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楽の戦士トーチの章
140.なるべく楽な楽でない戦い-3
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よく咄嗟に出たなあ。というか、よくバーナーなんてマイナー魔法の事を覚えてたなあ。普通の冒険者なら習得していることすら忘れているようなものなのに。
冒険者といっても、稼ぎのパターンが決まれば、同じような行動になり、自然と状況への対応力というか、柔軟性はなくなっていく。
いくら状況に適していても、いつもと違うことは誰でもしなっていくものだが、メリルはそういう部分についても面倒くさがらずに最適解を探して行動している。
今の状況で抜け目なくバーナーを使う。そこだけ見れば突発的な閃きに見えるが、おそらく普段から覚えた魔法をどう使うか考えてているのだと思う。
使ったときまったく迷いがなかったし。
準備していないと、こういう風にすぐには選択できない。
他にも効果が微妙な習得魔法はいくつもあるので、それらの使い道をメリルがどういう風に考えているのかが気になる。が、今は目の前の戦闘だ。
炎に飲まれて一時的に足を止めたバーサクウルフだが、振り払うようにして体制を立て直すと、再び唸りをあげながら向かってくる。
魔物は基本的に攻撃をした奴を優先的に狙うもので、この瞬間は攻撃をしたパーティーの危険度が一気に高まる。
元々後衛を狙う傾向な強い魔物ではあるので、ここは前衛である俺が引き付ける役回りだ。
攻撃をしたメリルに狙いを切り替えたとき、奴らの視線から一瞬俺が外れる。その隙を狙って、俺は再び爪による攻撃を打ち込んだ。
それなりにダメージは通っているはずだが、まだまだ平気で切り返してくる。
完全に不意打ち出来た最初と違って、この反撃は避けている余裕がないので受けるしかない。
横薙ぎに飛んでくる攻撃を、後退しながらダメージを最小限にしつつ、片割れがメリルに向かわないように進路を塞ぐように回り込む。
体力的には受けきれるし、戦うことも出来ている。
今考えているのは、とはいえ回復はしないと間に合わないので、どこで回復アイテムを使うか、ということだった。
冒険者といっても、稼ぎのパターンが決まれば、同じような行動になり、自然と状況への対応力というか、柔軟性はなくなっていく。
いくら状況に適していても、いつもと違うことは誰でもしなっていくものだが、メリルはそういう部分についても面倒くさがらずに最適解を探して行動している。
今の状況で抜け目なくバーナーを使う。そこだけ見れば突発的な閃きに見えるが、おそらく普段から覚えた魔法をどう使うか考えてているのだと思う。
使ったときまったく迷いがなかったし。
準備していないと、こういう風にすぐには選択できない。
他にも効果が微妙な習得魔法はいくつもあるので、それらの使い道をメリルがどういう風に考えているのかが気になる。が、今は目の前の戦闘だ。
炎に飲まれて一時的に足を止めたバーサクウルフだが、振り払うようにして体制を立て直すと、再び唸りをあげながら向かってくる。
魔物は基本的に攻撃をした奴を優先的に狙うもので、この瞬間は攻撃をしたパーティーの危険度が一気に高まる。
元々後衛を狙う傾向な強い魔物ではあるので、ここは前衛である俺が引き付ける役回りだ。
攻撃をしたメリルに狙いを切り替えたとき、奴らの視線から一瞬俺が外れる。その隙を狙って、俺は再び爪による攻撃を打ち込んだ。
それなりにダメージは通っているはずだが、まだまだ平気で切り返してくる。
完全に不意打ち出来た最初と違って、この反撃は避けている余裕がないので受けるしかない。
横薙ぎに飛んでくる攻撃を、後退しながらダメージを最小限にしつつ、片割れがメリルに向かわないように進路を塞ぐように回り込む。
体力的には受けきれるし、戦うことも出来ている。
今考えているのは、とはいえ回復はしないと間に合わないので、どこで回復アイテムを使うか、ということだった。
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