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第3章(前編)
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「ねぇ悟くん。私たちもう付き合って6年になるでしょ?だからそろそろ結婚のことを考えたほうがいいと思うの。」
「え?あぁそうだね。」飛鳥は悟の家に遊びにきていた。この日は月曜日だったのだが,前日の遊園地爆破未遂事件で
悟は休暇を返上して事件解決に貢献した。ということで波沢課長が翌日を代休として休暇を与えてくれたのだ。
「まぁ,結婚についてはゆっくり2人で考えよう。締め切りがあるわけじゃないから。」と悟は飛鳥が入れてくれたお茶をマグカップで啜った。
「うん。そうだね。」と飛鳥もマグカップに入ったお茶を啜った。
2人のマグカップはデザインは一緒だが
色が違うのでお互いに間違えることはない。「そういえば飛鳥は仕事に行かなくていいの?」飛鳥が時計に目をやると時刻は10時を示していた。「今日は午後から出勤だから。まだ時間はあるけど、出勤の準備をしなきゃいけないからそろそろ帰ろうかな?」「じゃあ家まで送るよ。」「うん。ありがとう。」2人は家を出て飛鳥の家まで歩き出した。
といっても飛鳥と悟の家は徒歩5分圏内の近いところにあるのですぐについた。
「じゃあね。ありがとう。」「うん。仕事頑張って。」飛鳥が家に入ると悟は自分の家に戻った。家に着き,何をしようかと考えていたが何も思いつかなかったので,部屋の掃除をした。家のあらゆる部分に落ちてたほこりを除去していくととても部屋がきれいになって気持ちがよかった。ふと時間を見ると12時を過ぎていたので昼食を用意した。せっかくの休みなので凝った料理でも作ろうかと思ったが,めんどくさくなったので簡単にカップラーメンで済ませた。そのあとベッドに横になっているとウトウトと昼寝をした。悟が目を覚ますと午後2時を過ぎていた。ダイニングテーブルの方を見ると何かがテーブルの下に落ちているのが見えた。近くでよく見ると飛鳥のボールペンだった。悟は飛鳥に電話をかけてペンを忘れていることを伝えようと思ったが,電話に出ない。仕事に集中してきて電話に出られないのだろうと思い時間を置いてからかけ直すことにした。
2時間後もう一度電話をかけよう試みたが出なかった。不審に思った悟は飛鳥の兄でいる甲斐に電話をかけた。
「もしもし悟。どうした?」
「実は飛鳥に何回か電話をかけてるんですけど出ないんですよ。」
「わかった。俺の方からもかけてみる。」「お願いします。」
電話を切ると甲斐は飛鳥に電話をかけた。携帯に繋がりもしない。聞こえてくるのは「ただいま電話に出ることができません。」という自動音声のみである。甲斐が心配していると携帯が鳴った。飛鳥からの折り返しかと思い画面を見たが,期待は空振りに終わった。
画面には『非通知設定』と書かれていた。甲斐は咄嗟に嫌な予感に襲われた。
意を決して電話に出ると,自動音声のような声が聞こえてきた。「甲斐俊馬さんこんにちは『ヤンミキ』です。飛鳥さんを誘拐しました。今回はその報告だけです。それではさようなら。」電話が突然切れた。甲斐は『ヤンミキ』という名前そして「飛鳥を誘拐した。」という報告に恐怖心を覚えた。まずは捜査一課にこのことを報告しないとと思い,その場にいた悟以外の捜査一課メンバーに話した。「ヤンミキが遂に動き出したか。
これは捜査一課として絶対に勝たなければいけない勝負だ。」波沢が緊迫した声でつぶやいた。「今から悟も呼びます。」と甲斐は悟に連絡した。すぐに悟は捜査一課の元に駆けつけた。
「飛鳥が誘拐されたってホントなんですか?」と顔面蒼白の悟が甲斐に詰め寄った。悟はすっかり理性を失いかけている。「落ち着け。今飛鳥を救出するために策を考えている。」甲斐が悟を諭すと
悟は深呼吸をして落ち着きを取り戻した。
そして,全員揃った捜査一課のメンバーに波沢は口を開いた。「まずは飛鳥さんの居場所を知る必要がある。そうしないと救出もクソもない。甲斐くん,松下くん、飛鳥さんの居場所を特定することはできないか?」「それが,居場所を知ろうと思ってスマホのGPSを使おうと思ったのですが、スマホの電源が切られていて特定できませんでした。」と甲斐は肩を落として言った。
「クソ!犯人からの電話を待つしかないのか!」波沢は机を叩いて嘆いた。
するとそこに甲斐の電話が鳴った。
「甲斐俊馬さん。捜査一課の皆さんはいらっしゃいますか?」「あぁ全員いるよ。」「捜査一課の皆さん。既に飛鳥さんを誘拐したことは甲斐俊馬さんから聞いていますね?私たちはあなたたちと最終決戦をすることにしました。そのきっかけとして飛鳥さんを誘拐させていただきました。」「とにかく飛鳥のいる場所を教えろ。」しばらくの沈黙の後「わかりました。場所を教えます。教えないと決着はつきませんからね。
場所は『木屋民遊園地』です。それじゃあ待ってます。」電話が一方的に切れた。しかし,電話が切れたのに気づかなかった。場所を聞いて一同は絶句したからだ。木屋民遊園地は前日に爆破未遂事件があったところだ。そんなところでなぜ?と思ったがとにかく今は飛鳥を助けることがまた最優先事項だと決意を固めた。「君たちよく聞いてくれ。相手はヤンミキだ。何をしてくるかわからない。細心の注意を払って救出作戦を決行してくれ。」波沢は緊迫した雰囲気で言った。「それでは全員現場に急行しなさい。」「了解。」波沢の合図と同時に全員が動き出し、現場に急行した。
「まず田中くんと甲斐くんそして松下くんが現場に潜入し、状況を確認してくれ。その時にこの小型カメラを付けてくれ。このカメラの映像は角川くんのパソコンに無線で映し出される。それじゃあ頼んだぞ。」波沢は3人にカメラを渡した。「それじゃあ行こう。」田中が甲斐と悟を見て呼びかけると車のドアを開けて飛び出した。甲斐と悟も後に続いた。
遊園地の中に潜入すると人の気配はなかった。3人は遊園地にあるアトラクションを隈なく探し,カメラにも映した。
その様子を車内で見ていた斉藤・波沢・角川の3人は固唾を飲んで見守っていた。すると波沢は携帯を取り出しなにやら連絡を取っていた。潜入組が一通りアトラクションの観察を終えたので波沢は全員を新たに潜入させた。遊園地の中央部で双方のグループが合流し、2つのグループに分かれることになった。グループは斉藤・松下・甲斐と角川・波沢・田中に分かれた。角川グループは引き続き
遊園地のアトラクションの外側を斉藤グループは遊園地の施設の中を捜索している。ここから最終決戦が始まる。
「え?あぁそうだね。」飛鳥は悟の家に遊びにきていた。この日は月曜日だったのだが,前日の遊園地爆破未遂事件で
悟は休暇を返上して事件解決に貢献した。ということで波沢課長が翌日を代休として休暇を与えてくれたのだ。
「まぁ,結婚についてはゆっくり2人で考えよう。締め切りがあるわけじゃないから。」と悟は飛鳥が入れてくれたお茶をマグカップで啜った。
「うん。そうだね。」と飛鳥もマグカップに入ったお茶を啜った。
2人のマグカップはデザインは一緒だが
色が違うのでお互いに間違えることはない。「そういえば飛鳥は仕事に行かなくていいの?」飛鳥が時計に目をやると時刻は10時を示していた。「今日は午後から出勤だから。まだ時間はあるけど、出勤の準備をしなきゃいけないからそろそろ帰ろうかな?」「じゃあ家まで送るよ。」「うん。ありがとう。」2人は家を出て飛鳥の家まで歩き出した。
といっても飛鳥と悟の家は徒歩5分圏内の近いところにあるのですぐについた。
「じゃあね。ありがとう。」「うん。仕事頑張って。」飛鳥が家に入ると悟は自分の家に戻った。家に着き,何をしようかと考えていたが何も思いつかなかったので,部屋の掃除をした。家のあらゆる部分に落ちてたほこりを除去していくととても部屋がきれいになって気持ちがよかった。ふと時間を見ると12時を過ぎていたので昼食を用意した。せっかくの休みなので凝った料理でも作ろうかと思ったが,めんどくさくなったので簡単にカップラーメンで済ませた。そのあとベッドに横になっているとウトウトと昼寝をした。悟が目を覚ますと午後2時を過ぎていた。ダイニングテーブルの方を見ると何かがテーブルの下に落ちているのが見えた。近くでよく見ると飛鳥のボールペンだった。悟は飛鳥に電話をかけてペンを忘れていることを伝えようと思ったが,電話に出ない。仕事に集中してきて電話に出られないのだろうと思い時間を置いてからかけ直すことにした。
2時間後もう一度電話をかけよう試みたが出なかった。不審に思った悟は飛鳥の兄でいる甲斐に電話をかけた。
「もしもし悟。どうした?」
「実は飛鳥に何回か電話をかけてるんですけど出ないんですよ。」
「わかった。俺の方からもかけてみる。」「お願いします。」
電話を切ると甲斐は飛鳥に電話をかけた。携帯に繋がりもしない。聞こえてくるのは「ただいま電話に出ることができません。」という自動音声のみである。甲斐が心配していると携帯が鳴った。飛鳥からの折り返しかと思い画面を見たが,期待は空振りに終わった。
画面には『非通知設定』と書かれていた。甲斐は咄嗟に嫌な予感に襲われた。
意を決して電話に出ると,自動音声のような声が聞こえてきた。「甲斐俊馬さんこんにちは『ヤンミキ』です。飛鳥さんを誘拐しました。今回はその報告だけです。それではさようなら。」電話が突然切れた。甲斐は『ヤンミキ』という名前そして「飛鳥を誘拐した。」という報告に恐怖心を覚えた。まずは捜査一課にこのことを報告しないとと思い,その場にいた悟以外の捜査一課メンバーに話した。「ヤンミキが遂に動き出したか。
これは捜査一課として絶対に勝たなければいけない勝負だ。」波沢が緊迫した声でつぶやいた。「今から悟も呼びます。」と甲斐は悟に連絡した。すぐに悟は捜査一課の元に駆けつけた。
「飛鳥が誘拐されたってホントなんですか?」と顔面蒼白の悟が甲斐に詰め寄った。悟はすっかり理性を失いかけている。「落ち着け。今飛鳥を救出するために策を考えている。」甲斐が悟を諭すと
悟は深呼吸をして落ち着きを取り戻した。
そして,全員揃った捜査一課のメンバーに波沢は口を開いた。「まずは飛鳥さんの居場所を知る必要がある。そうしないと救出もクソもない。甲斐くん,松下くん、飛鳥さんの居場所を特定することはできないか?」「それが,居場所を知ろうと思ってスマホのGPSを使おうと思ったのですが、スマホの電源が切られていて特定できませんでした。」と甲斐は肩を落として言った。
「クソ!犯人からの電話を待つしかないのか!」波沢は机を叩いて嘆いた。
するとそこに甲斐の電話が鳴った。
「甲斐俊馬さん。捜査一課の皆さんはいらっしゃいますか?」「あぁ全員いるよ。」「捜査一課の皆さん。既に飛鳥さんを誘拐したことは甲斐俊馬さんから聞いていますね?私たちはあなたたちと最終決戦をすることにしました。そのきっかけとして飛鳥さんを誘拐させていただきました。」「とにかく飛鳥のいる場所を教えろ。」しばらくの沈黙の後「わかりました。場所を教えます。教えないと決着はつきませんからね。
場所は『木屋民遊園地』です。それじゃあ待ってます。」電話が一方的に切れた。しかし,電話が切れたのに気づかなかった。場所を聞いて一同は絶句したからだ。木屋民遊園地は前日に爆破未遂事件があったところだ。そんなところでなぜ?と思ったがとにかく今は飛鳥を助けることがまた最優先事項だと決意を固めた。「君たちよく聞いてくれ。相手はヤンミキだ。何をしてくるかわからない。細心の注意を払って救出作戦を決行してくれ。」波沢は緊迫した雰囲気で言った。「それでは全員現場に急行しなさい。」「了解。」波沢の合図と同時に全員が動き出し、現場に急行した。
「まず田中くんと甲斐くんそして松下くんが現場に潜入し、状況を確認してくれ。その時にこの小型カメラを付けてくれ。このカメラの映像は角川くんのパソコンに無線で映し出される。それじゃあ頼んだぞ。」波沢は3人にカメラを渡した。「それじゃあ行こう。」田中が甲斐と悟を見て呼びかけると車のドアを開けて飛び出した。甲斐と悟も後に続いた。
遊園地の中に潜入すると人の気配はなかった。3人は遊園地にあるアトラクションを隈なく探し,カメラにも映した。
その様子を車内で見ていた斉藤・波沢・角川の3人は固唾を飲んで見守っていた。すると波沢は携帯を取り出しなにやら連絡を取っていた。潜入組が一通りアトラクションの観察を終えたので波沢は全員を新たに潜入させた。遊園地の中央部で双方のグループが合流し、2つのグループに分かれることになった。グループは斉藤・松下・甲斐と角川・波沢・田中に分かれた。角川グループは引き続き
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