125 / 240
楽の戦士トーチの章
125.楽しい気がする検証
しおりを挟む
使う前に、あらかじめ予習しておいたスキルの使い方を思い返す。
といってもアドバンスの発動方法はきわめて簡素だ。
相手の攻撃を盾で受けたときに、持ち手を握り込んで肘を張り、を軽く押し出すようにして構えていること。
襲い掛かってきたウェアウルフに対して、それを忠実に実行する。
「むっ……」
攻撃自体は難なく受け止められる。それはさっき確認した通りだが、思っていたよりも反動が大きい。踏ん張っていないと膝が沈む。
ずるずると足が床をこするようにして、数歩分後退する。
攻撃をしたウェアウルフも動揺に、大きく戦線を下げた。
これがアドバンスの効果ということだろう。
盾屋の男は突き放すだと説明したが、厳密にはお互いが受けるダメージ変わらず反動が増加する、というもののようだ。
攻撃が届く間合いからお互いが離れていくので、反撃は一切できず完全に仕切り直しになる。
「うーん」
距離が離れるのはともかく、こっちが反動を受けて一時的に硬直してしまうのは、予想していなかった。
本当に敵との距離を離すことだけが目的のスキルだ。
ただ身体が弾かれているわけではないので、防御が解かれてしまうわけではなく、そのまま守りを固め続けることは可能である。
その点はパリィと明確に異なる点だろう。パリィの場合、盾で敵の攻撃をはじき出しているので、一時的に守備を解除しなければいけなくなる。それがないのはメリットと言えるか。
離れた敵は後衛の魔法などで狙い撃ちにする事も出来そうだ。
前衛が完全に守りに入るような場面では、もしかしたらいいのかもしれない。
ただ今はメリルの魔法の負担が増えそうだったので、一旦試用を諦めて普通に接近して敵を処理する。
今回みたいな前衛の俺も攻撃に参加する場面では、やはり使い道がないかもしれない。
現状ではただの防御力20の盾だ。
とはいえアドバンススキルの使い道自体は意外とありそうな気がする。少なくとも守りも場面では出番があるかもしれない。
しかし、それにしてもやはりこっちの反動が増えてしまうというのはネックか。とにかく今はいろんな状況で使ってみるしかない。
……こういう地味な検証は、なんか久しぶりだな。
といってもアドバンスの発動方法はきわめて簡素だ。
相手の攻撃を盾で受けたときに、持ち手を握り込んで肘を張り、を軽く押し出すようにして構えていること。
襲い掛かってきたウェアウルフに対して、それを忠実に実行する。
「むっ……」
攻撃自体は難なく受け止められる。それはさっき確認した通りだが、思っていたよりも反動が大きい。踏ん張っていないと膝が沈む。
ずるずると足が床をこするようにして、数歩分後退する。
攻撃をしたウェアウルフも動揺に、大きく戦線を下げた。
これがアドバンスの効果ということだろう。
盾屋の男は突き放すだと説明したが、厳密にはお互いが受けるダメージ変わらず反動が増加する、というもののようだ。
攻撃が届く間合いからお互いが離れていくので、反撃は一切できず完全に仕切り直しになる。
「うーん」
距離が離れるのはともかく、こっちが反動を受けて一時的に硬直してしまうのは、予想していなかった。
本当に敵との距離を離すことだけが目的のスキルだ。
ただ身体が弾かれているわけではないので、防御が解かれてしまうわけではなく、そのまま守りを固め続けることは可能である。
その点はパリィと明確に異なる点だろう。パリィの場合、盾で敵の攻撃をはじき出しているので、一時的に守備を解除しなければいけなくなる。それがないのはメリットと言えるか。
離れた敵は後衛の魔法などで狙い撃ちにする事も出来そうだ。
前衛が完全に守りに入るような場面では、もしかしたらいいのかもしれない。
ただ今はメリルの魔法の負担が増えそうだったので、一旦試用を諦めて普通に接近して敵を処理する。
今回みたいな前衛の俺も攻撃に参加する場面では、やはり使い道がないかもしれない。
現状ではただの防御力20の盾だ。
とはいえアドバンススキルの使い道自体は意外とありそうな気がする。少なくとも守りも場面では出番があるかもしれない。
しかし、それにしてもやはりこっちの反動が増えてしまうというのはネックか。とにかく今はいろんな状況で使ってみるしかない。
……こういう地味な検証は、なんか久しぶりだな。
10
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
トリエステ王国の第三王女によるお転婆物語
ノン・タロー
ファンタジー
あたし、「ステラ・ムーン・トリエステ」はトリエステ王国の第三王女にして四人兄妹の末っ子として産まれた。
そんなあたしは、食事やダンスの作法や練習よりも騎士たちに混じって剣の稽古をするのが好きな自他ともに認めるお転婆姫だった。
そのためか、上の二人の姉のように隣国へ政略結婚に出される訳でもなく、この国の跡取りも兄がいるため、生まれてからこの18年、あたしは割と自由奔放にお城で過ごしていた。
しかし、不自由は無いけど、逆に無さすぎで退屈な日々……。城から外を見ると、仲間と街を楽しそうに話しながら歩いている冒険者の人々が見えた。
そうだ!あたしも冒険者になろうっ!
しかし、仮にも一国の王女が、しかも冒険者をしていると言うのがバレるのは流石にマズイ。
そうだ!変装をしようっ!
名案とばかりに思いついたあたしは変装をし、「ルーナ・ランカスター」と偽名まで使い、街へと繰り出そうとする。
しかし、運悪く、あたしの幼馴染でお目付け役である騎士の「クロト・ローランド」とその妹で専属メイドの「アリア・ローランド」に見つかってしまう。
そうだ、こうなったら二人も連れて行こう!あたしはクロト達を巻き込むと城下街である「トリスタ」へと繰り出す!
こうしてあたし、「ルーナ」と「クロト」、「アリア」との物語が幕を開くのであったっ!
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
公爵令嬢は父の遺言により誕生日前日に廃嫡されました。
夢見 歩
ファンタジー
日が暮れ月が昇り始める頃、
自分の姿をガラスに写しながら静かに
父の帰りを待つひとりの令嬢がいた。
リリアーヌ・プルメリア。
雪のように白くきめ細かい肌に
紺色で癖のない綺麗な髪を持ち、
ペリドットのような美しい瞳を持つ
公爵家の長女である。
この物語は
望まぬ再婚を強制された公爵家の当主と
長女による生死をかけた大逆転劇である。
━━━━━━━━━━━━━━━
⚠︎ 義母と義妹はクズな性格ですが、上には上がいるものです。
⚠︎ 国をも巻き込んだ超どんでん返しストーリーを作者は狙っています。(初投稿のくせに)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる