9 / 11
第九話
しおりを挟む
「無理しないで。ここには俺たち以外誰もいないから声が漏れても大丈夫だよ」
そう噛んでいた唇に指先で触れて安心させようとするとバルタザールはビクリと体を震わせて、顔を背けたいのか目線を外す。
その反応がどんなにアレクシスを煽るのか彼は知らない。アレクシスは中心が熱くなるのを感じた。その強気な顔を辛抱たまらなくさせたい。なりふり構わず嬌声をあげるまで弄りたい。だが性的なことはしないと約束したため欲求を我慢して徹底的に穢れを拭いていく。
「っん、……ん、……っぅ……!」
胸がジリジリと赤くなるまで拭うとバルタザールは瞳を甘くし、声を抑えるのもやっとな様子で理性が溶けかけているようだった。この様子だともう暴れることは出来ないだろう。魔法を解いて仕上げに拭うとバルタザールは感じているのだろう、腰を無意識に揺らしていた。
もっと虐めたいけれどここまで拭えば穢れは取れているだろう。バルタザールの下に目線を向ける。
拘束しているから下を脱がすことは出来ない。枷を作る時に余った鉄を使い、魔法で鋏にしてそれで下を裂いていく。バルタザールは次にされることを予感したらしい。溶けかけた理性を取り戻し、アレクシスに訴える。
「俺は何も触られてない! 結局ヤらずに宿を出たんだ! だから──っ……!」
彼の口から直接的な言葉を聞いてブワッと暗い感情が湧いてくる。丁度鋏を下衣に入れるところだったからなのもあるだろう。バルタザールはアレクシスの激情巡る表情に恐怖から息を詰めていた。
もしかしたら自身の諸共切られるかもしれない。そんなことを恐れているのかちょきん、ちょきんと下衣を裂いている間、バルタザールは微動だにしなかった。
現れたそれは人を表すように男らしいもので下に触れる直前、またバルタザールが小さく反抗するが執拗に拭っていくと歯向かうよりじっとしている方が早く終わると思ったのか、目は閉じ、眉間に皺を寄せてぐっと口を結んで刺激に耐えていた。
ようやく綺麗にすると、バルタザールの竿は刺激で緩く勃ち上がっていた。それを恥ずかしそうに脚を閉じて隠しながら投げやり気味に言う。
「もう終わりでいいだろう。早く枷を外せ」
だがこのままバルタザールの言葉に従うわけにはいかなかった。
「寝たのは男? 女?」
「……男だ。だが寝てなんかいねぇ」
「意外。君は男に興味はないと思ってた」
「お前のために仕方なくだったんだよ」
「俺のため?」
「お前にとってこれから暮らすには人間のいない国の方がいいと思って獣人の国フラフィンについて調べてたんだよ。そこで男が、寝たらフラフィンについて教えるって言うんでそれで仕方なく。けど途中で嘘だってわかったから結局ヤらず帰って来たんだ」
バルタザールが自身の体を穢すのも厭わず自分のためにそこまでしてくれた。他人に中を犯されても仲間のためなら。自分だったらたとえ信頼する相棒のためだとはいえそんなことには踏み切れない。そうかと納得する。
(君は俺のことが好きだったんだね)
本人は気付いていないのかもしれない。だがそこまで出来るのは好きだからという理由以外見つからない。
「バルタザール、ありがとう。やっと君を心から理解出来た気がする」
バルタザールは言葉の意味がわからないのだろう、訝しげにしていた。だが納得したならそれでいいとバルタザールはあまり意味を考えずにアレクシスを急かせる。
「そうか、それならよかった。アレクシス、頼むからさっさと枷を外してくれ」
「バルタザール、君が俺と同じ気持ちなのが嬉しいよ」
「そうだな。だから早く……おい、何やってんだよ」
下を脱ぐと既にアレクシスの中心は熱が巡って勃っていた。バルタザールが顔色を変えて体を固まらせる。
「君には自分自身の気持ちに気付いて欲しいんだ。それに寝てないとは言っても中は弄られただろうから上書きしたい」
「お前何言って……。中って俺はそっち側じゃあ……」
「こんなかわいい人を中を弄りもせずみすみす逃すはずがないだろう」
バルタザールは迫るアレクシスにやめろ、話を聞け、弄られてなんかないと訴えていたが、本当にそうだとしても一つになってバルタザールに自分の気持ちに気付いて欲しいからやめるつもりはない。
それを彼も察知したのだろう。バルタザールは説得するのをやめて、逃れようと暴れるが無力にじゃらじゃらと鎖が鳴るだけだ。「クソッ」と口汚く焦るが、ピタリと熱を後孔に押し付けた瞬間、怯えたように体が強張る。初めては誰しも怖いものだろう。
魔法で粘液を出して、後孔を濡らす。
「慣らされてるだろうからそのまま挿入れるね。大丈夫、怖くないよ。最初はちゃんと優しくするから」
そう言って彼にキスをしようと思ったが、恥ずかしいのか顔を背けられたため、頬に軽く唇を落とし、安心させようと震える手を握る。
「ぁあっ……!」
ゆっくりと中に埋めていくとバルタザールは痛いのか顔を歪める。思ったより狭いな、なんて思いながら腰を進めていく。
「ああっ……ん、アレクシス……っぅう、やめてくれ」
バルタザールが苦しみながら懇願する。
そう噛んでいた唇に指先で触れて安心させようとするとバルタザールはビクリと体を震わせて、顔を背けたいのか目線を外す。
その反応がどんなにアレクシスを煽るのか彼は知らない。アレクシスは中心が熱くなるのを感じた。その強気な顔を辛抱たまらなくさせたい。なりふり構わず嬌声をあげるまで弄りたい。だが性的なことはしないと約束したため欲求を我慢して徹底的に穢れを拭いていく。
「っん、……ん、……っぅ……!」
胸がジリジリと赤くなるまで拭うとバルタザールは瞳を甘くし、声を抑えるのもやっとな様子で理性が溶けかけているようだった。この様子だともう暴れることは出来ないだろう。魔法を解いて仕上げに拭うとバルタザールは感じているのだろう、腰を無意識に揺らしていた。
もっと虐めたいけれどここまで拭えば穢れは取れているだろう。バルタザールの下に目線を向ける。
拘束しているから下を脱がすことは出来ない。枷を作る時に余った鉄を使い、魔法で鋏にしてそれで下を裂いていく。バルタザールは次にされることを予感したらしい。溶けかけた理性を取り戻し、アレクシスに訴える。
「俺は何も触られてない! 結局ヤらずに宿を出たんだ! だから──っ……!」
彼の口から直接的な言葉を聞いてブワッと暗い感情が湧いてくる。丁度鋏を下衣に入れるところだったからなのもあるだろう。バルタザールはアレクシスの激情巡る表情に恐怖から息を詰めていた。
もしかしたら自身の諸共切られるかもしれない。そんなことを恐れているのかちょきん、ちょきんと下衣を裂いている間、バルタザールは微動だにしなかった。
現れたそれは人を表すように男らしいもので下に触れる直前、またバルタザールが小さく反抗するが執拗に拭っていくと歯向かうよりじっとしている方が早く終わると思ったのか、目は閉じ、眉間に皺を寄せてぐっと口を結んで刺激に耐えていた。
ようやく綺麗にすると、バルタザールの竿は刺激で緩く勃ち上がっていた。それを恥ずかしそうに脚を閉じて隠しながら投げやり気味に言う。
「もう終わりでいいだろう。早く枷を外せ」
だがこのままバルタザールの言葉に従うわけにはいかなかった。
「寝たのは男? 女?」
「……男だ。だが寝てなんかいねぇ」
「意外。君は男に興味はないと思ってた」
「お前のために仕方なくだったんだよ」
「俺のため?」
「お前にとってこれから暮らすには人間のいない国の方がいいと思って獣人の国フラフィンについて調べてたんだよ。そこで男が、寝たらフラフィンについて教えるって言うんでそれで仕方なく。けど途中で嘘だってわかったから結局ヤらず帰って来たんだ」
バルタザールが自身の体を穢すのも厭わず自分のためにそこまでしてくれた。他人に中を犯されても仲間のためなら。自分だったらたとえ信頼する相棒のためだとはいえそんなことには踏み切れない。そうかと納得する。
(君は俺のことが好きだったんだね)
本人は気付いていないのかもしれない。だがそこまで出来るのは好きだからという理由以外見つからない。
「バルタザール、ありがとう。やっと君を心から理解出来た気がする」
バルタザールは言葉の意味がわからないのだろう、訝しげにしていた。だが納得したならそれでいいとバルタザールはあまり意味を考えずにアレクシスを急かせる。
「そうか、それならよかった。アレクシス、頼むからさっさと枷を外してくれ」
「バルタザール、君が俺と同じ気持ちなのが嬉しいよ」
「そうだな。だから早く……おい、何やってんだよ」
下を脱ぐと既にアレクシスの中心は熱が巡って勃っていた。バルタザールが顔色を変えて体を固まらせる。
「君には自分自身の気持ちに気付いて欲しいんだ。それに寝てないとは言っても中は弄られただろうから上書きしたい」
「お前何言って……。中って俺はそっち側じゃあ……」
「こんなかわいい人を中を弄りもせずみすみす逃すはずがないだろう」
バルタザールは迫るアレクシスにやめろ、話を聞け、弄られてなんかないと訴えていたが、本当にそうだとしても一つになってバルタザールに自分の気持ちに気付いて欲しいからやめるつもりはない。
それを彼も察知したのだろう。バルタザールは説得するのをやめて、逃れようと暴れるが無力にじゃらじゃらと鎖が鳴るだけだ。「クソッ」と口汚く焦るが、ピタリと熱を後孔に押し付けた瞬間、怯えたように体が強張る。初めては誰しも怖いものだろう。
魔法で粘液を出して、後孔を濡らす。
「慣らされてるだろうからそのまま挿入れるね。大丈夫、怖くないよ。最初はちゃんと優しくするから」
そう言って彼にキスをしようと思ったが、恥ずかしいのか顔を背けられたため、頬に軽く唇を落とし、安心させようと震える手を握る。
「ぁあっ……!」
ゆっくりと中に埋めていくとバルタザールは痛いのか顔を歪める。思ったより狭いな、なんて思いながら腰を進めていく。
「ああっ……ん、アレクシス……っぅう、やめてくれ」
バルタザールが苦しみながら懇願する。
1
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
【完結】鳥籠の中で義理の兄は弟から溺愛され、連続殺人から守られる
晴 菜葉
BL
昭和初期。
滋養強壮の秘薬とする王宜丸で知られる辰屋清春堂の店主、辰川清右衛門には、息子が二人いた。
一人は正妻の息子、森雪。
そしてもうひとりは、妾の子である吉森。
彼らの父は、三年前に凄惨な死に方をした。
そして、今また、辰屋が狙われる。
不気味な子守唄によって……。
次々に襲いかかる得体の知れない犯人と対峙する吉森は、隠していた本心を暴かれていく。
連続ミステリーのため、R15にしています
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
傾国のΩと呼ばれて破滅したと思えば人生をやり直すことになったので、今度は遠くから前世の番を見守ることにします
槿 資紀
BL
傾国のΩと呼ばれた伯爵令息、リシャール・ロスフィードは、最愛の番である侯爵家嫡男ヨハネス・ケインを洗脳魔術によって不当に略奪され、無理やり番を解消させられた。
自らの半身にも等しいパートナーを失い狂気に堕ちたリシャールは、復讐の鬼と化し、自らを忘れてしまったヨハネスもろとも、ことを仕組んだ黒幕を一族郎党血祭りに上げた。そして、間もなく、その咎によって処刑される。
そんな彼の正気を呼び戻したのは、ヨハネスと出会う前の、9歳の自分として再び目覚めたという、にわかには信じがたい状況だった。
しかも、生まれ変わる前と違い、彼のすぐそばには、存在しなかったはずの双子の妹、ルトリューゼとかいうケッタイな娘までいるじゃないか。
さて、ルトリューゼはとかく奇妙な娘だった。何やら自分には前世の記憶があるだの、この世界は自分が前世で愛読していた小説の舞台であるだの、このままでは一族郎党処刑されて死んでしまうだの、そんな支離滅裂なことを口走るのである。ちらほらと心あたりがあるのがまた始末に負えない。
リシャールはそんな妹の話を聞き出すうちに、自らの価値観をまるきり塗り替える概念と出会う。
それこそ、『推し活』。愛する者を遠くから見守り、ただその者が幸せになることだけを一身に願って、まったくの赤の他人として尽くす、という営みである。
リシャールは正直なところ、もうあんな目に遭うのは懲り懲りだった。番だのΩだの傾国だのと鬱陶しく持て囃され、邪な欲望の的になるのも、愛する者を不当に奪われて、周囲の者もろとも人生を棒に振るのも。
愛する人を、自分の破滅に巻き込むのも、全部たくさんだった。
今もなお、ヨハネスのことを愛おしく思う気持ちに変わりはない。しかし、惨憺たる結末を変えるなら、彼と出会っていない今がチャンスだと、リシャールは確信した。
いざ、思いがけず手に入れた二度目の人生は、推し活に全てを捧げよう。愛するヨハネスのことは遠くで見守り、他人として、その幸せを願うのだ、と。
推し活を万全に営むため、露払いと称しては、無自覚に暗躍を始めるリシャール。かかわりを持たないよう徹底的に避けているにも関わらず、なぜか向こうから果敢に接近してくる終生の推しヨハネス。真意の読めない飄々とした顔で事あるごとにちょっかいをかけてくる王太子。頭の良さに割くべきリソースをすべて顔に費やした愛すべき妹ルトリューゼ。
不本意にも、様子のおかしい連中に囲まれるようになった彼が、平穏な推し活に勤しめる日は、果たして訪れるのだろうか。
買われた悪役令息は攻略対象に異常なくらい愛でられてます
瑳来
BL
元は純日本人の俺は不慮な事故にあい死んでしまった。そんな俺の第2の人生は死ぬ前に姉がやっていた乙女ゲームの悪役令息だった。悪役令息の役割を全うしていた俺はついに天罰がくらい捕らえられて人身売買のオークションに出品されていた。
そこで俺を落札したのは俺を破滅へと追い込んだ王家の第1王子でありゲームの攻略対象だった。
そんな落ちぶれた俺と俺を買った何考えてるかわかんない王子との生活がはじまった。
転生するにしても、これは無いだろ! ~死ぬ間際に読んでいた小説の悪役に転生しましたが、自分を殺すはずの最強主人公が逃がしてくれません~
槿 資紀
BL
駅のホームでネット小説を読んでいたところ、不慮の事故で電車に撥ねられ、死んでしまった平凡な男子高校生。しかし、二度と目覚めるはずのなかった彼は、死ぬ直前まで読んでいた小説に登場する悪役として再び目覚める。このままでは、自分のことを憎む最強主人公に殺されてしまうため、何とか逃げ出そうとするのだが、当の最強主人公の態度は、小説とはどこか違って――――。
最強スパダリ主人公×薄幸悪役転生者
R‐18展開は今のところ予定しておりません。ご了承ください。
【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした
エウラ
BL
どうしてこうなったのか。
僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。
なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい?
孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。
僕、頑張って大きくなって恩返しするからね!
天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。
突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。
不定期投稿です。
本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。
弟に殺される”兄”に転生したがこんなに愛されるなんて聞いてない。
浅倉
BL
目を覚ますと目の前には俺を心配そうに見つめる彼の姿。
既視感を感じる彼の姿に俺は”小説”の中に出てくる主人公
”ヴィンセント”だと判明。
そしてまさかの俺がヴィンセントを虐め残酷に殺される兄だと?!
次々と訪れる沢山の試練を前にどうにか弟に殺されないルートを必死に進む。
だがそんな俺の前に大きな壁が!
このままでは原作通り殺されてしまう。
どうにかして乗り越えなければ!
妙に執着してくる”弟”と死なないように奮闘する”兄”の少し甘い物語___
ヤンデレ執着な弟×クールで鈍感な兄
※固定CP
※投稿不定期
※初めの方はヤンデレ要素少なめ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる