7 / 9
幸せになれますか?
しおりを挟む
証拠は、すぐに見つかった。といっても半日かかってしまったが。
私と殿下の配下で構成した見張りが、《魔物が巣食う盆地に向かう将軍にあてての手紙を持った使者》を拿捕したのだ。
ここまで素早く見つかるとは正直思っていなかった。
でも、今回の一件、将軍は明らかに急いでいる。
だからこそ近いうちに尻尾を見せると踏んでいたのだけれど。使者が持っていた手紙は帝国からのもので、蝋印からして本物だった。内容は、今後の待遇について。
この決定的な証拠で持って、殿下は打ちのめされたけれど決断もした。
「まさか、将軍が隣の帝国とつながっていたとは」
「自分の息子を跡取りにした、王家の暗殺を含めた転覆計画……荒唐無稽ではありますね」
「悲しいけれど、裏切りは断じて許されない行為だ」
殿下は怒りと悲しみの混じった表情で唇を軽く噛む。
「アイシャ。協力してくれるかな」
「もちろんです」
相手の指揮官が人間であれば、やりようは見えてくる。それに、作戦はもう組み立ててある。後、三日もあればどうにかなるだろう。
◇ ◇ ◇
戦闘開始は、夜だった。
時間稼ぎの数日間、睨みあいを演じているようで、ここにも作戦を組み込んである。ローテーションを組んで斥候を取り出し、相手を四六時中緊張状態に持っていったのだ。
そうすれば、見えない形で相手にストレスがかかり、士気も何もかも落ちていく。
その最中での、夜襲だ。
まず第一弾は、火矢だ。
この森には、油の木が群生している。殿下に料理を振舞った時に偶然発見したものだけど、使える。
この数日間でかき集めるだけ集めた矢に油を染み込ませ、火をつけて射る。
弓兵を全部使っての総攻撃は、まさに火の雨だ。
相手の陣地は基本的に木材で構成されていて、何百と射ればさすがに火もつく。しばらく待てば、あっという間に相手の陣地は火の海と化した。
当然、そうなると敵は逃げ出すしかなく、手勢とある程度統率のついた魔物たちが集団となって打って出てくる。湿地帯の方へ逃げなかったのは、私の部隊が相手に見つかる程度に隠密しつつ、罠を設置したからだ。
後は、森に逃げ込んできた敵たちを討つだけ。
今度はしっかりこっちも準備を整えてある。
まともに準備もできていない、士気も落ちて混乱している敵を鎮圧するのは簡単な話だった。
ただ一人、将軍だけは非常に厄介だった。
ただの兵士たちでは抑えきれず、殿下と私が出向いて戦いを仕掛け、かなりのダメージを与えてようやく確保できた。
これが一番苦労したかもしれない。
ともあれ、これにて一件落着だ。
これから王都は色々とゴタゴタするだろうが、私の役目は終わり。
ウォンティーヌ家の名代としての役割はきっちりと果たしたのである。誉れこそあれど、おそらく私は報われない。
どうせ、兄上は特に興味を持たない。
両親にしても、私が出向いていることを知らない。名代で弟が出向いているという話は流れてくるだろうが、兄上があれこれ理由をつけて自分がその弟であると伝えているので、両親は信じない。
私はまた、愚かな妹に戻るのだ。
ああ、寂しい。
戦場でありながらも、殿下と過ごせた短い時間は幸せだった。
殿下のためにならば働くことは厭わないし、女としての私も満たされた。何より殿下は、私をアイシャとして扱ってくれたのだ。
その愛おしい時間がなくなる。
帰路につくにつれ、私はため息ばかりが増えてしまっていた。
とはいえ、仕事はしなければならない。
被害状況と功績を取りまとめ、部下にも褒章を行わなければ。そんなことを考えていたあたり、殿下がやってきた。
「殿下、どうなされたのです? 少しでも早く本国へお戻りにならなければいけないのでは?」
今回の騒動は非常に大きい爪あとを残す。
そのダメージを少しでも小さくするためには、スピードが重要だった。
ことに、今回の騒動の裏で動いていた帝国に対する牽制は何よりも大事だ。
「もちろんそうなんだけれど、少しくらい話す時間もまたあるよ」
殿下はごく自然な理由で人払いをし、私を連れ出し、近くの泉へ向かった。
雑木林に囲まれた静かな場所にあって、落ち着く雰囲気だ。精霊でも住んでいるのかもしれない。
思わず深呼吸していると、殿下はどうしてかそわそわしていた。
「殿下? どうされたのですか?」
「うん? ああ、うん。そうだ、そうだったね」
なにやら混乱している? のかな?
見守っていると、殿下は意を決したように私を勢い良く向いて、私の手を取った。
「こんなところで、こんなタイミングで、こんなこと言うのは、王子としては失格なのかもしれない。けど、男として、言わなければならないんだ」
「殿下?」
「こんな短い期間でしかないというのに、ボクは君に惚れてしまったんだ」
…………――――はい?
言われたことが理解できずに、私の頭は完全にフリーズした。
「え、ええ、えっと、殿下?」
「君の軍事的才能もそうだけれど、男装して凛とした姿で指揮をする様、勇ましく槍を奮う武人としての様、それだけじゃなくて、女性として魅力的な様。ああ、あの時の料理の味が今も忘れられなくて、舌の上を踊っているんだ」
え、ええ、ええええ?
いや、その、えっと?
「アイシャ。必ずボクが迎えにくるから。待っていてくれるかい」
私は顔が赤くなっていくのを制御できない。いや、間違いなく不可能だ、こんなもの!
「殿下、それはっ」
うろたえる私に跪いて、殿下は私の手にキスをした。
「愛している。アイシャ。ボクはどうしてもたまらなく、君に恋してしまった」
「殿下……っ!」
「ボクの愛を、どうか受け取ってくれるかな?」
そんな、そんな上目遣いで訴えられたら、もうっ。
私は泣きそうになりながら、顔を耳まで真っ赤にしながら、頷いた。
だって、私だって、殿下と一緒にいたいもの。
ひとりの女として。
アイシャとして。
「……喜んでっ」
「ありがとう。良かった。人生ではじめての告白だったから、すごく緊張したよ」
本当にほっとしているのか、殿下は腰が抜けたように座り込んだ。私も釣られて腰を落とすと、殿下がそっと手を伸ばしてきた。
反射的に手を伸ばすと、その手をしっかりつかまれて引き寄せられた。
ぐい、っと、一気に殿下の顔が近くなる。
って、いきなりっ……!?
動揺しているのもつかの間、あっという間に私は唇を奪われてしまう。
温かい、唇。
「ちょっと強引だったけど、君はもうボクのものだから。誰にも渡さない約束の口づけだよ」
悪戯っぽく殿下は微笑んだ。
私と殿下の配下で構成した見張りが、《魔物が巣食う盆地に向かう将軍にあてての手紙を持った使者》を拿捕したのだ。
ここまで素早く見つかるとは正直思っていなかった。
でも、今回の一件、将軍は明らかに急いでいる。
だからこそ近いうちに尻尾を見せると踏んでいたのだけれど。使者が持っていた手紙は帝国からのもので、蝋印からして本物だった。内容は、今後の待遇について。
この決定的な証拠で持って、殿下は打ちのめされたけれど決断もした。
「まさか、将軍が隣の帝国とつながっていたとは」
「自分の息子を跡取りにした、王家の暗殺を含めた転覆計画……荒唐無稽ではありますね」
「悲しいけれど、裏切りは断じて許されない行為だ」
殿下は怒りと悲しみの混じった表情で唇を軽く噛む。
「アイシャ。協力してくれるかな」
「もちろんです」
相手の指揮官が人間であれば、やりようは見えてくる。それに、作戦はもう組み立ててある。後、三日もあればどうにかなるだろう。
◇ ◇ ◇
戦闘開始は、夜だった。
時間稼ぎの数日間、睨みあいを演じているようで、ここにも作戦を組み込んである。ローテーションを組んで斥候を取り出し、相手を四六時中緊張状態に持っていったのだ。
そうすれば、見えない形で相手にストレスがかかり、士気も何もかも落ちていく。
その最中での、夜襲だ。
まず第一弾は、火矢だ。
この森には、油の木が群生している。殿下に料理を振舞った時に偶然発見したものだけど、使える。
この数日間でかき集めるだけ集めた矢に油を染み込ませ、火をつけて射る。
弓兵を全部使っての総攻撃は、まさに火の雨だ。
相手の陣地は基本的に木材で構成されていて、何百と射ればさすがに火もつく。しばらく待てば、あっという間に相手の陣地は火の海と化した。
当然、そうなると敵は逃げ出すしかなく、手勢とある程度統率のついた魔物たちが集団となって打って出てくる。湿地帯の方へ逃げなかったのは、私の部隊が相手に見つかる程度に隠密しつつ、罠を設置したからだ。
後は、森に逃げ込んできた敵たちを討つだけ。
今度はしっかりこっちも準備を整えてある。
まともに準備もできていない、士気も落ちて混乱している敵を鎮圧するのは簡単な話だった。
ただ一人、将軍だけは非常に厄介だった。
ただの兵士たちでは抑えきれず、殿下と私が出向いて戦いを仕掛け、かなりのダメージを与えてようやく確保できた。
これが一番苦労したかもしれない。
ともあれ、これにて一件落着だ。
これから王都は色々とゴタゴタするだろうが、私の役目は終わり。
ウォンティーヌ家の名代としての役割はきっちりと果たしたのである。誉れこそあれど、おそらく私は報われない。
どうせ、兄上は特に興味を持たない。
両親にしても、私が出向いていることを知らない。名代で弟が出向いているという話は流れてくるだろうが、兄上があれこれ理由をつけて自分がその弟であると伝えているので、両親は信じない。
私はまた、愚かな妹に戻るのだ。
ああ、寂しい。
戦場でありながらも、殿下と過ごせた短い時間は幸せだった。
殿下のためにならば働くことは厭わないし、女としての私も満たされた。何より殿下は、私をアイシャとして扱ってくれたのだ。
その愛おしい時間がなくなる。
帰路につくにつれ、私はため息ばかりが増えてしまっていた。
とはいえ、仕事はしなければならない。
被害状況と功績を取りまとめ、部下にも褒章を行わなければ。そんなことを考えていたあたり、殿下がやってきた。
「殿下、どうなされたのです? 少しでも早く本国へお戻りにならなければいけないのでは?」
今回の騒動は非常に大きい爪あとを残す。
そのダメージを少しでも小さくするためには、スピードが重要だった。
ことに、今回の騒動の裏で動いていた帝国に対する牽制は何よりも大事だ。
「もちろんそうなんだけれど、少しくらい話す時間もまたあるよ」
殿下はごく自然な理由で人払いをし、私を連れ出し、近くの泉へ向かった。
雑木林に囲まれた静かな場所にあって、落ち着く雰囲気だ。精霊でも住んでいるのかもしれない。
思わず深呼吸していると、殿下はどうしてかそわそわしていた。
「殿下? どうされたのですか?」
「うん? ああ、うん。そうだ、そうだったね」
なにやら混乱している? のかな?
見守っていると、殿下は意を決したように私を勢い良く向いて、私の手を取った。
「こんなところで、こんなタイミングで、こんなこと言うのは、王子としては失格なのかもしれない。けど、男として、言わなければならないんだ」
「殿下?」
「こんな短い期間でしかないというのに、ボクは君に惚れてしまったんだ」
…………――――はい?
言われたことが理解できずに、私の頭は完全にフリーズした。
「え、ええ、えっと、殿下?」
「君の軍事的才能もそうだけれど、男装して凛とした姿で指揮をする様、勇ましく槍を奮う武人としての様、それだけじゃなくて、女性として魅力的な様。ああ、あの時の料理の味が今も忘れられなくて、舌の上を踊っているんだ」
え、ええ、ええええ?
いや、その、えっと?
「アイシャ。必ずボクが迎えにくるから。待っていてくれるかい」
私は顔が赤くなっていくのを制御できない。いや、間違いなく不可能だ、こんなもの!
「殿下、それはっ」
うろたえる私に跪いて、殿下は私の手にキスをした。
「愛している。アイシャ。ボクはどうしてもたまらなく、君に恋してしまった」
「殿下……っ!」
「ボクの愛を、どうか受け取ってくれるかな?」
そんな、そんな上目遣いで訴えられたら、もうっ。
私は泣きそうになりながら、顔を耳まで真っ赤にしながら、頷いた。
だって、私だって、殿下と一緒にいたいもの。
ひとりの女として。
アイシャとして。
「……喜んでっ」
「ありがとう。良かった。人生ではじめての告白だったから、すごく緊張したよ」
本当にほっとしているのか、殿下は腰が抜けたように座り込んだ。私も釣られて腰を落とすと、殿下がそっと手を伸ばしてきた。
反射的に手を伸ばすと、その手をしっかりつかまれて引き寄せられた。
ぐい、っと、一気に殿下の顔が近くなる。
って、いきなりっ……!?
動揺しているのもつかの間、あっという間に私は唇を奪われてしまう。
温かい、唇。
「ちょっと強引だったけど、君はもうボクのものだから。誰にも渡さない約束の口づけだよ」
悪戯っぽく殿下は微笑んだ。
0
お気に入りに追加
489
あなたにおすすめの小説
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎
って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!
何故こうなった…
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
そして死亡する原因には不可解な点が…
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
死を回避したい悪役令嬢は、ヒロインを破滅へと導く
miniko
恋愛
お茶会の参加中に魔獣に襲われたオフィーリアは前世を思い出し、自分が乙女ゲームの2番手悪役令嬢に転生してしまった事を悟った。
ゲームの結末によっては、断罪されて火あぶりの刑に処されてしまうかもしれない立場のキャラクターだ。
断罪を回避したい彼女は、攻略対象者である公爵令息との縁談を丁重に断ったのだが、何故か婚約する代わりに彼と友人になるはめに。
ゲームのキャラとは距離を取りたいのに、メインの悪役令嬢にも妙に懐かれてしまう。
更に、ヒロインや王子はなにかと因縁をつけてきて……。
平和的に悪役の座を降りたかっただけなのに、どうやらそれは無理みたいだ。
しかし、オフィーリアが人助けと自分の断罪回避の為に行っていた地道な根回しは、徐々に実を結び始める。
それがヒロインにとってのハッピーエンドを阻む結果になったとしても、仕方の無い事だよね?
だって本来、悪役って主役を邪魔するものでしょう?
※主人公以外の視点が入る事があります。主人公視点は一人称、他者視点は三人称で書いています。
※連載開始早々、タイトル変更しました。(なかなかピンと来ないので、また変わるかも……)
※感想欄は、ネタバレ有り/無しの分類を一切おこなっておりません。ご了承下さい。
下剋上を始めます。これは私の復讐のお話
ハルイロ
恋愛
「ごめんね。きみとこのままではいられない。」そう言われて私は大好きな婚約者に捨てられた。
アルト子爵家の一人娘のリルメリアはその天才的な魔法の才能で幼少期から魔道具の開発に携わってきた。
彼女は優しい両親の下、様々な出会いを経て幸せな学生時代を過ごす。
しかし、行方不明だった元王女の子が見つかり、今までの生活は一変。
愛する婚約者は彼女から離れ、お姫様を選んだ。
「それなら私も貴方はいらない。」
リルメリアは圧倒的な才能と財力を駆使してこの世界の頂点「聖女」になることを決意する。
「待っていなさい。私が復讐を完遂するその日まで。」
頑張り屋の天才少女が濃いキャラ達に囲まれながら、ただひたすら上を目指すお話。
*他視点あり
二部構成です。
一部は幼少期編でほのぼのと進みます
二部は復讐編、本編です。
琥珀いろの夏 〜偽装レンアイはじめました〜
桐山アリヲ
BL
大学2年生の玉根千年は、同じ高校出身の葛西麟太郎に3年越しの片想いをしている。麟太郎は筋金入りの女好き。ゲイの自分に望みはないと、千年は、半ばあきらめの境地で小説家の深山悟との関係を深めていく。そんなある日、麟太郎から、女よけのために恋人のふりをしてほしいと頼まれた千年は、断りきれず、周囲をあざむく日々を送る羽目に。不満を募らせた千年は、初めて麟太郎と大喧嘩してしまい、それをきっかけに、2人の関係は思わぬ方向へ転がりはじめる。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
悪役令嬢に転生してストーリー無視で商才が開花しましたが、恋に奥手はなおりません。
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】乙女ゲームの悪役令嬢である公爵令嬢カロリーナ・シュタールに転生した主人公。
だけど、元はといえば都会が苦手な港町生まれの田舎娘。しかも、まったくの生まれたての赤ん坊に転生してしまったため、公爵令嬢としての記憶も経験もなく、アイデンティティは完全に日本の田舎娘。
高慢で横暴で他を圧倒する美貌で学園に君臨する悪役令嬢……に、育つ訳もなく当たり障りのない〈ふつうの令嬢〉として、乙女ゲームの舞台であった王立学園へと進学。
ゲームでカロリーナが強引に婚約者にしていた第2王子とも「ちょっといい感じ」程度で特に進展はなし。当然、断罪イベントもなく、都会が苦手なので亡き母の遺してくれた辺境の領地に移住する日を夢見て過ごし、無事卒業。
ところが母の愛したミカン畑が、安く買い叩かれて廃業の危機!? 途方にくれたけど、目のまえには海。それも、天然の良港! 一念発起して、港湾開発と海上交易へと乗り出してゆく!!
乙女ゲームの世界を舞台に、原作ストーリー無視で商才を開花させるけど、恋はちょっと苦手。
なのに、グイグイくる軽薄男爵との軽い会話なら逆にいける!
という不器用な主人公がおりなす、読み味軽快なサクセス&異世界恋愛ファンタジー!
*女性向けHOTランキング1位に掲載していただきました!(2024.9.1-2)たくさんの方にお読みいただき、ありがとうございます!
今日で都合の良い嫁は辞めます!後は家族で仲良くしてください!
ユウ
恋愛
三年前、夫の願いにより義両親との同居を求められた私はは悩みながらも同意した。
苦労すると周りから止められながらも受け入れたけれど、待っていたのは我慢を強いられる日々だった。
それでもなんとななれ始めたのだが、
目下の悩みは子供がなかなか授からない事だった。
そんなある日、義姉が里帰りをするようになり、生活は一変した。
義姉は子供を私に預け、育児を丸投げをするようになった。
仕事と家事と育児すべてをこなすのが困難になった夫に助けを求めるも。
「子供一人ぐらい楽勝だろ」
夫はリサに残酷な事を言葉を投げ。
「家族なんだから助けてあげないと」
「家族なんだから助けあうべきだ」
夫のみならず、義両親までもリサの味方をすることなく行動はエスカレートする。
「仕事を少し休んでくれる?娘が旅行にいきたいそうだから」
「あの子は大変なんだ」
「母親ならできて当然よ」
シンパシー家は私が黙っていることをいいことに育児をすべて丸投げさせ、義姉を大事にするあまり家族の団欒から外され、我慢できなくなり夫と口論となる。
その末に。
「母性がなさすぎるよ!家族なんだから協力すべきだろ」
この言葉でもう無理だと思った私は決断をした。
ごめんなさい、全部聞こえてます! ~ 私を嫌う婚約者が『魔法の鏡』に恋愛相談をしていました
秦朱音@アルファポリス文庫より書籍発売中
恋愛
「鏡よ鏡、真実を教えてくれ。好いてもない相手と結婚させられたら、人は一体どうなってしまうのだろうか……」
『魔法の鏡』に向かって話しかけているのは、辺境伯ユラン・ジークリッド。
ユランが最愛の婚約者に逃げられて致し方なく私と婚約したのは重々承知だけど、私のことを「好いてもない相手」呼ばわりだなんて酷すぎる。
しかも貴方が恋愛相談しているその『魔法の鏡』。
裏で喋ってるの、私ですからーっ!
*他サイトに投稿したものを改稿
*長編化するか迷ってますが、とりあえず短編でお楽しみください
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる