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四章
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その手紙には、あくまでもフェーブル王国のためだということ。
そしてフランソワーズを無事にフェーブル王国に返す等の約束が守られなければ、シュバリタイア王国に対して軍事行使を行い容赦なく潰していく姿勢だということが伝えられた。
セドリックが来てから一週間ほどの月日が流れて
シュバリタイア王国から、早馬で手紙を届けた騎士は全身傷だらけだった。
やっと国まで戻ることができたと安堵しながら涙していた。
何があったのかとステファンが問いかけるが「恐ろしいことがぁ……!」と、震えながら怯えており、答えられる状況ではないようだ。
手当てをするために城の医務室に運ばれたが「シュバリタイア王国は終わりだ」という言葉が、フランソワーズの耳に届く。
ところどころが土で汚れた白い封筒にはシュバリタイア王国の王家の家紋の蝋印があった。
フェーブル国王が中を開くと、紙には涙が滲んでいた。
『約束は必ず守る。なんでもするから助けてくれ』
そんな悲痛な叫びが書かれていた。
どうやらフランソワーズが思っているよりも、ずっとひどい状況にあるようだ。
フランソワーズはイザークとノア、ステファンと共にすぐにシュバリタイア王国へと向かうことになった。
その後ろからはフェーブル国王がフランソワーズのために用意した護衛がズラリと列をなしている。
オリーヴが見送りに来てくれた。
「フランソワーズ、絶対に帰ってきてね」
「えぇ、もちろんよ」
彼女は泣きそうになりながらも、フランソワーズを抱きしめた。
フェーブル王国を出て、シュバリタイア王国に近づけば近づくほど、不気味な黒い雲が広がり空は暗くなっていく。
国境を越えると、辺境の街は見るも無惨に荒れ果てていた。
建物は壊れて、そこら中から煙が立ち昇っている。
まるで戦地のような光景だっが、人はおらず静まり返っていた。
(どうしてこんなひどいことに……?)
フランソワーズが婚約破棄をされて、フェーブル王国に向かおうとステファンと共に移動していた際に立ち寄った街も今は見る影もない。
まるで別の場所のようだ。
そしてフェーブル王国からついてきた騎士たちにも影響が及んでしまう。
なんと夜になると突然、剣を振り回して暴れ回ったのだ。
ステファンたちが食い止めるものの、まるで声が届いていないようだった。
フランソワーズは聖女の力を使って騎士を鎮めたが、間違いなく宝玉の影響を受けているのだと思った。
(街の人たちもきっと影響を受けているんだわ……!)
その証拠に夜になると人々は破壊行動を繰り返す。
フランソワーズも鍛え上げられた騎士たちに毎夜暴れ回られては、王都につくまでにどうなるかわからない。
そう思っていたが、教会に入ることで落ち着くことがわかった。
教会にいれば悪魔の影響は受けずに、暴れている人たちも正気を取り戻すようだ。
ステファンと話し合った結果、護衛の騎士たちには国に戻ってもらい少人数で移動することにした。
「皆、気をつけて帰るように。もし暴れる者が現れたら教会に運んでくれ」
騎士たちは、ここにいるだけでつらいのか額に汗を浮かべている。
このままだと自分たちも迷惑をかけてしまうことがわかっていたからだろう。
騎士たちはフェーブル王国に引き返すこととなった。
残ったノアとイザークも息苦しさを感じているらしい。
(……こんな風に影響が出てしまうのね。このままではフェーブル王国にも)
影響をまったく受けていないのは、ステファンとフランソワーズくらいだった。
少しでも楽になるようにとフランソワーズはノアとイザークの胸元に手を当てて力を使う。
すると呼吸が楽になったのか二人の顔色がよくなったような気がした。
そしてフランソワーズを無事にフェーブル王国に返す等の約束が守られなければ、シュバリタイア王国に対して軍事行使を行い容赦なく潰していく姿勢だということが伝えられた。
セドリックが来てから一週間ほどの月日が流れて
シュバリタイア王国から、早馬で手紙を届けた騎士は全身傷だらけだった。
やっと国まで戻ることができたと安堵しながら涙していた。
何があったのかとステファンが問いかけるが「恐ろしいことがぁ……!」と、震えながら怯えており、答えられる状況ではないようだ。
手当てをするために城の医務室に運ばれたが「シュバリタイア王国は終わりだ」という言葉が、フランソワーズの耳に届く。
ところどころが土で汚れた白い封筒にはシュバリタイア王国の王家の家紋の蝋印があった。
フェーブル国王が中を開くと、紙には涙が滲んでいた。
『約束は必ず守る。なんでもするから助けてくれ』
そんな悲痛な叫びが書かれていた。
どうやらフランソワーズが思っているよりも、ずっとひどい状況にあるようだ。
フランソワーズはイザークとノア、ステファンと共にすぐにシュバリタイア王国へと向かうことになった。
その後ろからはフェーブル国王がフランソワーズのために用意した護衛がズラリと列をなしている。
オリーヴが見送りに来てくれた。
「フランソワーズ、絶対に帰ってきてね」
「えぇ、もちろんよ」
彼女は泣きそうになりながらも、フランソワーズを抱きしめた。
フェーブル王国を出て、シュバリタイア王国に近づけば近づくほど、不気味な黒い雲が広がり空は暗くなっていく。
国境を越えると、辺境の街は見るも無惨に荒れ果てていた。
建物は壊れて、そこら中から煙が立ち昇っている。
まるで戦地のような光景だっが、人はおらず静まり返っていた。
(どうしてこんなひどいことに……?)
フランソワーズが婚約破棄をされて、フェーブル王国に向かおうとステファンと共に移動していた際に立ち寄った街も今は見る影もない。
まるで別の場所のようだ。
そしてフェーブル王国からついてきた騎士たちにも影響が及んでしまう。
なんと夜になると突然、剣を振り回して暴れ回ったのだ。
ステファンたちが食い止めるものの、まるで声が届いていないようだった。
フランソワーズは聖女の力を使って騎士を鎮めたが、間違いなく宝玉の影響を受けているのだと思った。
(街の人たちもきっと影響を受けているんだわ……!)
その証拠に夜になると人々は破壊行動を繰り返す。
フランソワーズも鍛え上げられた騎士たちに毎夜暴れ回られては、王都につくまでにどうなるかわからない。
そう思っていたが、教会に入ることで落ち着くことがわかった。
教会にいれば悪魔の影響は受けずに、暴れている人たちも正気を取り戻すようだ。
ステファンと話し合った結果、護衛の騎士たちには国に戻ってもらい少人数で移動することにした。
「皆、気をつけて帰るように。もし暴れる者が現れたら教会に運んでくれ」
騎士たちは、ここにいるだけでつらいのか額に汗を浮かべている。
このままだと自分たちも迷惑をかけてしまうことがわかっていたからだろう。
騎士たちはフェーブル王国に引き返すこととなった。
残ったノアとイザークも息苦しさを感じているらしい。
(……こんな風に影響が出てしまうのね。このままではフェーブル王国にも)
影響をまったく受けていないのは、ステファンとフランソワーズくらいだった。
少しでも楽になるようにとフランソワーズはノアとイザークの胸元に手を当てて力を使う。
すると呼吸が楽になったのか二人の顔色がよくなったような気がした。
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