24 / 52
24.俺には夢がある
しおりを挟む
「そ、そんなに頭を抱えなくても」
「いない方がいいかもしれん……」
「そうなんですか……すいません。変なことを聞いてしまって」
「いや、いいんだ」
雌のコアラに出会って、僅かでも興奮してしまったら……俺は……。
し、しかし。
俺を見下ろしてくるコレットは至近距離にあり、胸なんかもまともに見える。
彼女は俺がコアラだから全く気にしていないけど、俺も全くもって気にならない。「寒くねえかな」と思うくらいだ。
……。
やばい。こいつはヤバいぞ。
コアラになる前は、こうじゃなかった、
いやいやいや、気のせい。気のせいだ。
心は人間、ユーカリ、心はもしゃー。ユーカリ。
ユーカリうめええ。
「だあああああ」
「煩悩よ、去れ」と念じながら、頭を抱え首を振る。
「す、すいません。そこまで悩むなんて思っていなくて」
「いや、コレットが聞いたからこうなったんじゃあないから」
「そ、そうですか……」
やばい。コレットが涙目になってきた。
ここはあ、そうだなあ。
何とか話題を変えないと、だよな。
「コレットは強くなって冒険者として大成したいのか?」
彼女のプライベートに踏み込まないでおいた方がいいかと思っていたんだけど、やはり気にはなる。
俺が言うのも何だが、得体の知れないコアラになんぞ教えを乞うなんて「強くなろうとする」海より深い理由があると思うんだ。
一体彼女は何を目指しているんだろう?
強くなり、冒険者として有名になりたいってのとはどうも違う気がしている。
というのはだな。
冒険者としてやっていくのなら、はぐれたりして一人になった時でも対応できるようソロでも生存率が高い職業の方がいい。
理想はトリアノンのような戦士兼テイマーとか、臨機応変に対応できそうなレンジャーとか、そんなところか。魔法戦士ってのがあるか分からないけど、そういうのでもいい。
「わたし、大切な人がいるんです」
「ほうほうほう。お盛んだな」
唐突に何だよと思ったが、しっかりと突っ込みを忘れない俺である。
「ち、違います! わたしと同じ歳の女の子です!」
「そんなに興奮しなくてもいいだろう。冗談だよ冗談」
「も、もう……」
頬を膨らませ、ぷいっと顔を背けるコレット。
「その大切な人のために冒険者をやっているのか?」
「はい。きっかけはソニアでした」
「込み入ったことを無理やり聞くつもりはないから、その辺でいいぞ」
「い、嫌ではありません。わたしのことを聞いてくれたのはコアラさんが初めてです」
「え……」
「ぼ、冒険者になってからってことですよ! 冒険者同士ってお互いの事に踏み入らない暗黙のルールがあるというか、それはそれで寂しいというか……」
「話をしてくれるなら、聞きたい」
「はい!」
コレットとソニアの出会いは偶然だった。
彼女らが八歳やそこらの時、コレットがソニアの落とした人形を拾ったことがきっかけで二人の交流が始まる。
コレットは街で小さな小料理屋を営む家の次女だった。一方でソニアは奥まった場所にある大豪邸に住む貴族の娘。
出会った二人は、その場で打ち解けた。だけど、ソニアの家の事を知ったコレットは余りの身分差に先方に迷惑をかけてしまうと子供ながらに思ったそうだ。
それでも病弱で近しい歳の友達がいなかったこともあってか、ソニアはコレットのことをとても気に入り、ずっと親しい間柄で今でも交流があるという。
「ふむ。それでソニアを元気にするために、回復術師になって鍛えたいというわけなのか?」
「いえ、回復術師になったのはソニアのこともありますが、自分や家族が怪我をした時に力になれたらと思ったからです。……回復魔法の一つもまだ使えませんが」
「へこむなへこむな。これからだろ。スクロールを買えばいいじゃないか。それに、疲労回復の魔法も良い物と思うぞ」
一度コレットに疲労回復の魔法――リカバーをかけてもらったが、コアラの腹時計にしてプラス一時間くらい動ける程度には疲労が抜けた。
俺も欲しいなと思ったけど、あえてやめておいたんだよ。こんな魔法を使うようになったら、恒常的にリカバーをかけ続け、リカバー中毒になってしまいそうだったからな。
疲れなきゃ、ずっと動き続けるだろうしなあ……ユーカリのために。
それじゃあ、逆に体にガタが来そうだからさ。
「回復術師として鍛えることとソニアのことは関係がないわけじゃないですが、目的ではありません」
「あ、そういうことか。なるほど」
「はい。ソニアのお屋敷には優秀な回復術師さんや僧侶さんがいますので」
「それでもコレットがソニアに回復魔法をかけてやったら喜ぶだろうに」
「はい! そうだと嬉しいなと思って、関係がないわけじゃないと思っているんです!」
家族のため、ソニアのために本気で強くなろうと思っているのかな。
強くといっても、回復魔法を使いこなすって意味だろうけど。
「そんな理由なら、魔法だけを鍛えればいいんじゃ?」
「それだけじゃあないんです。冒険者になったのは、ひょっとしたらわたしにも『秘宝』に触れる機会があるかも! と思いまして」
「それって、自分のため? それともソニアのため?」
「……半分以上はわたしのためです……人のために回復魔法をと言っても心はこうなんです……」
「いや、却って安心したよ。人間、自分のためにもならんことをやろうなんて続くもんじゃないからな」
少しは人間味があった方が、こっちも親しみが持てるしこれからも付き合いを続けたいと思うものだ。
聖人や聖女が悪いとは言わないけど、「一緒に行動したいか」と聞かれると、なるべくならお断りしたい。
打算や欲望が無い人と一緒なんてゾッとするよ。
俺? 俺は……ユーカリ。いやいや待て。俺の行動原理がユーカリなわけないじゃないか。
いやだなあ。
……ユーカリ。
だああああ。
再び頭を抱える俺にコレットがおずおずと自分の手を俺の頭に乗せた。
なでなで。
「うぎゅー」
「か、可愛いです……」
「すまん。俺の頭の中で謎の戦争が起こってしまって。心配かけたな」
「い、いえ。もっと撫でていいですか?」
コレットのお願いに対し、俺は彼女の手をむんずと握り、自分の頭からどける。
そこまで悲しそうな顔をしなくてもいいと思うんだが……。
「ちょっとだけだぞ」
「ありがとうございます!」
わしゃわしゃ。
「うぎゅー」
「そ、その鳴き声、きゅんきゅんします」
「お、終わりだ」
「はい……」
コホン。
彼女の手が離れたところで、ワザとらしい咳払いをする。
「鍛えて、いろんな所を冒険して、秘宝に出会えればラッキーってのがまとめか?」
「そ、そうなりますね」
目が泳いでしまうコレット。
撫でられたことに対する意趣返しじゃねえか。
もう、しゃあねえな。
「秘宝ってやつの中に、ソニアを元気にするようなモノがあるかもしれないんだろ? だから、冒険者になった」
「わたしなんかに秘宝なんて恐れ多いですが……いずれ、出会えればなあと思ってます」
「いいじゃないか。夢は大きい方がいいって」
「そ、そうですか」
「おう、そうだよ」
「コアラさんにも大きな夢があるのですか?」
夢、夢か。
そうだな。俺の夢は――。
「ある」
「教えていただいてもいいですか!?」
「一度しか言わないからよく聞けよ」
「はい」
「俺の夢は『ユーカリパラダイス』だ」
「……」
せっかくの決めセリフだというのに、コレットは口を半開きにしたまま固まっているじゃねえか。
全く、失礼な奴だぜ。
「いない方がいいかもしれん……」
「そうなんですか……すいません。変なことを聞いてしまって」
「いや、いいんだ」
雌のコアラに出会って、僅かでも興奮してしまったら……俺は……。
し、しかし。
俺を見下ろしてくるコレットは至近距離にあり、胸なんかもまともに見える。
彼女は俺がコアラだから全く気にしていないけど、俺も全くもって気にならない。「寒くねえかな」と思うくらいだ。
……。
やばい。こいつはヤバいぞ。
コアラになる前は、こうじゃなかった、
いやいやいや、気のせい。気のせいだ。
心は人間、ユーカリ、心はもしゃー。ユーカリ。
ユーカリうめええ。
「だあああああ」
「煩悩よ、去れ」と念じながら、頭を抱え首を振る。
「す、すいません。そこまで悩むなんて思っていなくて」
「いや、コレットが聞いたからこうなったんじゃあないから」
「そ、そうですか……」
やばい。コレットが涙目になってきた。
ここはあ、そうだなあ。
何とか話題を変えないと、だよな。
「コレットは強くなって冒険者として大成したいのか?」
彼女のプライベートに踏み込まないでおいた方がいいかと思っていたんだけど、やはり気にはなる。
俺が言うのも何だが、得体の知れないコアラになんぞ教えを乞うなんて「強くなろうとする」海より深い理由があると思うんだ。
一体彼女は何を目指しているんだろう?
強くなり、冒険者として有名になりたいってのとはどうも違う気がしている。
というのはだな。
冒険者としてやっていくのなら、はぐれたりして一人になった時でも対応できるようソロでも生存率が高い職業の方がいい。
理想はトリアノンのような戦士兼テイマーとか、臨機応変に対応できそうなレンジャーとか、そんなところか。魔法戦士ってのがあるか分からないけど、そういうのでもいい。
「わたし、大切な人がいるんです」
「ほうほうほう。お盛んだな」
唐突に何だよと思ったが、しっかりと突っ込みを忘れない俺である。
「ち、違います! わたしと同じ歳の女の子です!」
「そんなに興奮しなくてもいいだろう。冗談だよ冗談」
「も、もう……」
頬を膨らませ、ぷいっと顔を背けるコレット。
「その大切な人のために冒険者をやっているのか?」
「はい。きっかけはソニアでした」
「込み入ったことを無理やり聞くつもりはないから、その辺でいいぞ」
「い、嫌ではありません。わたしのことを聞いてくれたのはコアラさんが初めてです」
「え……」
「ぼ、冒険者になってからってことですよ! 冒険者同士ってお互いの事に踏み入らない暗黙のルールがあるというか、それはそれで寂しいというか……」
「話をしてくれるなら、聞きたい」
「はい!」
コレットとソニアの出会いは偶然だった。
彼女らが八歳やそこらの時、コレットがソニアの落とした人形を拾ったことがきっかけで二人の交流が始まる。
コレットは街で小さな小料理屋を営む家の次女だった。一方でソニアは奥まった場所にある大豪邸に住む貴族の娘。
出会った二人は、その場で打ち解けた。だけど、ソニアの家の事を知ったコレットは余りの身分差に先方に迷惑をかけてしまうと子供ながらに思ったそうだ。
それでも病弱で近しい歳の友達がいなかったこともあってか、ソニアはコレットのことをとても気に入り、ずっと親しい間柄で今でも交流があるという。
「ふむ。それでソニアを元気にするために、回復術師になって鍛えたいというわけなのか?」
「いえ、回復術師になったのはソニアのこともありますが、自分や家族が怪我をした時に力になれたらと思ったからです。……回復魔法の一つもまだ使えませんが」
「へこむなへこむな。これからだろ。スクロールを買えばいいじゃないか。それに、疲労回復の魔法も良い物と思うぞ」
一度コレットに疲労回復の魔法――リカバーをかけてもらったが、コアラの腹時計にしてプラス一時間くらい動ける程度には疲労が抜けた。
俺も欲しいなと思ったけど、あえてやめておいたんだよ。こんな魔法を使うようになったら、恒常的にリカバーをかけ続け、リカバー中毒になってしまいそうだったからな。
疲れなきゃ、ずっと動き続けるだろうしなあ……ユーカリのために。
それじゃあ、逆に体にガタが来そうだからさ。
「回復術師として鍛えることとソニアのことは関係がないわけじゃないですが、目的ではありません」
「あ、そういうことか。なるほど」
「はい。ソニアのお屋敷には優秀な回復術師さんや僧侶さんがいますので」
「それでもコレットがソニアに回復魔法をかけてやったら喜ぶだろうに」
「はい! そうだと嬉しいなと思って、関係がないわけじゃないと思っているんです!」
家族のため、ソニアのために本気で強くなろうと思っているのかな。
強くといっても、回復魔法を使いこなすって意味だろうけど。
「そんな理由なら、魔法だけを鍛えればいいんじゃ?」
「それだけじゃあないんです。冒険者になったのは、ひょっとしたらわたしにも『秘宝』に触れる機会があるかも! と思いまして」
「それって、自分のため? それともソニアのため?」
「……半分以上はわたしのためです……人のために回復魔法をと言っても心はこうなんです……」
「いや、却って安心したよ。人間、自分のためにもならんことをやろうなんて続くもんじゃないからな」
少しは人間味があった方が、こっちも親しみが持てるしこれからも付き合いを続けたいと思うものだ。
聖人や聖女が悪いとは言わないけど、「一緒に行動したいか」と聞かれると、なるべくならお断りしたい。
打算や欲望が無い人と一緒なんてゾッとするよ。
俺? 俺は……ユーカリ。いやいや待て。俺の行動原理がユーカリなわけないじゃないか。
いやだなあ。
……ユーカリ。
だああああ。
再び頭を抱える俺にコレットがおずおずと自分の手を俺の頭に乗せた。
なでなで。
「うぎゅー」
「か、可愛いです……」
「すまん。俺の頭の中で謎の戦争が起こってしまって。心配かけたな」
「い、いえ。もっと撫でていいですか?」
コレットのお願いに対し、俺は彼女の手をむんずと握り、自分の頭からどける。
そこまで悲しそうな顔をしなくてもいいと思うんだが……。
「ちょっとだけだぞ」
「ありがとうございます!」
わしゃわしゃ。
「うぎゅー」
「そ、その鳴き声、きゅんきゅんします」
「お、終わりだ」
「はい……」
コホン。
彼女の手が離れたところで、ワザとらしい咳払いをする。
「鍛えて、いろんな所を冒険して、秘宝に出会えればラッキーってのがまとめか?」
「そ、そうなりますね」
目が泳いでしまうコレット。
撫でられたことに対する意趣返しじゃねえか。
もう、しゃあねえな。
「秘宝ってやつの中に、ソニアを元気にするようなモノがあるかもしれないんだろ? だから、冒険者になった」
「わたしなんかに秘宝なんて恐れ多いですが……いずれ、出会えればなあと思ってます」
「いいじゃないか。夢は大きい方がいいって」
「そ、そうですか」
「おう、そうだよ」
「コアラさんにも大きな夢があるのですか?」
夢、夢か。
そうだな。俺の夢は――。
「ある」
「教えていただいてもいいですか!?」
「一度しか言わないからよく聞けよ」
「はい」
「俺の夢は『ユーカリパラダイス』だ」
「……」
せっかくの決めセリフだというのに、コレットは口を半開きにしたまま固まっているじゃねえか。
全く、失礼な奴だぜ。
0
お気に入りに追加
486
あなたにおすすめの小説
夫は寝言で、妻である私の義姉の名を呼んだ
Kouei
恋愛
夫が寝言で女性の名前を呟いだ。
その名前は妻である私ではなく、
私の義姉の名前だった。
「ずっと一緒だよ」
あなたはそう言ってくれたのに、
なぜ私を裏切ったの―――…!?
※この作品は、カクヨム様にも公開しています。
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
聖獣がなつくのは私だけですよ?
新野乃花(大舟)
恋愛
3姉妹の3女であるエリッサは、生まれた時から不吉な存在だというレッテルを張られ、家族はもちろん周囲の人々からも冷たい扱いを受けていた。そんなある日の事、エリッサが消えることが自分たちの幸せにつながると信じてやまない彼女の家族は、エリッサに強引に家出を強いる形で、自分たちの手を汚すことなく彼女を追い出すことに成功する。…行く当てのないエリッサは死さえ覚悟し、誰も立ち入らない荒れ果てた大地に足を踏み入れる。死神に出会うことを覚悟していたエリッサだったものの、そんな彼女の前に現れたのは、絶大な力をその身に宿す聖獣だった…!
実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、pixivにも投稿中。
※小説家になろうでは最新『勇者祭編』の中盤まで連載中。
来訪神に転生させてもらえました。石長姫には不老長寿、宇迦之御魂神には豊穣を授かりました。
克全
ファンタジー
ほのぼのスローライフを目指します。賽銭泥棒を取り押さえようとした氏子の田中一郎は、事もあろうに神域である境内の、それも神殿前で殺されてしまった。情けなく申し訳なく思った氏神様は、田中一郎を異世界に転生させて第二の人生を生きられるようにした。
婚約者の私には何も買ってはくれないのに妹に好きな物を買い与えるのは酷すぎます。婚約破棄になって清々しているので付き纏わないで
珠宮さくら
恋愛
ゼフィリーヌは、婚約者とその妹に辟易していた。どこに出掛けるにも妹が着いて来ては兄に物を強請るのだ。なのにわがままを言って、婚約者に好きな物を買わせていると思われてしまっていて……。
※全5話。
悪役令嬢に転生してストーリー無視で商才が開花しましたが、恋に奥手はなおりません。
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】乙女ゲームの悪役令嬢である公爵令嬢カロリーナ・シュタールに転生した主人公。
だけど、元はといえば都会が苦手な港町生まれの田舎娘。しかも、まったくの生まれたての赤ん坊に転生してしまったため、公爵令嬢としての記憶も経験もなく、アイデンティティは完全に日本の田舎娘。
高慢で横暴で他を圧倒する美貌で学園に君臨する悪役令嬢……に、育つ訳もなく当たり障りのない〈ふつうの令嬢〉として、乙女ゲームの舞台であった王立学園へと進学。
ゲームでカロリーナが強引に婚約者にしていた第2王子とも「ちょっといい感じ」程度で特に進展はなし。当然、断罪イベントもなく、都会が苦手なので亡き母の遺してくれた辺境の領地に移住する日を夢見て過ごし、無事卒業。
ところが母の愛したミカン畑が、安く買い叩かれて廃業の危機!? 途方にくれたけど、目のまえには海。それも、天然の良港! 一念発起して、港湾開発と海上交易へと乗り出してゆく!!
乙女ゲームの世界を舞台に、原作ストーリー無視で商才を開花させるけど、恋はちょっと苦手。
なのに、グイグイくる軽薄男爵との軽い会話なら逆にいける!
という不器用な主人公がおりなす、読み味軽快なサクセス&異世界恋愛ファンタジー!
*女性向けHOTランキング1位に掲載していただきました!(2024.9.1-2)たくさんの方にお読みいただき、ありがとうございます!
私が公爵の本当の娘ではないことを知った婚約者は、騙されたと激怒し婚約破棄を告げました。
Mayoi
恋愛
ウェスリーは婚約者のオリビアの出自を調べ、公爵の実の娘ではないことを知った。
そのようなことは婚約前に伝えられておらず、騙されたと激怒しオリビアに婚約破棄を告げた。
二人の婚約は大公が認めたものであり、一方的に非難し婚約破棄したウェスリーが無事でいられるはずがない。
自分の正しさを信じて疑わないウェスリーは自滅の道を歩む。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる