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第三十五話 プロポーズ
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※イェルク視点
「イライアス、今日はお前の好きなオレンジを持って来たぞ~。今切ってやるからなぁ」
ベッドに横になるイライアスに見えるようにいっぱいのオレンジが入ったかごを斜めにする。
けれどイライアスは天井を見つめたまま一目もこちらを見ようとしない。
はぁ……とため息を吐くところを寸前に止める。
風邪から回復してからずっとこの調子だ。空腹を感じないのか自ら何も食べようともせず、人形のようにただそこにいるだけ。人形と違うのは息をしているということくらいだ。
それに看護師が食べさせてもほとんどの食物を口にしないせいでイライアスは前と比べ随分と痩せ細ってしまった。
イライアスはアランの死に随分と参っているようだった。けれど俺まで参ってしまってはイライアスを元気付けることなど不可能だ。ここは気を取り直してベッド際の椅子に腰掛けオレンジをナイフで切る。
「ほら果肉たっぷりでとっても美味しそうだろ~。グランツォレ帝国にあるオレンジの名産地カルラルチから取り寄せたんだ。どうだ? 一口食べてみないか?」
そうして一切れのオレンジをイライアスに差し出すが、イライアスは天井を見つめたまま動かない。
好物なら食べてくれるかと思ったが、安易すぎたか。
「そうか、今はあまり腹が減ってないか。ならここに置いておくから。食べたくなったら遠慮なく食え」
明るい調子で続けて、取り出した皿へ切ったオレンジを乗せてサイドテーブルに置くが、それに見向きもしない。
俺はまるで客のいない一人芝居でもしているようだった。
胸が張り裂けそうな思いになる。思わず俺はイライアスの痩せ細り骨の浮き出た腕を手に取った。
「……イライアス」
アランが狂ってしまうほどにイライアスに並々ならぬ感情を抱いていたのは知っていた。イライアスも兄を想い一人戦場に突っ込んで行った話も聞いてはいた。けれどイライアスにとってアランがこんなにも大切な存在だったとは知らなかった。
手を握り摩ってみても反応のない彼に、まるでアランの死と同時にイライアスも死んでしまったようで耐えれなくなる。
駄目だ、駄目だ。イライアスを元気付けるんだろ!
そう自分を鼓舞して無理矢理にでも笑顔を作る。
「イライアス、今日は天気が良いから気分転換に外を散歩しないか?」
「………………」
「今車椅子を持ってくるからな。少し待っててくれよ」
そうして一旦部屋を出て使用人に車椅子の用意を頼む。『待っててくれ』なんてそんなこと言わずともイライアスは当然動かないだろうに。心の内でそんな意地悪な一言が漏れるが無視する。
生前アランが教えてくれた通りに庭園ではなく、イライアスの好きな野花の咲く宮廷近くの森を二人だけで散歩する。
「たまには狩りではなく、こうして歩くだけというのも良いものだな。鳥の囀りが耳に心地いい。なぁイライアスもそう思うだろ?」
「………………」
「ああ、そうだ。グランツォレ帝国ではよく鹿を狩るんだが、イライアスは狩りは得意か? 俺は結構得意なんだぜ。そりゃあ皆に狩りの名手だと褒められるくらいには上手いんだ。イライアス、どうだ今度俺とどちらが多く狩れるか競争してみないか?」
イライアスの食いつきが良さそうな話題を出してみても、イライアスは車椅子からぼうっとどこかを見つめるだけ。予想通りだったが、辛くて目を逸らしそうになる。
けれど俺は諦めたりはしない。
車椅子を進め、使用人から教えてもらった奥にある湖を目指す。
「……綺麗だな」
目にした美しさに思わず感嘆する。
水面に鮮やかな緑の葉が舞い、木漏れ日に当たりダイヤモンドの宝石を作ってキラキラと輝く。そしてその周囲に咲く小人のように小さく可愛らしい白い野花たち。まるでそこはおとぎ話の世界のようだった。
「ほら、イライアス見てごらんよ」
そう車椅子を押して野花の近くにやるも、花にすら視線を向けない。ならと俺は花を一つ取り、イライアスに握らせた。
「本当に小さな花だな。こんな厳しい自然でどう生きているのか不思議に思うくらいだ。この花の名前はなんて言うのだろうな。イライアスは知っているか?」
そう反応を窺ってみるも、イライアスは力の抜けた手から花をポロリと地面に落としてしまった。
その様にため息を吐き、しばらく落ちた花を見つめてしまいそうになるが、すぐに拾って「もう何やってんだよ」と軽く笑いかけながらもう一度手に握らせる。
イライアスはいつまでこの状態なのだろうか。時間が経てばイライアスの心も戻って来てくれるのだろうか。
主治医グエルの言葉を思い出す。
『イライアス殿下のお身体は膨大な魔力に非常に左右されやすく、常に医師の注視が欠かせない状態です。しかしこの国は魔法も医療も我が国に比べ三百年以上遅れている。イライアス殿下の身を案じるのなら充分に医療設備が整ったグランツォレ帝国へ一刻も早く移すべきです』
俺もその通りだとこの国に来てからずっと感じていた。イライアスの体の病弱さは魔力が原因なのにそもそも魔法を使える者が少ない。医療だってグランツォレに比べて格段と劣っている。
イライアスの苦痛を無くすには一刻も早くグランツォレ帝国へ連れて行くべきだった。
しかしそれはイライアスとの結婚を意味する。
イライアスはアランを失くしたばかり。決して機会は今ではないだろう。本当はもっと日が経ってから、イライアスが元気になってから言うべきだ。
けれどいつ心が戻るかも分からないイライアスをいつまでも待つわけにはいかない。
療養とでも言えばまた違うのだろうが、こうなってしまったイライアスを見て俺は彼の幸福を望むようになった。だから俺は結婚の誓いをもってイライアスを幸せにしたかった。
それに俺はアランにイライアスを頼まれたのだ。ならやるべきことは一つだろう。
「イライアス、実はお前に話があるんだ」
車椅子の前に跪き、ぼうっとしたイライアスの視線と自身の視線を合わせる。
「本当はもっとイライアスの元気が戻ってきたら話そうと思っていたんだが、そう待てない事情があってな。だから今ここで話すよ」
自我が薄くとも視線が合っているからだろうか。緊張して喉がカラカラになる。ゴクリとない唾を呑み込む。
「……イライアス、俺と結婚してくれないか?」
思い切って言い切る。
反応は……ない。
少しは期待していたが、やはり駄目だったか。
それでも俺は話し続ける。反応は無くともイライアスは聞いてはいてくれるのだ。
「男同士の結婚などこちらでは信じられない話だろうが、グランツォレでは法律として認められていることなんだ。だがどうか身構えないで欲しい。ただ結婚と言っても実体は違うんだ。そうだな、結婚とは名ばかりの療養とでも思ってくれ」
プロポーズはイライアスにとっては然程重要な話ではない。これ以上イライアスの心に負担を掛けないようになるべく雰囲気を軽くして続ける。
「別に断ってくれても構わないんだ。療養としての招待ではなくこうして結婚を申し込んでいるのはただ単に俺のわがままだ。俺は結婚を通してお前と仲良くなりたいと願っているだけだからな。だから断るのなら気軽でいいし、その時は療養を目的としてお前を我が国に招きたい。だがただ俺は生半可にお前に結婚を申し込んでいるわけじゃない。結婚したからにはお前を必ず幸せにするつもりだ」
反応のないイライアスに話を続ける。
「お前の父上からも了承は得ている。イライアス、どうだろう? はいなら首を縦に嫌なら首を横に振るだけでいいから返事してもらえないだろうか?」
虚な瞳は変わらない。けれど俺は返事が来るまでずっと待つつもりだった。
ふとイライアスの血のように赤い瞳が微かに揺れる。たったそれだけでも何日かぶりの反応にただ喜びが溢れた。期待に胸が膨らんで、その後の一挙一動を逃さないよう凝視する。
イライアスの口が開く。
「もうどうでもいい」
沈黙を突き破るにしてはあまりにも衝撃的で幻聴なのかと思った。けれど確かに俺はイライアスの声を耳にした。
その一言だけを呟いてイライアスはまた虚にどこかへ意識を向ける。
……そうか、お前の傷はそこまで…………。
自分のことのように悲しみが心を占める。
イライアスには何の支えにもならないだろうが、俺は力なく花を持つイライアスの手をぎゅっと握らずにはいられなかった。
「イライアス、今日はお前の好きなオレンジを持って来たぞ~。今切ってやるからなぁ」
ベッドに横になるイライアスに見えるようにいっぱいのオレンジが入ったかごを斜めにする。
けれどイライアスは天井を見つめたまま一目もこちらを見ようとしない。
はぁ……とため息を吐くところを寸前に止める。
風邪から回復してからずっとこの調子だ。空腹を感じないのか自ら何も食べようともせず、人形のようにただそこにいるだけ。人形と違うのは息をしているということくらいだ。
それに看護師が食べさせてもほとんどの食物を口にしないせいでイライアスは前と比べ随分と痩せ細ってしまった。
イライアスはアランの死に随分と参っているようだった。けれど俺まで参ってしまってはイライアスを元気付けることなど不可能だ。ここは気を取り直してベッド際の椅子に腰掛けオレンジをナイフで切る。
「ほら果肉たっぷりでとっても美味しそうだろ~。グランツォレ帝国にあるオレンジの名産地カルラルチから取り寄せたんだ。どうだ? 一口食べてみないか?」
そうして一切れのオレンジをイライアスに差し出すが、イライアスは天井を見つめたまま動かない。
好物なら食べてくれるかと思ったが、安易すぎたか。
「そうか、今はあまり腹が減ってないか。ならここに置いておくから。食べたくなったら遠慮なく食え」
明るい調子で続けて、取り出した皿へ切ったオレンジを乗せてサイドテーブルに置くが、それに見向きもしない。
俺はまるで客のいない一人芝居でもしているようだった。
胸が張り裂けそうな思いになる。思わず俺はイライアスの痩せ細り骨の浮き出た腕を手に取った。
「……イライアス」
アランが狂ってしまうほどにイライアスに並々ならぬ感情を抱いていたのは知っていた。イライアスも兄を想い一人戦場に突っ込んで行った話も聞いてはいた。けれどイライアスにとってアランがこんなにも大切な存在だったとは知らなかった。
手を握り摩ってみても反応のない彼に、まるでアランの死と同時にイライアスも死んでしまったようで耐えれなくなる。
駄目だ、駄目だ。イライアスを元気付けるんだろ!
そう自分を鼓舞して無理矢理にでも笑顔を作る。
「イライアス、今日は天気が良いから気分転換に外を散歩しないか?」
「………………」
「今車椅子を持ってくるからな。少し待っててくれよ」
そうして一旦部屋を出て使用人に車椅子の用意を頼む。『待っててくれ』なんてそんなこと言わずともイライアスは当然動かないだろうに。心の内でそんな意地悪な一言が漏れるが無視する。
生前アランが教えてくれた通りに庭園ではなく、イライアスの好きな野花の咲く宮廷近くの森を二人だけで散歩する。
「たまには狩りではなく、こうして歩くだけというのも良いものだな。鳥の囀りが耳に心地いい。なぁイライアスもそう思うだろ?」
「………………」
「ああ、そうだ。グランツォレ帝国ではよく鹿を狩るんだが、イライアスは狩りは得意か? 俺は結構得意なんだぜ。そりゃあ皆に狩りの名手だと褒められるくらいには上手いんだ。イライアス、どうだ今度俺とどちらが多く狩れるか競争してみないか?」
イライアスの食いつきが良さそうな話題を出してみても、イライアスは車椅子からぼうっとどこかを見つめるだけ。予想通りだったが、辛くて目を逸らしそうになる。
けれど俺は諦めたりはしない。
車椅子を進め、使用人から教えてもらった奥にある湖を目指す。
「……綺麗だな」
目にした美しさに思わず感嘆する。
水面に鮮やかな緑の葉が舞い、木漏れ日に当たりダイヤモンドの宝石を作ってキラキラと輝く。そしてその周囲に咲く小人のように小さく可愛らしい白い野花たち。まるでそこはおとぎ話の世界のようだった。
「ほら、イライアス見てごらんよ」
そう車椅子を押して野花の近くにやるも、花にすら視線を向けない。ならと俺は花を一つ取り、イライアスに握らせた。
「本当に小さな花だな。こんな厳しい自然でどう生きているのか不思議に思うくらいだ。この花の名前はなんて言うのだろうな。イライアスは知っているか?」
そう反応を窺ってみるも、イライアスは力の抜けた手から花をポロリと地面に落としてしまった。
その様にため息を吐き、しばらく落ちた花を見つめてしまいそうになるが、すぐに拾って「もう何やってんだよ」と軽く笑いかけながらもう一度手に握らせる。
イライアスはいつまでこの状態なのだろうか。時間が経てばイライアスの心も戻って来てくれるのだろうか。
主治医グエルの言葉を思い出す。
『イライアス殿下のお身体は膨大な魔力に非常に左右されやすく、常に医師の注視が欠かせない状態です。しかしこの国は魔法も医療も我が国に比べ三百年以上遅れている。イライアス殿下の身を案じるのなら充分に医療設備が整ったグランツォレ帝国へ一刻も早く移すべきです』
俺もその通りだとこの国に来てからずっと感じていた。イライアスの体の病弱さは魔力が原因なのにそもそも魔法を使える者が少ない。医療だってグランツォレに比べて格段と劣っている。
イライアスの苦痛を無くすには一刻も早くグランツォレ帝国へ連れて行くべきだった。
しかしそれはイライアスとの結婚を意味する。
イライアスはアランを失くしたばかり。決して機会は今ではないだろう。本当はもっと日が経ってから、イライアスが元気になってから言うべきだ。
けれどいつ心が戻るかも分からないイライアスをいつまでも待つわけにはいかない。
療養とでも言えばまた違うのだろうが、こうなってしまったイライアスを見て俺は彼の幸福を望むようになった。だから俺は結婚の誓いをもってイライアスを幸せにしたかった。
それに俺はアランにイライアスを頼まれたのだ。ならやるべきことは一つだろう。
「イライアス、実はお前に話があるんだ」
車椅子の前に跪き、ぼうっとしたイライアスの視線と自身の視線を合わせる。
「本当はもっとイライアスの元気が戻ってきたら話そうと思っていたんだが、そう待てない事情があってな。だから今ここで話すよ」
自我が薄くとも視線が合っているからだろうか。緊張して喉がカラカラになる。ゴクリとない唾を呑み込む。
「……イライアス、俺と結婚してくれないか?」
思い切って言い切る。
反応は……ない。
少しは期待していたが、やはり駄目だったか。
それでも俺は話し続ける。反応は無くともイライアスは聞いてはいてくれるのだ。
「男同士の結婚などこちらでは信じられない話だろうが、グランツォレでは法律として認められていることなんだ。だがどうか身構えないで欲しい。ただ結婚と言っても実体は違うんだ。そうだな、結婚とは名ばかりの療養とでも思ってくれ」
プロポーズはイライアスにとっては然程重要な話ではない。これ以上イライアスの心に負担を掛けないようになるべく雰囲気を軽くして続ける。
「別に断ってくれても構わないんだ。療養としての招待ではなくこうして結婚を申し込んでいるのはただ単に俺のわがままだ。俺は結婚を通してお前と仲良くなりたいと願っているだけだからな。だから断るのなら気軽でいいし、その時は療養を目的としてお前を我が国に招きたい。だがただ俺は生半可にお前に結婚を申し込んでいるわけじゃない。結婚したからにはお前を必ず幸せにするつもりだ」
反応のないイライアスに話を続ける。
「お前の父上からも了承は得ている。イライアス、どうだろう? はいなら首を縦に嫌なら首を横に振るだけでいいから返事してもらえないだろうか?」
虚な瞳は変わらない。けれど俺は返事が来るまでずっと待つつもりだった。
ふとイライアスの血のように赤い瞳が微かに揺れる。たったそれだけでも何日かぶりの反応にただ喜びが溢れた。期待に胸が膨らんで、その後の一挙一動を逃さないよう凝視する。
イライアスの口が開く。
「もうどうでもいい」
沈黙を突き破るにしてはあまりにも衝撃的で幻聴なのかと思った。けれど確かに俺はイライアスの声を耳にした。
その一言だけを呟いてイライアスはまた虚にどこかへ意識を向ける。
……そうか、お前の傷はそこまで…………。
自分のことのように悲しみが心を占める。
イライアスには何の支えにもならないだろうが、俺は力なく花を持つイライアスの手をぎゅっと握らずにはいられなかった。
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