11 / 12
さぁ、仕上げましょう。
しおりを挟む
呼び出された場所は、ウトとトメの私室である。
無駄に成金趣味よろしく豪華で、目がもはやチラチラする。ああ、気持ち悪っ。
密かに嫌悪感を押し殺しつつ、私とチャーリーは何故か正座をさせられていた。
もうお二人はとてもとてもお怒りである。
理由は明白だ。
数々の施策を打ち出した結果、国庫をかなり吐き出したからだ。さらに溜め込んだ食料も順次市場へ流す手はずにもなっていて、それにも気づいたらしい。
「お前たちはいったい何を考えているんだっ!」
ウトが顔を真っ赤にしつつツバを飛ばしながら吠えた。
わー。そんなに叫んだら頭の血管切れますよー。ますます髪の毛抜けちゃいますよー。
朗らかに私は思いつつ、にこにこ笑顔を保っている。
「ちょっと何を笑っているのっ! これ、これだけの赤字っ……! 私たちがどれだけ苦労して溜め込んだと思ってるのっ! これもあれも、全部あなたたちが飢えないようにしているためなのにっ!」
なーにほざいてんだか。
自分たちが楽したいだけでしょー?
よくもまぁそんなホラを堂々と吐き出せるものである。面の皮厚すぎる。ついでにメイクも厚すぎるぞ、トメ。ほら、頬にヒビが。
「このままでは国家が転覆してしまうではないかっ! どう責任を取るつもりだっ!」
「責任を取るも何も、国家のためですけど?」
私は当然のように言い返し、正座をやめて立ち上がる。あー。めんどくさ。
「な、なんだと!?」
「この三週間、色々と確認させていただきました。帝国の失態により、経済状況が明らかに悪化しているというのに何もしてこなかったせいで、市中には不況の気配が漂っていたんですよ?」
「何をふざけたことをっ! ちゃんと経済は回っていたわ!」
「あんたたちの間ではね。知ってるのよ。商人協会の会長、帝国中央からやってきた商人とズブズブの関係だったってこと」
「「うぐっ!?」」
ぶちまけると、二人は気まずそうに唸った。
こいつらはあろうことか、売国行為を働いていたのである。国の経済がどうなろうと、国民が飢えてどうなろうと、自分たちさえ助かれば大丈夫だろうとタカを括っていたのである。
結果、帝国の傀儡になるしかないか、反乱が起きて処刑されるかの暗い未来しかないのに、だ。
そんなの、絶対にゴメンこうむる。
何より私たちは国ためにあるべきなのだ。
「だから国民の食糧事情、経済事情を守るために色々と施策を取った。それだけのことよ。もう諸々動いているんだから、むしろ止めるほうが責任問題ね。そっちで責任とってくれるワケ?」
「なっ、き、きさまっ!」
「ちょっと、嫁の分際で偉そうにっ!」
「だったら僕から言えばいいのかい?」
さらに激昂するウトとトメに冷や水を浴びせたのは、チャーリーである。
「悪いともなんとも思ってないけど、今回の一連、全部僕はメイが正しいと思ってるよ。だから僕も協力したんだ」
「「なっ…………っ!?」」
「ちなみに、他にも不正の証拠がズラズラと出てきたわよ。これとかこれとか」
めちゃくちゃ多忙だったのは、この不正を正すためでもあった。
もう本当に。うんざりするくらい。
ぎろっと睨みつけると、二人の顔がどんどん青くなっていく。
情けないを通り越しているのだ。もう。
私は小さくため息をついた。
「これ以上、僕たちはあんたたちに国を預けておけない」
「な、なんだとっ!」
「親父。母上。今すぐ引退してくれ。二度と国政に関わらないで、静かに隠居してほしい。そうすれば――」
「ふざけるなっ!」
チャーリーの最後の情けを、ウトは切り捨てるように剣を抜いた。トメも援護するように、壁にたてかけてあった薙刀を手にする。
って、おいおい、本気なの?
私は呆れながら前に出る。さすがに肉親同士、戦わせるわけにはいかない。
「腐った嫁にほだされおったか、それがこの結果か!」
「あんた、命ないわよっ!」
ウトとトメが同時に飛び掛ってくる。
なるほど、動きは確かに鋭い。王族らしく鍛えてはいたのだろう。だがしかし。
「メイ、やっちゃって」
チャーリーの鶴の一声を待って、私は地面を蹴った。
一瞬で懐へ飛び込むと、手刀でウトの手首を叩き、剣を奪ってから天井に投げ捨てる。隙だらけっ!
「必殺っ! 今までの恨み晴らさせてもらうぜチョップ連打ああああっ!」
私は高らかに叫びながら、あたたたっ! とチョップを何度も叩き込む。
「あだぁっ!?」
泣き叫ぶようにうずくまるウト。
「あなたっ!? こ、このダメ嫁めっ!」
今度はトメのほうへ。
薙刀の刃を左に回避しつつ、こっちも接近。
「うるせぇこのイビリしかシュミのないうんこ姑がっ! 怒りのチョップ!」
こっちもチョップを何度も叩き込む。
びしいぃっ! と良い音。
さらにデコピンを何度も入れてから、しっぺで手首を何度も叩いて薙刀をはたき落とす。
それでも二人は無謀にも殴りかかってきたので、仕方なく二人とも投げ飛ばした。ぺいぺーいっ! である。
「「おひいいいいっ!」」
尻もちを強制され、腰に大打撃を受けたらしい。二人は情けない姿勢で倒れこんだ。ああ、ごめん。ちゃんと手加減したつもりだったんだけど。
思ったより腰、弱かったのね。
「さて」
私は拳をバキバキ鳴らしながら、ウトとトメに近寄っていく。
まるで怪物を見るかのように怯え、二人は後ずさりしようともがく。が、腰の激痛のせいか、うまく動けない。
「あんたらが散々私にしてきた嫌がらせを思うと、まだまだまだまだ私には殴り倒す権利があると思うんだけれども」
「「ひいっ」」
「あ、僕も止めないからね」
「「そんなっ!?」」
「やりすぎ。親子の情が消えるくらいには、やりすぎなんだよ」
チャーリーからの絶縁宣言に、二人は顔を真っ白にさせた。
まぁ赤くさせたり青くさせたり白くさせたり面白いこと。
「でもまぁ、私も命を奪おうとか、これから先ずーっとやり返すとか、そんな湿っぽいことはしたくないの。本当はね。でも……」
私はとびっきりの笑顔を浮かべる。
「ここであんたらが完全に隠居するって言わないなら、死んだほうが一〇億倍くらいマシって思えるようなナニかを毎日するかもしんない。それでもいいなら、今のままでいいわよ?」
答えは、一つに決まっていた。
無駄に成金趣味よろしく豪華で、目がもはやチラチラする。ああ、気持ち悪っ。
密かに嫌悪感を押し殺しつつ、私とチャーリーは何故か正座をさせられていた。
もうお二人はとてもとてもお怒りである。
理由は明白だ。
数々の施策を打ち出した結果、国庫をかなり吐き出したからだ。さらに溜め込んだ食料も順次市場へ流す手はずにもなっていて、それにも気づいたらしい。
「お前たちはいったい何を考えているんだっ!」
ウトが顔を真っ赤にしつつツバを飛ばしながら吠えた。
わー。そんなに叫んだら頭の血管切れますよー。ますます髪の毛抜けちゃいますよー。
朗らかに私は思いつつ、にこにこ笑顔を保っている。
「ちょっと何を笑っているのっ! これ、これだけの赤字っ……! 私たちがどれだけ苦労して溜め込んだと思ってるのっ! これもあれも、全部あなたたちが飢えないようにしているためなのにっ!」
なーにほざいてんだか。
自分たちが楽したいだけでしょー?
よくもまぁそんなホラを堂々と吐き出せるものである。面の皮厚すぎる。ついでにメイクも厚すぎるぞ、トメ。ほら、頬にヒビが。
「このままでは国家が転覆してしまうではないかっ! どう責任を取るつもりだっ!」
「責任を取るも何も、国家のためですけど?」
私は当然のように言い返し、正座をやめて立ち上がる。あー。めんどくさ。
「な、なんだと!?」
「この三週間、色々と確認させていただきました。帝国の失態により、経済状況が明らかに悪化しているというのに何もしてこなかったせいで、市中には不況の気配が漂っていたんですよ?」
「何をふざけたことをっ! ちゃんと経済は回っていたわ!」
「あんたたちの間ではね。知ってるのよ。商人協会の会長、帝国中央からやってきた商人とズブズブの関係だったってこと」
「「うぐっ!?」」
ぶちまけると、二人は気まずそうに唸った。
こいつらはあろうことか、売国行為を働いていたのである。国の経済がどうなろうと、国民が飢えてどうなろうと、自分たちさえ助かれば大丈夫だろうとタカを括っていたのである。
結果、帝国の傀儡になるしかないか、反乱が起きて処刑されるかの暗い未来しかないのに、だ。
そんなの、絶対にゴメンこうむる。
何より私たちは国ためにあるべきなのだ。
「だから国民の食糧事情、経済事情を守るために色々と施策を取った。それだけのことよ。もう諸々動いているんだから、むしろ止めるほうが責任問題ね。そっちで責任とってくれるワケ?」
「なっ、き、きさまっ!」
「ちょっと、嫁の分際で偉そうにっ!」
「だったら僕から言えばいいのかい?」
さらに激昂するウトとトメに冷や水を浴びせたのは、チャーリーである。
「悪いともなんとも思ってないけど、今回の一連、全部僕はメイが正しいと思ってるよ。だから僕も協力したんだ」
「「なっ…………っ!?」」
「ちなみに、他にも不正の証拠がズラズラと出てきたわよ。これとかこれとか」
めちゃくちゃ多忙だったのは、この不正を正すためでもあった。
もう本当に。うんざりするくらい。
ぎろっと睨みつけると、二人の顔がどんどん青くなっていく。
情けないを通り越しているのだ。もう。
私は小さくため息をついた。
「これ以上、僕たちはあんたたちに国を預けておけない」
「な、なんだとっ!」
「親父。母上。今すぐ引退してくれ。二度と国政に関わらないで、静かに隠居してほしい。そうすれば――」
「ふざけるなっ!」
チャーリーの最後の情けを、ウトは切り捨てるように剣を抜いた。トメも援護するように、壁にたてかけてあった薙刀を手にする。
って、おいおい、本気なの?
私は呆れながら前に出る。さすがに肉親同士、戦わせるわけにはいかない。
「腐った嫁にほだされおったか、それがこの結果か!」
「あんた、命ないわよっ!」
ウトとトメが同時に飛び掛ってくる。
なるほど、動きは確かに鋭い。王族らしく鍛えてはいたのだろう。だがしかし。
「メイ、やっちゃって」
チャーリーの鶴の一声を待って、私は地面を蹴った。
一瞬で懐へ飛び込むと、手刀でウトの手首を叩き、剣を奪ってから天井に投げ捨てる。隙だらけっ!
「必殺っ! 今までの恨み晴らさせてもらうぜチョップ連打ああああっ!」
私は高らかに叫びながら、あたたたっ! とチョップを何度も叩き込む。
「あだぁっ!?」
泣き叫ぶようにうずくまるウト。
「あなたっ!? こ、このダメ嫁めっ!」
今度はトメのほうへ。
薙刀の刃を左に回避しつつ、こっちも接近。
「うるせぇこのイビリしかシュミのないうんこ姑がっ! 怒りのチョップ!」
こっちもチョップを何度も叩き込む。
びしいぃっ! と良い音。
さらにデコピンを何度も入れてから、しっぺで手首を何度も叩いて薙刀をはたき落とす。
それでも二人は無謀にも殴りかかってきたので、仕方なく二人とも投げ飛ばした。ぺいぺーいっ! である。
「「おひいいいいっ!」」
尻もちを強制され、腰に大打撃を受けたらしい。二人は情けない姿勢で倒れこんだ。ああ、ごめん。ちゃんと手加減したつもりだったんだけど。
思ったより腰、弱かったのね。
「さて」
私は拳をバキバキ鳴らしながら、ウトとトメに近寄っていく。
まるで怪物を見るかのように怯え、二人は後ずさりしようともがく。が、腰の激痛のせいか、うまく動けない。
「あんたらが散々私にしてきた嫌がらせを思うと、まだまだまだまだ私には殴り倒す権利があると思うんだけれども」
「「ひいっ」」
「あ、僕も止めないからね」
「「そんなっ!?」」
「やりすぎ。親子の情が消えるくらいには、やりすぎなんだよ」
チャーリーからの絶縁宣言に、二人は顔を真っ白にさせた。
まぁ赤くさせたり青くさせたり白くさせたり面白いこと。
「でもまぁ、私も命を奪おうとか、これから先ずーっとやり返すとか、そんな湿っぽいことはしたくないの。本当はね。でも……」
私はとびっきりの笑顔を浮かべる。
「ここであんたらが完全に隠居するって言わないなら、死んだほうが一〇億倍くらいマシって思えるようなナニかを毎日するかもしんない。それでもいいなら、今のままでいいわよ?」
答えは、一つに決まっていた。
0
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説
虐げられてきた妾の子は、生真面目な侯爵に溺愛されています。~嫁いだ先の訳あり侯爵は、実は王家の血を引いていました~
木山楽斗
恋愛
小さな村で母親とともに暮らしていアリシアは、突如ランベルト侯爵家に連れて行かれることになった。彼女は、ランベルト侯爵の隠し子だったのである。
侯爵に連れて行かれてからのアリシアの生活は、幸福なものではなかった
ランベルト侯爵家のほとんどはアリシアのことを決して歓迎しておらず、彼女に対してひどい扱いをしていたのである。
一緒に連れて行かれた母親からも引き離されたアリシアは、苦しい日々を送っていた。
そしてある時彼女は、母親が亡くなったことを聞く。それによって、アリシアは深く傷ついていた。
そんな彼女は、若くしてアルバーン侯爵を襲名したルバイトの元に嫁ぐことになった。
ルバイトは訳アリの侯爵であり、ランベルト侯爵は彼の権力を取り込むことを狙い、アリシアを嫁がせたのである。
ルバイト自身は人格者であり、彼はアリシアの扱われた方に怒りを覚えてくれた。
そのこともあって、アリシアは久方振りに穏やかな生活を送れるようになったのだった。
そしてある時アリシアは、ルバイト自身も知らなかった彼の出自について知ることになった。
実は彼は、王家の血を引いていたのである。
それによって、ランベルト侯爵家の人々は苦しむことになった。
アリシアへの今までの行いが、国王の耳まで行き届き、彼の逆鱗に触れることになったのである。
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
転生ガチャで悪役令嬢になりました
みおな
恋愛
前世で死んだと思ったら、乙女ゲームの中に転生してました。
なんていうのが、一般的だと思うのだけど。
気がついたら、神様の前に立っていました。
神様が言うには、転生先はガチャで決めるらしいです。
初めて聞きました、そんなこと。
で、なんで何度回しても、悪役令嬢としかでないんですか?
当て馬の悪役令嬢に転生したけど、王子達の婚約破棄ルートから脱出できました。推しのモブに溺愛されて、自由気ままに暮らします。
可児 うさこ
恋愛
生前にやりこんだ乙女ゲームの悪役令嬢に転生した。しかも全ルートで王子達に婚約破棄されて処刑される、当て馬令嬢だった。王子達と遭遇しないためにイベントを回避して引きこもっていたが、ある日、王子達が結婚したと聞いた。「よっしゃ!さよなら、クソゲー!」私は家を出て、向かいに住む推しのモブに会いに行った。モブは私を溺愛してくれて、何でも願いを叶えてくれた。幸せな日々を過ごす中、姉が書いた攻略本を見つけてしまった。モブは最強の魔術師だったらしい。え、裏ルートなんてあったの?あと、なぜか王子達が押し寄せてくるんですけど!?
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
【 完 】転移魔法を強要させられた上に婚約破棄されました。だけど私の元に宮廷魔術師が現れたんです
菊池 快晴
恋愛
公爵令嬢レムリは、魔法が使えないことを理由に婚約破棄を言い渡される。
自分を虐げてきた義妹、エリアスの思惑によりレムリは、国民からは残虐な令嬢だと誤解され軽蔑されていた。
生きている価値を見失ったレムリは、人生を終わらせようと展望台から身を投げようとする。
しかし、そんなレムリの命を救ったのは他国の宮廷魔術師アズライトだった。
そんな彼から街の案内を頼まれ、病に困っている国民を助けるアズライトの姿を見ていくうちに真実の愛を知る――。
この話は、行き場を失った公爵令嬢が強欲な宮廷魔術師と出会い、ざまあして幸せになるお話です。
私は悪くありません。黙って従うように言われたのですから。
田太 優
恋愛
お貴族様に見染められて幸せに暮らせるなんて物語の世界の中だけ。
領主様の次男であり街の代官という立場だけは立派な人に見染められたけど、私を待っていたのは厳しい現実だった。
酒癖が悪く無能な夫。
売れる物を売り払ってでも酒を用意しろと言われ、買い取りを頼もうと向かった店で私は再会してしまった。
かつて私に好意の眼差しを向けてくれた人。
私に協力してくれるのは好意から?
それとも商人だから?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる