つなぐ

結び

石次と明日香の交際が始まって四年が経った頃、石次は結婚について考えていた。
そのまま迎えた交際スタート記念日に
石次は意を決して「水谷さん。もう付き合って4年経ちますよね。そろそろ結婚したいなと思ってるんです。検討してくださいませんか？」というと
「石次くん。実はね、私も同じことを考えてたの。結婚もありかなって。だから
今度は、考える時間なんていらない。
私たち結婚しましょ！」と言った。

次の週の土曜日に石次と明日香は結婚の承諾を得るために水谷家を訪れた。
家の中はピリッとした空気が漂っていた。
卓治は2人を居間に通して2人の前に腰をかけた。もう70が近く足腰も弱っていた。そこにお茶を淹れた沙奈がやってきて卓治の隣に座った。
石次は、「本日はお時間を作っていただきありがとうございます。」というと、
少し間を置いて「単刀直入に言わせていただきます。私は明日香さんと話し合った結果、結婚したいという結論に至りました。それに伴い、明日香さんのお父さんとお姉さんに私たちの結婚を承諾していただきたく、この度お伺いさせていただきました。明日香さんのお父さん・お姉さん明日香さんと結婚させてくださいお願いします！」と頭を下げ、続いて明日香も
「お父さん。お姉ちゃん。石次くんと結婚させてください。お願いします。」と頭を下げた。
卓治はお茶を一口飲み、大きく息を吐くと「頭を上げなさい。」といい、2人が頭を上げると、「沙奈、お前はどう思う？」と聞くと、「私は、亮太が『いい』と言ってる気がする。だから私は、賛成です。」と返事をすると、卓治はもう一度お茶を飲むと「わかった。石次くん。明日香をお願いします。」と頭を下げた。慌てて石次も「こちらもよろしくお願いします。」と頭を下げた。