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番外編(本編の内容とは少し異なります。時系列バラバラです)
⑧新しい世界(クーシャ&リオノーラ)
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(王家のお茶会中、リオノーラとクーシャの会話)
「……クーシャ?」
「…………」
「どうしたの?クーシャ」
「あ……なんでもないです」
「そう。何かあったら言ってね」
ぼーっと心ここに在らずのクーシャは最近よく考え込んでいる姿を目にする。
クーシャを休ませようと声を掛けようとした時だった。
「お姉様、リオノーラお姉様……っ!私、向こうのお菓子が食べたいわ」
「お菓子ならいいわよ、お菓子ならね」
「はい、食べ過ぎないように気をつけますねっ!」
嬉しそうなスフレには、リオノーラに意図は伝わっていないだろう。
少しでもデリックの側に行きたいのか、お菓子と言いながらも人混みに行ってしまった。
やり方は乙女ゲームの中のリオノーラと違うのだが、強引ではないものの、なかなかに積極的である。
リオノーラは家の権力と横暴な態度で押し通った感じではあるが、スフレも同じ公爵令嬢だ。
周囲は不満があっても強くは出られないだろう。
スフレも心配で様子を見たいのだが、顔には出てないがクーシャもいつもと違って疲れているように思えた。
「クーシャ、大丈夫?何か食べる?」
「いえ……僕は」
「少し頂きましょう。わたくしもお腹すいたの」
「……はい」
「ふふっ、クーシャは待っててね。わたくしがクーシャの好きそうなものを持ってくるから」
「姉上っ!待ってください、僕が行きます」
「いいのよ、たまにはわたくしもクーシャに色々とやってあげたいのよ」
「……すみません」
「クーシャ、わたくし達は家族なのよ。遠慮しないで」
「え……?あっ……ありがとうございます」
「少し待っててね」
仕方がない事だが、クーシャはリオノーラや他のことに対して過度に遠慮することがある。
クーシャが以前、家で酷い扱いを受けていたことは聞いていた。
だから居る時だけでも弟として可愛がってあげたいと思うのはエゴだろうか。
クーシャとの間に、どうしても踏み込めない一線があった。
素直で、聡明で頭も回るが常に人の表情を伺い、すぐに謝罪をしてしまうのは貴族としてあまりいいらとは言えないだろう。
(どうすれがもっとクーシャが心を開いてくれるのかしらま
小さな肩にのし掛かる重圧を少しでも和らげられたらとは思うのだが、ダーカー公爵邸に帰るといつもスフレが甘えてくるのでクーシャとの時間はなかなかとれずにいる。
数年掛けて、食べ物の好みなどは知る事はできたのだが……。
(まだクーシャの笑った顔を見たことがないわ……これじゃあ姉失格かしら)
そう思うと、リオノーラは落ち込まずにはいられなかった。
(これと、これと……。デリックとかユーリンの好みはわかりやすいけど。あ、これはどうかしら)
色々と皿の上に乗せていくと山盛りになってしまった。
(こうなったら、クーシャとの時間を取るしかないわ!)
そう決意したリオノーラはクーシャの元に歩き出した。
「……クーシャ?」
「…………」
「どうしたの?クーシャ」
「あ……なんでもないです」
「そう。何かあったら言ってね」
ぼーっと心ここに在らずのクーシャは最近よく考え込んでいる姿を目にする。
クーシャを休ませようと声を掛けようとした時だった。
「お姉様、リオノーラお姉様……っ!私、向こうのお菓子が食べたいわ」
「お菓子ならいいわよ、お菓子ならね」
「はい、食べ過ぎないように気をつけますねっ!」
嬉しそうなスフレには、リオノーラに意図は伝わっていないだろう。
少しでもデリックの側に行きたいのか、お菓子と言いながらも人混みに行ってしまった。
やり方は乙女ゲームの中のリオノーラと違うのだが、強引ではないものの、なかなかに積極的である。
リオノーラは家の権力と横暴な態度で押し通った感じではあるが、スフレも同じ公爵令嬢だ。
周囲は不満があっても強くは出られないだろう。
スフレも心配で様子を見たいのだが、顔には出てないがクーシャもいつもと違って疲れているように思えた。
「クーシャ、大丈夫?何か食べる?」
「いえ……僕は」
「少し頂きましょう。わたくしもお腹すいたの」
「……はい」
「ふふっ、クーシャは待っててね。わたくしがクーシャの好きそうなものを持ってくるから」
「姉上っ!待ってください、僕が行きます」
「いいのよ、たまにはわたくしもクーシャに色々とやってあげたいのよ」
「……すみません」
「クーシャ、わたくし達は家族なのよ。遠慮しないで」
「え……?あっ……ありがとうございます」
「少し待っててね」
仕方がない事だが、クーシャはリオノーラや他のことに対して過度に遠慮することがある。
クーシャが以前、家で酷い扱いを受けていたことは聞いていた。
だから居る時だけでも弟として可愛がってあげたいと思うのはエゴだろうか。
クーシャとの間に、どうしても踏み込めない一線があった。
素直で、聡明で頭も回るが常に人の表情を伺い、すぐに謝罪をしてしまうのは貴族としてあまりいいらとは言えないだろう。
(どうすれがもっとクーシャが心を開いてくれるのかしらま
小さな肩にのし掛かる重圧を少しでも和らげられたらとは思うのだが、ダーカー公爵邸に帰るといつもスフレが甘えてくるのでクーシャとの時間はなかなかとれずにいる。
数年掛けて、食べ物の好みなどは知る事はできたのだが……。
(まだクーシャの笑った顔を見たことがないわ……これじゃあ姉失格かしら)
そう思うと、リオノーラは落ち込まずにはいられなかった。
(これと、これと……。デリックとかユーリンの好みはわかりやすいけど。あ、これはどうかしら)
色々と皿の上に乗せていくと山盛りになってしまった。
(こうなったら、クーシャとの時間を取るしかないわ!)
そう決意したリオノーラはクーシャの元に歩き出した。
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