愛しい妻がいた。
私の瞳の色でもある、紫紺色のナイトドレス。ほっそりとした肢体が透けて見え、知らず喉が鳴った。初夜以来、こうやってフェリのナイトドレス姿をまともに見るのは初めてだった。陰茎が瞬く間に硬く勃ち上がる。痛いほど張り詰め、緊張でひどく喉が渇いた。
「オーウェン、こっちにきて。」
ベッドに上がり、座ったフェリが手招く。ふらふらと吸い寄せられるように近寄ると、誘われるままベッドへと上がった。
「お酒でも飲む?」
「いや、いらない。」
「そう?」
「フェリ。願いって。」
「どうしたの?何か焦ってる?」
「いや、そうじゃないよ。」
本音を言えば、焦っている。あれだけフェリに無理をさせたくないと距離を取っていたくせに、同じくらい彼女を渇望していた。恋焦がれてやっと手に入れたフェリ。嫌われたくなくて、あんなことをした。結局怒らせて悲しませて傷付けてしまった。しかし許された途端、現金なもので今すぐにでも彼女が欲しくてたまらない。
「じゃあ今から私がいいと言うまで。貴方は動かないでくれる?いい?」
「……動かないでって。」
それはつまり、許しはしたが今は受け入れる気はないと。そう言うことだろうか。
「それが昼間言ってた願いよ。」
「……分かった。」
今はフェリが望む通りにしよう。約束したのだし、何よりフェリの願いなら。
「さ、横になって。」
言われるまま横になるが、期待して反応したものはどうしようもない。フェリに気付かれないよう屈んだまま横を向いて寝転んだ。
「オーウェン。」
笑いを含んだ声に呼ばれて顔を上げると頭の横に移動したフェリが屈み、ちゅっと額に口付けた。瞬きをして見返すと、微笑んで肩を押される。誘われるままベッドへ仰向けになると、フェリの細い指がローブの合わせに掛かった。
「フェリ?」
「オーウェン、上手くは出来ないけれど。頑張るから、ね?」
「?」
訳が分からず見上げるとローブがはだけ、胸に手のひらが当てられた。そのままフェリが腰に乗り上げる。
「え?」
「動いちゃだめよ?旦那様。」
ゆったりと首筋から鎖骨、胸へと辿り乳首を、かりっと爪で弾かれる。
「!フェリ?!」
「ふふふ。反省したのよね?オーウェン。」
「それは、そうだ。もちろん。」
「私ね、ここ三日間勉強したの。」
「べ、んきょ、う?」
「そう。成果はどうかしら?オーウェンに見てもらいたいわ。だから、いいと言うまで動かないで、ね?」
かあっと頬に熱が上る。それって。もしかして。
「興味があることだけは、勉強熱心だって。誰よりも知っているでしょう?」
「フェ、フェリ。」
どきどきと心臓が早鐘のように激しく鳴る。恥ずかし過ぎて腕を上げ、目元を隠した。くすくすと笑い声がしたかと思ったら、唇につるっと舌が這わされる。
「フェリ……。」
顔を見せられない。きっと真っ赤になっている。そのくせ陰茎は期待で反り返り、フェリの下で膨らんでいるのだ。
腕で顔を覆ったままの私にフェリが口付ける。それからの時間はまさに夢のようだった。
私の瞳の色でもある、紫紺色のナイトドレス。ほっそりとした肢体が透けて見え、知らず喉が鳴った。初夜以来、こうやってフェリのナイトドレス姿をまともに見るのは初めてだった。陰茎が瞬く間に硬く勃ち上がる。痛いほど張り詰め、緊張でひどく喉が渇いた。
「オーウェン、こっちにきて。」
ベッドに上がり、座ったフェリが手招く。ふらふらと吸い寄せられるように近寄ると、誘われるままベッドへと上がった。
「お酒でも飲む?」
「いや、いらない。」
「そう?」
「フェリ。願いって。」
「どうしたの?何か焦ってる?」
「いや、そうじゃないよ。」
本音を言えば、焦っている。あれだけフェリに無理をさせたくないと距離を取っていたくせに、同じくらい彼女を渇望していた。恋焦がれてやっと手に入れたフェリ。嫌われたくなくて、あんなことをした。結局怒らせて悲しませて傷付けてしまった。しかし許された途端、現金なもので今すぐにでも彼女が欲しくてたまらない。
「じゃあ今から私がいいと言うまで。貴方は動かないでくれる?いい?」
「……動かないでって。」
それはつまり、許しはしたが今は受け入れる気はないと。そう言うことだろうか。
「それが昼間言ってた願いよ。」
「……分かった。」
今はフェリが望む通りにしよう。約束したのだし、何よりフェリの願いなら。
「さ、横になって。」
言われるまま横になるが、期待して反応したものはどうしようもない。フェリに気付かれないよう屈んだまま横を向いて寝転んだ。
「オーウェン。」
笑いを含んだ声に呼ばれて顔を上げると頭の横に移動したフェリが屈み、ちゅっと額に口付けた。瞬きをして見返すと、微笑んで肩を押される。誘われるままベッドへ仰向けになると、フェリの細い指がローブの合わせに掛かった。
「フェリ?」
「オーウェン、上手くは出来ないけれど。頑張るから、ね?」
「?」
訳が分からず見上げるとローブがはだけ、胸に手のひらが当てられた。そのままフェリが腰に乗り上げる。
「え?」
「動いちゃだめよ?旦那様。」
ゆったりと首筋から鎖骨、胸へと辿り乳首を、かりっと爪で弾かれる。
「!フェリ?!」
「ふふふ。反省したのよね?オーウェン。」
「それは、そうだ。もちろん。」
「私ね、ここ三日間勉強したの。」
「べ、んきょ、う?」
「そう。成果はどうかしら?オーウェンに見てもらいたいわ。だから、いいと言うまで動かないで、ね?」
かあっと頬に熱が上る。それって。もしかして。
「興味があることだけは、勉強熱心だって。誰よりも知っているでしょう?」
「フェ、フェリ。」
どきどきと心臓が早鐘のように激しく鳴る。恥ずかし過ぎて腕を上げ、目元を隠した。くすくすと笑い声がしたかと思ったら、唇につるっと舌が這わされる。
「フェリ……。」
顔を見せられない。きっと真っ赤になっている。そのくせ陰茎は期待で反り返り、フェリの下で膨らんでいるのだ。
腕で顔を覆ったままの私にフェリが口付ける。それからの時間はまさに夢のようだった。
5
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
(完結)その女は誰ですか?ーーあなたの婚約者はこの私ですが・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はシーグ侯爵家のイルヤ。ビドは私の婚約者でとても真面目で純粋な人よ。でも、隣国に留学している彼に会いに行った私はそこで思いがけない光景に出くわす。
なんとそこには私を名乗る女がいたの。これってどういうこと?
婚約者の裏切りにざまぁします。コメディ風味。
※この小説は独自の世界観で書いておりますので一切史実には基づきません。
※ゆるふわ設定のご都合主義です。
※元サヤはありません。
王太子殿下に婚約者がいるのはご存知ですか?
通木遼平
恋愛
フォルトマジア王国の王立学院で卒業を祝う夜会に、マレクは卒業する姉のエスコートのため参加をしていた。そこに来賓であるはずの王太子が平民の卒業生をエスコートして現れた。
王太子には婚約者がいるにも関わらず、彼の在学時から二人の関係は噂されていた。
周囲のざわめきをよそに何事もなく夜会をはじめようとする王太子の前に数名の令嬢たちが進み出て――。
※以前他のサイトで掲載していた作品です
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
【完結】人形と皇子
かずえ
BL
ずっと戦争状態にあった帝国と皇国の最後の戦いの日、帝国の戦闘人形が一体、重症を負って皇国の皇子に拾われた。
戦うことしか教えられていなかった戦闘人形が、人としての名前を貰い、人として扱われて、皇子と幸せに暮らすお話。
性表現がある話には * マークを付けています。苦手な方は飛ばしてください。
第11回BL小説大賞で奨励賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
(完)妹が全てを奪う時、私は声を失った。
青空一夏
恋愛
継母は私(エイヴリー・オマリ伯爵令嬢)から母親を奪い(私の実の母は父と継母の浮気を苦にして病気になり亡くなった)
妹は私から父親の愛を奪い、婚約者も奪った。
そればかりか、妹は私が描いた絵さえも自分が描いたと言い張った。
その絵は国王陛下に評価され、賞をいただいたものだった。
私は嘘つきよばわりされ、ショックのあまり声を失った。
誰か助けて・・・・・・そこへ私の初恋の人が現れて・・・・・・
いいですよ、離婚しましょう。だって、あなたはその女性が好きなのでしょう?
水垣するめ
恋愛
アリシアとロバートが結婚したのは一年前。
貴族にありがちな親と親との政略結婚だった。
二人は婚約した後、何事も無く結婚して、ロバートは婿養子としてこの家に来た。
しかし結婚してから一ヶ月経った頃、「出かけてくる」と言って週に一度、朝から晩まで出かけるようになった。
アリシアはすぐに、ロバートは幼馴染のサラに会いに行っているのだと分かった。
彼が昔から幼馴染を好意を寄せていたのは分かっていたからだ。
しかし、アリシアは私以外の女性と一切関わるな、と言うつもりもなかったし、幼馴染とも関係を切れ、なんて狭量なことを言うつもりも無かった。
だから、毎週一度会うぐらいなら、それくらいは情けとして良いだろう、と思っていた。
ずっと愛していたのだからしょうがない、とも思っていた。
一日中家を空けることは無かったし、結婚している以上ある程度の節度は守っていると思っていた。
しかし、ロバートはアリシアの信頼を裏切っていた。
そしてアリシアは家からロバートを追放しようと決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる